小田玄紀です

 

 本日、開示をしましたがリミックスポイントにて総額60億円強のファイナンスを決議しました。私がリミックスに関わってから、総額100億円近いファイナンスをしたことになります。

 

 今回調達した資金により、エネルギー事業やビットポイントに対してより本腰を入れて事業展開することができます。

 

 先週、仮想通貨交換業の登録が正式に認められましたが、ここでようやくスタートラインに立ち、今回の増資によりアクセルを踏めるようになったというのが実感です。

 

 リミックスでは様々な事業展開をしているため、よく「忙しいのでは?」と聞かれるのですが、基本的に自分自身の役割は『仲間集め』と『資金集め』だと割り切っています。

 

 事業の責任者や社員、提携先といった仲間を集めること。そしてその仲間がやりたい事業に必要な資金を集めること。この数年でやってきたことはほぼ全てこの2つに集約されています。

 

 そうした意味では今回の資金調達により、当面の間は『資金集め』は動かなくてよくなるため、より前向きな『仲間集め』に専念できることを嬉しく思います。

 

 さて、『資金集め』とはいっても今回のような増資は株式の希薄化を招くために当然に一概に前向きな声ばかりではありません。もちろん希薄化に伴う一時的な株価下落を心配する声や今回のスキームについて不安視する意見も一部は会社にも寄せられます。

 

 ただし、その多くが実は誤解に基づく見解であったりもしますし、また、これまでの実績からも株式の希薄化以上に増資による企業価値向上は意義がある取組だということは十分主張できると考えています。

 

 いくつか、そうした点について解説をしていきます。

 

(1)増資と新株予約権型の違い

 今回のスキームは新株予約権型のファイナンスです。これは大量に一度に増資をするのではなく、段階的な増資を可能にします。増資の場合は一度に大量に新株が発行されるため、株式の希薄化が一気に進みます。しかし新株予約権型の場合は段階的に行われる傾向があるため、株式の希薄化がゆっくりになります。これは意外と重要なことです。

 

(2)発行数が固定であること

 今回は行使価格修正型の新株予約権です。この点で多くの人が勘違いをするのが、10年以上前に行われて問題になったMSCBとの誤解です。

 

 昔のMSCBは全体の行使額が決まっており、株価が下がれば下がる程希薄化率が高まるようなものでした。たとえば、1株1000円で10%の新株発行の場合、1株500円になったら20%の新株をもらえることになります。

 

 この場合、割当先からすると株価が低い方がより多くの株式を手に入れることができるため、空売りなどの問題が生じました。

 

 今回は発行数は固定です。つまり、株価が高くても低くても割当先には関係がありません。行使価格も5取引日毎に修正されるため、一時的な低い・高いはあまり関係ありません。

 

 むしろ株価が高い方がディスカウント額が大きくなり、割当先からするとメリットがあり、また、会社としてもより多くの資金が調達できるというメリットがあります。

 

 いわゆるムービング・ストライク(行使価格変動型)であることを過去のイメージでネガティブにとらえる人が専門家でもたまにいるのですが、それは過去にとらわれているだけであり、今回のスキームには該当しません。

 

(3)コミット型であること

 通常の新株予約権は割当先が自らのタイミングで行使日を決めて、新株にするため、いつどれだけ資金調達がされるのかが不明瞭でした。今回は行使についてコミット型であることから、原則的には年内には全ての資金が調達されます。このため、事業計画等についても大変組みやすくなります。

 

 今回調達した資金などを最大限活用することで、ビットポイントは『日本最大の仮想通貨交換所』になることを目指します。これまでは大きなチャレンジでしたが、今回の資金調達によりこれも可能になります。

 

④希薄化率

 今回は全体で11%強の希薄化率になります。当然これは大きな希薄化であることは間違いないのですが、参考までに昨年実施したファイナンスにおいては32.7%の希薄化でした。当時も多くの人が反対をし、否定的なコメントもありましたが、結果的には昨年の増資決議日の前日終値214円から5倍以上の株価形成が実現しました。

 

 要するに増資がいい・悪いではなく、今回調達した資金をどう活かしていくか。全てはそこにかかっていると思います。その点ではより多くの人の期待に応えられるよう、これまでに集まってきた『仲間』と共に取り組みを進めていきます!

 

 2017年10月3日 小田玄紀