小田玄紀です

 

 先ほど、電力会社の経営者として、今回の新型コロナを受けてのリモートワークが進む中で家庭用電気料金を抑制する基本料金0円プランを発表させて頂きました。

 

●電気料金基本料金0円プラン

https://www.remixpoint.co.jp/corporate/ir/2020/6426

 

 今度は暗号資産(仮想通貨)交換業者の経営者として、あくまでアイディアベースになりますが、デジタルトークンを活用した経済復興策を考えてみました。

 

 まず、政府として以下のようなデジタルトークンを発行します。ものすごく簡単に特徴をまとめると

 

 ・国民一人に対して10万コイン(10万円相当)を発行

 ・このトークンは1コイン=1円として日常的に使うことが出来る

 ・このトークンは1年以上使われない場合は自動的に0円となる

 ・使用した場合は受け取った人が3%増えるような設計にする。また1か月以上使わない場合は5%減っていくような設計にする

 ・1年後に政府が流通しているコインを1コイン=1円で買い取る

 

 というものです。

 

 ブロックチェーンのことを少しでも理解している人にとっては、非常に簡単に上記のようなトークンを作ることができることが分かると思うのですが、トークンとしては

 

 ①はじめに各ウォレットに10万トークンを入れておく

 ②1年以上トランザクション(移動)が無い場合は自動的にバーン(償却される)ようなプログラムを入れておく

 ③1トランザクション毎に3%が自動的に増えるような設計にする

 ④30日間トランザクションが無いウォレットからは5%を自動的に減算するプログラムを入れておく

 ⑤1年後にはトランザクションが出来ないように設計をしておく。残高として表示がされ、政府が買い取った際には0円となるようにする(政府専用ウォレットをつくり、そこへのトランザクション履歴を買取のエビデンスとする)

 

 デジタルトークンで使う場所があるのかという疑問については簡単に解決が出来、昨年よりモバイルペイメントが普及したこともあり現在多くの店舗でPayPay、Lineウォレットやメルペイなどが使えるようになっています。これらのモバイルペイメントとQRコードのAPI連携をするだけで簡単に決済連携は出来ます。

 

 はじめのデジタルトークンを配布する際にも布マスクを配布する際に初期設定をする登録画面のQRコードを配布する方法でもいいですし、マイナンバーカードを持っている人はログインをした画面にQRコードを表示するなどの方法もありますし、今はネット上で本人確認が完結するeKYCも普及しつつあるので、これで対応してもいいです。

 

 仮に上記の対応をしたとして、一人10万円とすると12兆円程度の財源が必要になります。ただし、これについては幸いに現在政府与党としても一人10万円の配布を考えているので、この財源をそのまま活用すれば追加のコストが不要になります。これから補正予算を検討するとしても1か月はかかります。

 

 上記のトークン開発から決済システムへの繋ぎこみについて、政府・モバイルペイメント決済会社・仮想通貨交換業者が協力すること

が出来れば開発自体は2週間~1か月で十分に出来ます。

 

 そして、これが期待される効果なのですが実は非常に大きな経済効果が期待されます。

 

 まず、使われないと1年後には0円になるので、麻生財務大臣も記者会見で気にしていた「バラまいても使われないと意味がない」という問題に対して完全に解決できることになります。貯蓄に回しても、使わないと1年後には0円になってしまうので必然的に使うインセンティブが生まれます。

 

 さらに、使わないと5%が減り、他方で使うことで3%づつ増えるので、皆が積極的に使うようになる可能性があります。使うことで増えるというのは信用創造の効果があります。

 

 AさんからBさんに対して10万円を払うと、Bさんのウォレットには3%増の10万3000円残高が増えることになります(これはデジタルトークンの特徴で自動的に出来ます)。さらにBさんが10万3000円をCさんに払うとCさんは10万6090円の残高が増えることになります。

 

 Aさん、Bさん、Cさんが組んで買い物をしないのに送付だけ繰り返すとインチキが出来てしまうという意見もありますが、1日で3%が増えるのは1回の送付までと制限をかけることも出来ますし、ブロックチェーンで送付履歴は全て監視ができるので循環するようなトランザクションについては無効とすることも簡単に出来ます(少しだけ技術設計が必要なので、簡単と書いてしまうとCTOに怒られちゃいますが。。。)。

 

 この取引を仮に30回された場合、当初の10万円は23.5万円になります。そして最大の特徴は1回目から30回目までの累計額として475万円の経済効果になります。

 

 経済復興には何よりもお金の流れを創ることが重要になります。仮に今月末に100万円入ってくると分かったら、人は60~80万円を使うことに対して恐怖感は無くなります。お金の循環があることが景気回復には何よりも重要です。

 

 つまり上記の場合は10万円が475万円と実に47倍の経済効果を生むことになります。消費による信用創造です。そして、これは政府が始めの原資を出しますが、その後の景気回復はまさに国民一人一人が担うことになります。

 

 デジタルトークンを使う場合はもちろん店舗だけでなくネット決済も出来るので、自粛をして在宅で仕事をしている人にとっても問題なく決済が出来ます。家にいながら経済循環による社会貢献が出来てしまいます。

 

 仮に初期の原資が12兆円とした場合、上記の資産に当てはめると12兆円により570兆円の経済効果があります。日本のGDPは2019年で550兆円程度ですので、この施策をすることにより昨年度のGDPを超える経済効果があります。もちろん、ベースとしてのGDPもあるので仮に今回の新型コロナによる経済自粛で50%減の270兆円になったとしても270兆円+570兆円=840兆円のGDPとなります。

 

 皆がデジタルトークンを使うことにより、これまで以上の経済効果が期待できることになります。そして、何よりこのデジタルトークンは日本国内でしか使えないために日本の富が日本から流出することがありません。

 

 1年後に政府が買い取る際にも仮に上記の計算で言った場合10万円が23.5万円なので12兆円の場合は28.2兆円になります。この財政支出が必要になるのではないかという指摘もあるかと思いますが、実はこれは消費税でカバーできる可能性があります。

 

 前述の通り、上手くいった場合に570兆円の経済効果があります。非常に簡易的な計算ではここに10%をかけると57兆円の消費税になります。仮受消費税・仮払消費税などもあるので、当然にここがそのままイコールになる訳ではありませんが、2019年度のGDPが550兆円であり、昨年度の消費税税収が約22兆円弱になります。つまり、570兆円のGDPが動けば概算で25兆円程度の消費税が期待できることになります(実際には通常のGDPは政府支出なども含みます。今回の570兆円はほぼ民間取引なので30兆円以上の税収は期待できるはずです)。

 

 つまり、初期の12兆円のみを財源として最大570兆円程度の経済復興が出来る可能性があり、また、そこから得られる消費税にてその後の買取原資も調達できる可能性がある施策になります。

 

 1つ問題があるとすれば仮想通貨交換業者としては、仮にこのデジタルトークンが出来ても収益をあげるポイントが1つもないというところなのですが(笑)、2018年以降の暗号資産(仮想通貨)市場に対してネガティブなイメージを多くの人が抱いてしまっているので、こういう時だからこそデジタルトークンやブロックチェーンによる社会貢献として取り組んでいくことが、結果的に業界や市場全体にとってプラスになるはずなので、そこを最大の対価と考えてこの取組に賛同して頂ける企業が出てくればいいかなと思っています。

 

 当然これはビットポイントだけでは出来ないことなので、政府関係者の方、モバイルペイメント業界の方、暗号資産(仮想通貨)交換業者の方、その他多くの人と一緒に実現していければ非常にやりがいのあるチャレンジだなと思いました。

 

 大分思いつきで書いているところもあるので、間違いなどあるかもしれませんが、1つの提言として考えをまとめてみました。

 

2020年4月15日 小田玄紀