帰宅してからたった10日で…⑫ | ここから青空

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27日 午後

 

眠り続ける夫

つながっている計器のモニター数字はほぼ一定

 

義姉は 予定よりも早く家を出て 一刻も早く到着できるようにと

新幹線を乗り継いでくれたけれど

最初の新幹線が遅延となり 結局当初予定の到着時間と同じになった

 

駅まで迎えに行くことは 看護師さんに止められた

 

そばにいてあげてください と言われた

 

15時になる前に 義姉が病院にタクシーで来てくれた

大きな声で 呼びかけてくれたけれど 目を覚まさなかった

眠っているだけの夫は ひどく汗をかいていて

一度 身体を拭いてもらった

 

少しの変化でも心電図モニターの警告音が鳴るのを

看護師さんが気にしてくれて

「1時間は音が出ないように設定しておきますね」

そう言って 出て行った ほんの数分後に 再び音が響いた

 

設定が不備だったのかな? とナースコールをした

看護師さんが来てくれた

同時に医師も顔を出してくれたのかな?

 

少し雑談をしてみんなが夫の周りにいるときに

いきなり

モニターの心拍数が落ちて 本当に一気に落ちて

それから どうなったんだろう あまり記憶に残っていないけれど

ずっと握っていた手を夫が強く握ってくれて

大きく1回呼吸をして

 

モニターの波が 凪いだ

 

 

 

ゆっくりと時間をかけて

医師が脈をみたり 瞳孔をみたりの一連ののち 息を引き取ったことを告げられた

 

4月27日 午後3時24分

最期は苦しい顔をすることもなく 穏やかに眠ったままでの永眠だった