観たよ♪「ミンナのウタ」~プロモーション映画感が多分に在るのにそこそこ恐いのは流石清水崇かなと~ | 松丸元気のあ~ゆう事やそ~ゆう事

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※それなりにネタバレが含みます。

「ミンナのウタ」

製作年:2023年
製作国:日本
配給:松竹
上映時間:102分

◆スタッフ
監督:清水崇
脚本:角田ルミ、清水崇
製作:高橋敏弘、和田佳恵、木下直哉、中林千賀子、井田寛
エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁、浅野太
企画:新垣弘隆、大庭闘志
プロデュース:大庭闘志
プロデューサー:鴨井雄一、石田聡子、柳原雅美
ユニットプロダクションマネージャー:石田基紀
撮影:大内泰
照明:神野宏賢
録音:原川慎平
美術:都築雄二
装飾:松田光畝
特殊造型:百武朋
特殊デザイン:百武朋
衣装:及川英里子
ヘアメイク:堀川貴世、今野ふき子
VFXスーパーバイザー:鹿角剛
音響効果:大塚智子
編集:鈴木理
音楽:小林うてな、南方裕里衣
主題歌:GENERATIONS from EXILE TRIBE
音楽プロデューサー:高石真美
助監督:毛利安孝
ホラー担当:川松尚良
制作担当:多賀典彬

◆キャスト
白濱亜嵐:白濱亜嵐(本人役)
片寄涼太:片寄涼太(本人役)
小森隼:小森隼(本人役)
佐野玲於:佐野玲於(本人役)
関口メンディー:関口メンディー(本人役)
中務裕太:中務裕太(本人役)
数原龍友:数原龍友(本人役)
早見あかり:角田凛
穂紫朋子
天野はな
山川真里果
マキタスポーツ:権田継俊

人気ラジオ番組のパーソナリティを務める「GENERATIONS」の小森隼は、ラジオ局の倉庫で過去に送られてきたリスナーからのカセットテープを発見する。そのカセットテープには「ミンナノウタ」と書かれており、その後、小森は収録中に不気味なノイズと少女の声を聞き、行方不明となってしまう。
事態の解決を急ぐマネージャーの凛は、元刑事の探偵・権田に捜査を依頼。メンバーたちに話を聞くと、彼らもリハーサル中に少女の霊を見たという。やがて霊の正体は「さな」という女子中学生であることが判明するが、彼女が奏でる呪いのメロディによって恐怖の連鎖が引き起こされていく…

夏とデートの必須映画と言えば、昔はホラー映画が定番でしたが、今は年がら年中やっていて、風情も薄くなりましたが、それでもやっていればなんとなく気になるもの。
松竹系の映画館で予告編をやたらとやっていて、その予告編が結構良く出来ている(割りと怖い)ので、とりあえず過度な期待をせずになんとな~くな感じで鑑賞しました。

で、感想はと言うと…まぁこんなもんかと言えばこんなもん。割りと怖いと言えば割りと怖い。穴が多いと言えば穴はやっぱり多い。
「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のプロモーション映画と言えば…そう言うこと。なんでしょうねw

清水崇監督言えば、「リング」と双璧をなす「呪怨」で一世を風靡したジャパニーズホラー監督の代名詞ですが、ここ数年は正直停滞気味で「犬鳴村」等の都市伝説ホラーシリーズも右肩下がり気味。
個人的には呪怨で蓄えた過去の貯金を食い潰した感があります。
それでも新作が公開されるとあれば、ちょっと期待はしてしまう。…で、肩透かしを食らう。まあこの繰り返しが何年か続いてますw

送られてきたカセットテープの歌に呪いが入っていたと言う設定ホラーは昭和の時代からある定番と言うか、使い古された設定。いろんなアーティストの曲に変な音や声が入っているなんて、もはや懐かしいと言った類いです。
そんな設定を使ってホラー映画を作り上げるのに、正直ツッコミところが大満載。
30年も前のリスナーから送られてきた封筒を放ったらかしされている時点でツッコんでしまうし、呪われたのが何故かGENERATIONSの面々とADだけ。曲を聴いたディレクターやスタッフが何故か呪われて無いのが謎。
マキタスポーツさん演じる探偵の権田が優秀なのかそうでないのか、霊感が有るのか無いのかが中途半端。
空き家と言えど、呪われた家のセキュリティがガバガバ。
呪いの元凶のさなの設定が不明点が多くて中途半端。
最終的に呪いは解除されたのか、まだ続いているのかも中途半端。解除されてないのなら、GENERATIONSの面々は死亡フラグ確定なのに大人の事情でそうはならなさそう。
もう、ツッコミどころが多過ぎですわ!

例えば、30年前に送られてきた番組宛のテープもGENERATIONSと関連してるなら呪われる理由は分かる。でも、30年前ならGENERATIONSどころかEXILEもまだ無いし、それこそLDHの代表のHIROさんが在籍していたZOOまで遡らないといけないが、もうそこまで行くとEXILEグループは全員呪われているとなってしまうw
だからこそ、テープを見つけた!なんて安易な理由でGENERATIONSの面々が呪われたと言うのが安直なんですよね。

呪いの元凶のさなもなんでこうなった?が薄い。
リングの貞子や呪怨の伽倻子程の設定でないにしても、設定がホント曖昧なんですよね。

探偵の権田は本来ストーリーの中核をなすキャラクターなのに、コメディタッチが過ぎていて、物語の緊迫感が物凄く薄くなっている。これはマキタスポーツさんが悪いと言うよりかはキャスティングミス。
本来マキタスポーツさんはリリースチョイス的な味付けの役の方がその個性が際立つのに、何故マキタスポーツさんに権田を依頼したかが謎なんですよね。

早見あかりさん演じるGENERATIONSのマネージャーの角田凛は良いキャラではあるけど、何処か他人事に振る舞っていて、オオゴトにすると大変だからとメンバーが行方不明なのに警察に届けない行動が有る意味、事件をややこしくしているし、大事なメンバーが勝手についてきたにしても元凶の現場に連れていくか?

いろんな部分でツッコミどころ大満載で穴も多いのに、それなりに怖いのがこの作品の不思議なところw
清水崇監督の意地と言うか、才能の賜物と言えなくはないが、良くGENERATIONSのプロモーション映画になってる割には要所要所で怖くしてるなぁと感心してしまう。
特にさなのお母さんが怖い。一番怖いと言ってもいいぐらいで、さなのお母さんに振り切った方が良かったのではないかと思ってしまうが、そうなるともう呪怨になってしまうので、清水崇監督が抵抗したのか?と勝手に深読みしてしまいます。
予告編が良く出来ているけど、これが些か劇中のネタバレになっていて、廊下で走ってくる子供がネタバレなのはマイナス。良く出来ている予告編は良いとしても、もう少し使い方を考えてほしい。

あと、警備員さんから借りたカセットレコーダー、早よ返せよw

アイドルを使うのは決して悪いわけではないけど、近年の大して怖くないぐらいホラー映画の蔓延には正直閉口してしまう。もっと尖ってもよいのでちゃんと怖い映画には巡り合いたいなぁ。

もう、リングや呪怨と言った設定も秀逸で心底怖い、日本が世界に誇れるジャパニーズホラーは無いんでしょうね…
清水崇監督も中田秀夫監督も秀逸過ぎる作品と脚本で一世風靡したけど、才能が枯渇したとは思えない。
むしろ、世間的にも凄い作品が過去に送り出している分、ハードルが上げられてしまうんですよね。もちろん自分もその一人ですが。
だからこそ、期待も凄くしますので、大人の事情を上手く組みながらも避けつつもちゃんと「恐い」作品を期待したいと思います。