帰宅してからたった10日で…③ | ここから青空

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19日

 

夫の様子に大きな変化なし

私は 午前中はスポーツクラブ 夜には練習に行った

 

この日は前日とは打って変わっての 快晴のぽかぽか陽気で

スポーツクラブから戻った私は

横になってはいるものの眠ってはいない夫に声をかけた

 

「家の中より 外が暖かいし 気持ちいいから 少し窓開けてみようか?」

その気になった夫は 寝ていた部屋の掃き出し窓を開け

そこから続く デッキまで 這うように出てきて それから座った

私と次女わんこは 庭に出て それぞれ日向ぼっこ

 

『あったかいね~ おひさま嬉しいね~ 元気が出るな』

気持ちよさそうに夫は言っていて

『あ~ここは 空が広いな~ 東京とは違うな~』なんて

<>智恵子抄> を思い出すようなことを言っていて

穏やかな時間が流れていた そのとき

 

『あ、黄色いチョウチョ!!』 夫が声を上げた

 

チョウチョはしばらく庭をひらひら舞ったあとに 飛んでいった

 

 

家に入ってトイレに向かおうとした夫が

テーブルの上に置いてあったものを見て言った

『あ、メロン 美味しそう 食べたいな』

スポーツクラブから帰るときに スーパーで買ったカットメロンだった

自分から何かを食べたいと言ってくれたのが 帰宅後初めてだったので

とても嬉しかった

 

食卓について ゆっくりと数個食べてくれた

喜んでくれたので

「果物が食べやすいんだったら スイカも売っていたから

明日はスイカを買ってくるね」と話しかけると 笑っていた

 

夜の練習から私が帰宅したときも 起きてきた

作ってあった雑炊とリゾットを少し口にして

長芋をすりおろして味付けしたものは 全部食べて

それから いろいろと話して…紙に書いて伝えてくれた

 

お義母さんが亡くなって どうしようもないくらいつらいこと

仕事で大きなトラブルがあり プライドが傷ついたこと

そんなこんなで 鬱がちっとも良くならないけれど

もしかしたら 違う病気にもかかっている気もするから

明日の精神科診察で相談してみようと思っていること

今日はとっても気持ち良い日だったこと

こんな日が続けば きっと治ると思っていること

 

今 書いていても 涙が出てくるくらい 特別な日だった

夜に義姉にも 調子が上向いているとメールで報告して お互いに喜んでいた

この穏やかな一日は ずっと忘れないと思う