小田玄紀です


 ChangeMakersとは文字通り変革を起こす人たちのことであり、アショカもそのコンセプトにEACH(Everyone-A-CHangemaker)を掲げています。


 主には時代と社会を変える人という文脈で使われることが多いため、日本では自然と活躍している社会起業家に対して使われています(ちなみにアショカでは特に秀でた活動をするソーシャル・アントレプレナーがフェローであり、社会問題を解決することに興味をもって行動する人は誰でもがChangeMakerであるという認識です)。


 このChangeMakersという言葉は極めて言い得て妙だと思います。


 社会構造は常に変化します。経済・人口・環境・・・様々な点で社会は変化することが自然であり、その変化により社会問題は生じてきます。この『変化により生じる課題を解決する』のではなく、『変化自身を自らで創りだして課題を解決する』という意味をも感じられるChangeMakersというワードは個人的にも好きな言葉です。


 さて、日本では社会起業家に対して多く使われることが多い、このChangeMakersですが実はビジネスの世界においても大いにあてはまります。


 というのも、成功している企業は多くが実はChangeMakersと言えるのです。


 たとえば、電鉄会社は昔はお客さんを運送することの対価として得られる切符代が収入源でした。それが今では電車内広告も多様化しており、広告収入も極めて大きな収益源となっています。さらには周辺地域の再開発はもちろんのこと、通勤・通学という日常的に活用する決済システムに注目した電子カード事業、さらにはその電子カードを使う場として駅ナカ・駅チカ・駅ウエの店舗化。


 この30年間で収益構造の在り方を大きくChangeしたことにより成長を遂げています。


 最近では、日本の電鉄会社は電車技術だけでなく、このビジネスモデル毎海外輸出すべきとまで言われますが、まさにその通りで日本を代表するChangeMakerだと思います。


 ソフトバンクも同様であり、投資会社から通信、携帯電話などこの15年間で収益構造を大きく変化させたことによって日本を代表するグローバル企業の1つになっています(実際にChangeMakersのアンケートを取るとソフトバンクが最も候補企業としての票を集めます)。


 このChangeMakersですがさらに大きく二分化すると「Time Keeper」と「Clock Builder」に分けることができます。


 「Time Keeper」とは時代の流れを読み解いて、一歩先を手掛ける人達のこと。

 「Clock Builder」は時代の流れそのものを創りだす人達のことです。


 どちらがいい・悪いというものではないのですが、市民セクターにおいても政府セクターにおいてもビジネスセクターにおいても今後はこうした人達がより求められ、また、活躍する機会が増えてくると思います。


 そのような「Clock Builder」を増やし、より成長させられる財団を5年以内に創ろうかなと考えています。


 2011年12月19日 小田玄紀