真里谷円四郎義極という人を知ってるだろうか?
江戸時代の人で、無住心剣術三代目、
千度立合をして、負けなしの伝説の剣豪です。
無住心剣術の伝書は少なく、その流派自体も三代目で終わっているため、正に知る人ぞ知るマニア受けする剣豪です。

昔、当時の師匠にその伝書の載った本のコピーを貰って、貪るように読んだものですが、
二人目の古武道の師匠に貸したら、無くされてしまい、それきりになってしまった。

もう二十年前なんで、かなりうろ覚えなんですが、
ただ、何となく近づいて、眉間の高さまで上げた剣を降り下ろすだけという、とても技術とは呼べない単純極まる方法で、千度闘い、負けなしという
あり得ない内容が書いてあったのでした。
そこに僕はしびれましたね。

これぞ、究極だと思いました。

最近疲れて、ふと上を見上げると、綺麗な雲が浮いていて、
ふと、伝書の内容を思い出した。
正確ではないが、ある人が義極先生に
気を養うには、滝に打たれて、山に籠り、
厳しい稽古を一心不乱にやるのが、いいのでしょうか?
と、いうような内容の質問をした。

すると義極先生は、
いやそうではない。縁側に横にでもなって、空に浮かぶ雲でも見ときなさい。
そしたら、自然に気は養われますよ。
と、おっしゃったそうだ。

なんか今の現代人に必要な言葉かなぁと、
思ったりする。