「ヒアアフター」を観てきました.
「ヒアアフター」は、来世の意味です。
80歳を超えても、第一線で傑作を連発するクリント・イーストウッド。
ずっと死と向き合ってきた作品を連発している彼の最新作ですが、これまでと少し趣が違うように感じるのは、単に我々が彼のことを知らないだけかも知れません。
いきなり大パニックの場面から始まります。その後は静かに静かに展開します。
3つの話が別々に進み、やがて一本の線にまとまっていく。
最後を知らないので、「これってオムニバスではないけど、オムニバスか」と思うほど別々の空間で起こる話が展開します。
そのプロセスに少々いらだつことがないわけではないが、隣のオバサンはいびきを欠いて寝ていました。
そうです。カンタンな映画ではありません。オバサンがおきていたのは最初だけでした。(笑えない)うるさいのでムカッと来ていました。
難解な部分もあるけど、心で観る映画のような気がします。観終わってから考える。
今回も音楽がメッチャいいです。
クリント・イーストウッドの映画はどれも音楽がいいです。そのセンスには脱帽です。
「グラントリノ」の時も、「チェンジリング」の時も「トゥルー・クライム」の時も、全部いい。すごすぎます。
結構ご都合主義ですが、それが気にならないのは、もっと大事なことをメッセージしているからです。
映画まるごとが繊細、真面目に、本気で考え抜かれているのです。80歳を超えてもね。
エンド・クレジットの最初に、バーンとリント・イーストウッドの名前が出ます。お礼に拍手したい気分です。
暗い映画だけど、透明感があって希望のある映画です。
死をテーマにしているけど、クリント・イーストウッドの映画には、スーパーマンは出てきません。普通だけど、個性的です。どれも、ひとり、ひとり、違った生を認める大切さをメッセージしている気がします。「ヒアアフター」のエンディングでは特に強く感じました。
終わった後に、ハッピーな気持ちになります。
うれしかったので、帰りにわらびの里で弁当を買って帰りました。
弁当食べながら「来世」を考えていました。