拳の握り方というのを、こないだネットで見た。
ネットでは割りと有名な中国武術をやってるはずの人間なのに、空手の古い先生の一本拳の写真を載せて、
僕もこの拳で打撃の稽古をしてますとか宣っていた。
えっ本気で言ってるの?
と正直驚いた
本来古武術でも、中国武術でも拳は握り込まない
うずらの卵を持って打つけどタマゴは割れないみたいな感じで拳は変化に富んだ柔らかさが必要です。
でないと勁は出ない
発勁なんてあり得ないのは、中国武術をやってれば常識のはずだと思うのだが
まさかそういう人が言うとは!
と、思ったけど、思い返せば結構いるかもと思い直した。
随分昔、中国拳法つながりで、ネット友達になりましょうと言って、友達になった人から、これ以上ないほどガチガチに拳を固めた中指一本拳の写真を送ってきて、
うちの拳の握りです。
と、自慢気なメールがきた。
空手なら分かるが、
なんで?
俺を試してんのか?
と、怒りの籠った返事をした。
そしたら寸勁がどうとか言い出したので、
これはちゃんと教わってないか、そこの先生が分かってないかだと思った
その人とはソッコーで友達解消した。
ネットだしね。
こんなこともあった
古武道つながりで、仲良くして頂いた東京にある流派の先生のところに、仕事の東京研修のついでに遊びに行った時のこと
中国拳法の練習今してるけど、一緒にやる?
はい、お願いします
ということで紹介して貰った
武術の雑誌によく載ってる先生だった。
なんかやってるの?
はい、〇〇流という古武道やってます。
あと昔太極拳もやってました
ほぉ、じゃあ打撃をやるかい
はい、お願いします
形意拳の打ち方でこうやるんだ。
で、ここで拳の握りはこう
その時の握りがまた一本拳であった。
僕はその握りでは勁が出ないのを知ってるので、形だけ真似する事にした。
そのうちその先生がミットを持ち出して
ちょっと打ってみるか?
。。。はい
ということでその先生が顔の横にミットを構えたので、その握りで打つことにした。
当然威力はない。
ないにも関わらず
ガッチリミットを持っている
お歳も結構いってる先生なんで
ま、いいか
と何発か打ってみる
そしたらその先生
まだまだ出来てないねぇ
と、僕に言ってしまった。
少しカチーンときたけど、
ここで荒事にするのは良くないし、
じゃあいつもの打ち方で一発だけ軽く打ってみるか
と思い、軽く打ったら
バンッ
その瞬間破裂音がして、
ミットが飛んでいった!
そのあとその先生俺を恐ろしい化け物でもみるかのような顔をして小走りで道場の隅まで離れ、しばらく近寄ろうとしなかった(笑)
拳を握り込むと動きが制限されて、中まで響かない
一本拳などは痛そうではあるが、ゆうほど効かない
僕の知る実戦派の中国拳法の先生は、軽くフワッとした握りをしていた。
どうしても一本拳を極めたいなら空手を極めたほうがいい。
僕の仕事の先輩が、学生のころに
沖縄空手をやってるという先生がいたらしい。
その先生は黒板を指でドンと叩いたら穴が空いたらしい。
その先生には誰も逆らわなかったそうだ。
一本拳は空手家の拳だと思う。