小田玄紀です


 仮想通貨というと多くの人がビットコインを思い浮かべると思います。

実際には仮想通貨は1000種類弱があるとされています。なお、ポイントは仮想通貨ではありません。これは仮想通貨が通貨・外貨との交換性があるのに対してポイントは交換性が無いためです。特定の企業では使うことが出来ますが、法定通貨との交換性があるかどうかが違いになります。


 ポイントは仮想通貨で無いといっても多数の仮想通貨が存在し、また、今後も新しく生み出されています。このような中でもビットコインが圧倒的な知名度および流通時価総額を誇ります。


 現在、ビットコインの流通量は1575万BTC(ビットコイン)とされています。ビットコインの現在の価格は約70,000円なので1575万×70,000=1兆1025億円の時価総額があることになります。さらには現在はビットコインに対する投資は各取引所が10倍~25倍のレバレッジを導入していることから信用取引や証拠金取引などを活用すると最大10兆~25兆円の取引が可能なことになります。


 日本国内においても最近ではビットコインの1日当たり取引量が100億円を超えるまでになっています。


 このビットコインですが誕生したのは2009年になります。あらかじめプログラムにより約10分単位で新しいビットコインが発行される仕組みになっており、2100万ビットコインまでが上限として発行されることになります。現在、75%が発行されていることになりますが徐々に新規発行量が半減していき、2140年頃に発行上限に達するとされています。


 ビットコインが1兆円を超える時価総額を超えるまでに至ったのは、その「信用・信頼性の高さ」です。


 日本にいると円に対する信用があるから中々イメージが出来ないかもしれませんが、諸外国においては自国の通貨に対する信用が低いことがままあります。


 現にビットコインも2009年に誕生してから始めに価格上昇トレンドが出たのはキプロス危機の時とされています。2012年後半から徐々に認知度が高まってきたビットコインですが、2013年4月に200USドル(20,000円程度)を初めて超えました。


 そこから一気にビットコインの取引が増えるようになり、2013年12月には1200USドル(127,800円)近い価格を付けるまでになりました。最高値を付けた翌日に中国政府が金融機関によるビットコインの取り扱いを禁止したことで一気に下がり400USドル(40,000円程度)までになりました。

 

 なお、ちょうどこの頃に日本ではマウントゴックス社が破綻しています。しかし、実際にはマウントゴックス社がビットコインの価格に与えた影響は軽微でした。むしろマウントゴックス社の破綻の後にビットコイン価格は上昇して600USD(60,000円程度)までになりました。


 これはビットコインのユーザーの間ではマウントゴックス社は1つの取引所に過ぎず、マウントゴックス社の破綻はあくまで1取引所の不正横領によるものであり、ビットコインの仕組みが否定されたものでないということが分かっていたためです。


 為替で例えると街の換金所の1つが不正した程度で為替に与える影響は無いと考えるのと同じようなものです。


 その後、ビットコインの価格は400USD(40,000円程度)になりますが、今年の4月頃から徐々に上がり始めて6月には800USD(80,000円程度)までの値を付けるようになりました。これはビットコインの需要が増えたことと新しく発行されるビットコインの量が半分になる半減期を7月に迎えたことによるものです。


 このようにビットコインの価格形成は需要と供給に基づくものであり、政府の介入などその他ファクターが介在しない点が最大の強みであり、ここに信用・信頼の源泉があります。


 日本においてはビットコイン=マウントゴックスというイメージがあり、信頼性が低いイメージがありますが、世界的にはビットコイン=自国通貨よりも信用・信頼されるものであり、今後もこの取引は増えていくと思われます。


 2016年7月18日

     小田玄紀