11月13日に開かれた彦根市議会11月臨時議会にて。
議題となったのは「新修彦根市史(全12巻)」のうち
唯一未刊であった「第4巻通史編現代」の出版にむけ
彦根市と執筆者グループとの民事調停を成立させるための議決議案と
その出版に必要な経費を補正予算の2件でありました。
そこで反対討論を行いました。
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==以下、反対討論==
私は、議案第80号彦根市史出版請求事件において調停を成立させることにつき議決を求めることについてに対して、反対討論を行います。
反対と言っても、問題の「新修彦根市史第4巻通史編現代」を刊行すること、これ自体には私は反対ではございません。
しかし、当然のことながら彦根市史は彦根の歴史を正しく後世に伝える内容のものでなければ、未来に間違った歴史を伝えることになってしまいます。
様々な歴史認識が問題となっている昨今、私たちは歴史を正しく扱うことを怠ってはいけません。
市民の中には「いち早く彦根市史の刊行をすべきである」という声があることは承知しております。
しかしそれは「正しい彦根市史」の刊行であり、もし仮に問題の種になるような「正しくない彦根市史」の刊行であれば、多くの市民は望まないと思います。
では、その内容が正しいか正しくないかのチェックはどこが行ったのか?
今回の彦根市と執筆者との間で原稿が修正された箇所については、その内容がチェックされることなく刊行されようとしています。
「彦根市史編集委員会」も解散されたままとなっており、「資料の偏り」や「国語上の誤り」、「重要な歴史事実の欠落」などがあるのかどうなのか、しっかりと確認されていないのが現状です。
この内容が本当に正しいものなのか、私にはわかりません。
わからないものを刊行するかどうかを決めることは、私にはできません。
したがって、彦根市史を刊行するという条項案が示されている調停の成立について現時点では判断することはできません。
しっかりと「編さん・編集委員会」で内容のチェックをしていただき、正しい彦根市史として刊行すべきであると思います。
そもそも、これまで「編さん・編集委員会」でチェックしていた経緯を今回なしにするということは理解し難いです。
彦根市議会は、このまま正しいか正しくないかの検証がなされていない彦根市史を刊行することにお墨付きを与えるようなことがあっては、仮にその内容について様々な問題が起きた時、誰がどのように責任をとられるのか。
ともすれば、この議決によって大きな責任が生ずる恐れがあるということを申し添えて私の反対討論といたします。
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採決では、私は両議案とも反対をしました。
しかし、両議案とも出席議員21人のうち私以外は全員賛成し可決。
新修彦根市史は、調停を成立させ刊行される運びとなりました。
討論で申し上げたような問題が、後世に残らないことを祈ります。