今年の箱根駅伝は100回目の記念大会で、いつもは関東にある大学だけが参加できるのだが、今回に限り関東以外の大学にも予選会への参加が許された。しかし結果的に関東以外の大学は本大会出場のレベルには達しなかった。


前年の大学駅伝三冠で、今年度も二冠を達成している圧倒的な王者駒沢大学と、それ以前の王者青山学院大学とのガチ勝負だった。


とは言え勝ち目が少なかった青学が結果的にとんでもない圧勝したのは何故だろうか?


翌日以降のスポーツニュースなどでも、真の勝因分析はできていなかったし、青学の原監督が何回もテレビ出演していたが、本当の分析は口にしていなかった。


1.大本命の駒沢は直前の大学駅伝2大会を順当に圧勝して満を侍して箱根駅伝に望んだ。その前年にも駅伝3大会を制していたから、余りの圧勝ぶりに自他共に「次も絶対駒沢が勝つ」と考えた。これが「油断」や「消極性」をうむ可能性に関しても、当事者の駒沢は考えていただろう。


2.駒沢は長年監督をしてきた大八木さんに代わって新しく藤田監督が就任したばかりだった。しかし就任直後の2大会を無難に乗り越えたから藤田監督が実力不足とは言えない。


3.往路の4区から雨になりとても寒かった。しかしこれも天気予報で想定内であり、駒沢だけの予定が狂ったとはとても言えない。


4.今回は全10区間のうち青学が5区間で区間賞を取り、さらに往路の大会新記録、総合の大会新記録を達成した。100回の歴史上で文字通り最速のレースだった。それを達成した青学走者は素晴らしいが、これほどのスピードレースだとは駒沢は想定していなかっただろう。


しかしそうだとしても、箱根駅伝前の走力の実績では駒沢が上回っていたのに、箱根駅伝に限って青学走者たちが史上最速で走れたのは「何としても駒沢を上回る」と言う失敗を恐れぬ割り切りがあったからかも知れない。


絶対王者の駒沢3区走者が青学走者に翻弄された事で、駒沢はチーム全体に動揺が走ったのは間違いない。


5.スター軍団の駒沢の中でも3区走者は頭抜けたスピード走者だったが、そこに青学がぶつけてきた走者と青学2区走者が「青学優勢ムード、ひょっとすると・・」を演出したと言える。その2区走者3区走者の二人だけにはアディダス製の8万円もする特性1レース使い捨てスピード靴を履いていたらしい。


復路では無く往路の勝負ポイントでの布石だったのは、結果的にとても効果的だった。


以上色々と分析してみたが、勝負ポイントだった往路だけで無く、更にリードを広げた復路の戦い方を見ても、駒沢は意外にメンタルに問題があったのは確かだ。


「絶対諦めない」は誰しも口にするが、それを結果に結びつけるのは頭抜けた精神力と、更には「状況別のトレーニング方法」の勝利だと言えるだろう。


青学あっぱれ!


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