当て身は、護身術で必ず出てくる大事なキーワードだ
合気道の植芝翁も、当て身七分投げ三分という名言を残している。
だが、その当て身をまともに出来る人は以外と少ない。
それは、当て身というものが危ない強力な武器で強い力の相手でも当て身入れたら、崩れるし、簡単に制圧出来るという勘違いを多くの修行者がしているためである。
全部ではないが、多くの合気系、古流系道場で、当て身の稽古をあまりやってない。
やっていたとしても形だけぐらいだろうと思う。
だから、物足りなさを感じた人は、空手を習って当て身を補強するのが多いと思う。

そういう環境だから、人を殴れない、チョコンとどつくだけで心が折れるとか、そういう人が結構いたりする
誤解のないように言っておくが、趣味としてなら全く問題ない。
皆で楽しいひとときを過ごしたい人はそれでいい。
そうではない人、有事に護身術として使えるようになりたい人は、そういうわけにはいかない。
これからの話は、その厳しい現実を観ることが出来る人に聞いてもらう話です。

まず、一番知らないといけないこと、当て身を入れても相手は崩れません
現実は中途半端な打撃ほど、より危険な状況を作るということです
崩れるどころか益々相手は怒り心頭になり、さらに酷い目に合います。
随分昔まだ、武術をやる前の学生だったころ、細路地を歩いてると、横から軽自動車が、通りがてら、「邪魔や!どかんかい!」と言われ、つい「あー!」って言ったもんだから、
車を停めて中から190はあろう筋肉質の男が降りてきて、
胸ぐら掴んでフェンスに押し付けられたのだ。
万力のような力で押し付けられ、後頭部が空いてたので、つい中途半端に殴ったのだ。
そしたら、「なかなかやるやないか(笑)」と言って、その場でボコボコにされたのだ。あれは酷かった。。。

そんなトラウマ級の経験をしてるので、はっきり言えるのだが、

当て身をやるためには、中途半端では駄目です。

その為には、当て身で崩すのではなく、先に崩して当て身が入れられる状況を作るのが正解です

それと当て身は空手の技法とは別物です

空手をやるなら、それこそそっちを究めていったほうが有事には役だちます

空手で当て身の 代用はできません

体系が違うのです。

どっちつかずだと結局どちらも中途半端にしかなりません

それを踏まえて次回続きの話をします