視覚劣位 | kaz珍道中 〜アラフィフ通信大学生&日本語指導員〜

kaz珍道中 〜アラフィフ通信大学生&日本語指導員〜

アラフィフから日本語教師を目指して大学生(通信制)になる。
2021.4月、文学部(日本語主専攻)へ3年次編入学、2023.3月卒業。
2023.4月、年少者について更に学びを深めるため、教育学部へ入学。
同時に小学校で日本語指導員スタート。

皆さん「視覚優位」という言葉をご存知ですか。
その名の通り、耳から入る情報や、読解力よりも、パッと見た映像からの情報をいち早く取り入れる能力です。
うちの子どもたちは、皆この「視覚優位」です。
逆に言うと、言葉で説明されたり、文章を読んで理解するのは少し苦手。

で、なぜか親の私がですね、この真逆なのですよ。
つまり、「視覚劣位」。
(そんな言葉があるのかは知りませんが)

今日は、自分でもびっくりするくらい、いかに私が視覚劣位なのかを書きたいと思います。

まず、心理テストや性格診断をやると、たまに出てくる質問、「顔を覚えるより、名前を覚えるほうが得意だ」またはその逆、「どちらかというと、名前を覚えるより、顔を覚えるほうが得意だ」。

私、この質問が出るたびに、「ウーン」とうなってしまいます。
なぜなら、

どちらでもないからです

まず、視覚劣位ですから、顔を覚えるのは苦手なので、この答えは当然NOですね。
(これはあとで詳しく述べます)

では、「名前を覚えるほうが得意だ」。

実はこれもね、??なんですよね。
これは、視覚劣位と関係ないところだと思います。
これは、短期記憶、長期記憶に関係してくるのかと。

ちょっと話がそれますが……
私、短期記憶は強いんです。
DSにある脳トレ知ってます?
その中に、「単語記憶」というテストがあるのですが、3分だったかな?その間に、脈絡のない単語をいくつ記憶できるかというもので、25個中、いつも大体20個は記憶できるんですよ。
家族の中でも断トツで、脳年齢は20歳です。
(今からどれだけ視覚劣位なのかを話すのですから、ここまでは自慢させて下さい)

タモリさんの記憶力もすごくて(私とは比べ物にならないくらいすごいですけど)、前に番組で同じようなテストをしていて、共演者から「どうやって覚えてるのですか?」と聞かれて、脈絡のない単語を、脈絡のあるものに置き換えて、頭の中で映像化する、と答えていました。
私もまさにそれなんです。
例えば、「だんご」「のうか」「ひみつ」という単語があったら、「のうかのおじさんが、作業の合間にひみつでだんごを食べている」というストーリーを作って、それを更に頭の中で、農作業の格好をしたおじさんがこっそりだんごをパクついてる面白い映像を思い浮かべます。
これで覚えられるんです。

ではなぜ、「顔より名前のほうが覚えられる」に、堂々とYesと言えないのか。

この短期記憶に優れているのに、これを長期記憶として留めておくのは、意外に苦手なのです。
長期記憶というのかな…中期記憶なのかな…まあそれはおいといて、例えば、急に名前が出てこないことってありますよね?
職場の浅い付き合いの人とか、軽い知り合いでしばらく会ってなかった人とか。
映像は浮かんでるのに、名前が出てこない。
やっべー私ってなります。

たぶん、単語記憶のように、その場で集中して、その時限り覚えるのはできると思うんですよ。
でも、それは長続きしない。

さて。
今まで話した内容は、「記憶」についてでしたが、ここから本題に話を戻します。

先程、「映像は浮かんでるのに、名前が出てこない」と書きました。
映像浮かんでるってことは、視覚劣位じゃないじゃん。
って思うでしょ。
私もずっとそう思ってました。
ちゃんと顔覚えられてるじゃないって。

が、違ったんです。
これ、ここ最近わかってきたのですが……、私どうやら、人のことを顔で認識しているわけではないようなのです。

ガーーン。
衝撃の事実。

それにはっきり気づいたのは、今の職場に入って、多くの従業員が入っては辞め、辞めてはまた新しい人が来て…ていう、人の出入りが多くなってからのことです。

私は今の福祉関係の職場に3年半、パートとして勤めてるのですが、私の持ち場が、他の職員とあまり接しない、単独で行う仕事なのですね。
なので、日常、会話したりが少ないのです。

でも、時折私の仕事場に職員は出入りするわけで、そこで「あ、また新しい人入った」「この人はもう1年続いたな」とかこっそり観察してるのです。

で。
その「視覚劣位」に気づいた出来事がいくつかありまして。

ある日、勤めて2年くらいになる職員が、いつもの制服ではなく、私服姿で館内をウロウロしていたんです。
そしたら私、残念なことに、それだけでその人認識できなくなってました。
もう、自分でもびっくり。
福祉関係なので、職員の他に利用者さんがいるわけなんですけど、最初利用者かと思いましたもん。
で、見たことない利用者だなと思っていたら、声を発して始めて「え?○○さん???」ってなったわけです。

ここまでは、経験ある方もいることでしょう。
「いつもと違う格好だから、最初誰だかわからなかったわよー」なんて言うおばちゃん、たまにいます。

が、ここからが私やばい。
声を発して、いつものその職員だということはわかりました。
で、私服姿がものすごく違和感あったので、顔をマジマジと見てみたんです。
そしたら……

え??この人こんな顔だっけ???

っていう、「ちょっと待って、この人たしかに○○さんだけど、え?ほんとに○○さん?こんな顔???」って、更に違和感倍増。

つまり私、普段その人の顔をはっきり認識してないんですよ。

ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

もちろん、家族や親友の顔はしっかり認識してます。
たぶん、ご飯とか食べたり、対面してじっくり相手の顔を見る機会が多い人は、私の脳みそ、顔認識してます。
が、そうでない人。
いつもあまり顔を見ず(職場のように、なにか作業しながら受け答えだけしてる人)

は、私、全然顔見てないんだってことに気づきました。
実はこの1件だけでなく、最近同じようなことが再びあったのです。

その人も前述の職員と同じく2年くらいは勤めてる人なのですが、先日、とあることで真正面から初めて顔を合わせて会話したんです。
その時、私の脳みそ大混乱。

「誰?この人」って。

喋ってる調子や声はたしかにいつもの○さんだし、この時はちゃんと制服も着てたのに、今まで顔認識してなかったんですね、私の中で。

「うわー、喋り方も声もたしかに○さんなのに、顔が思ってたのと違う!メガネしか合ってねええ!!」って、まるで別人のように、私プチパニクってましたからね。
もう、ちょっと怖いレベル。
もう一度言いますが、少ない接し方とは言え、2年も同じ職場なんですよ?
ありえねえ。

それまで自分が視覚劣位なんだなっていう兆候を、薄々は感じてました。
例えば、前も書いたけれど、致命的に方向音痴。
道の映像がまったく頭に入ってきません。
何度も通ってる道でも、いつもどこを曲がってそこへたどり着くのかがわからなくなることがしょっちゅう。

ショッピングモールのような大型店舗も、ある限られた店しか、地図なしではたどり着けません。
前に行ったのにも関わらず。
なにの横になにがあって……というのはわかるんですけど、それがどの方角からだったのか…広い店舗にずらーーっと店が並んでる光景を見るだけで、クラクラします。

それから、外出したとき、ほとんど周りを見ていません。
狭い範囲、例えば職場の自分のテリトリー内で起こってることには、細かく目を配れるんですが、スーパー規模になって、そこで目的が「買い物」ってことになると、もう私の目の中には、商品以外入ってきません(但し視覚以外の情報は入ってきてますので、例えばお気に入りの店員さんとかは、言葉遣いが丁寧とか独特で面白いとか、商品の入れ方が好きなどで覚えています)。

だから例えば、よく知り合いから、「あの日○○スーパーにいたよね」と言われても、ほっとんどこっちは気づいてない。
ある目上の人からは、「会ったのに挨拶もなかった」と言われましたが、私の中では「会ってない」のです。
見えてないんですから。
とにかく、全然見てない。 
というか、見えてないのです。
視覚からの情報が入って来ない。

これが視覚優位のうちの子たち、すごいんですよ。
昨日、ゲーセン(メダルゲーム)に次男と長女を連れて行ったのですね、久々に。
私達は数年前からこのゲーセンに通ってますが、通ってると言っても年に数回の頻度なのですよ。

で、ここができたばかりの数年前、通い始め初期に、まだそのメダルゲーム機種がどういうシステムかもほとんどわからないままやってた時(そういえばこのアメブロにもその時の記事があります)、大当たりしたんです。
私達は、そのJackpotがどれだけすごいかわからず、ポケーッとしてたら、とあるおじいさんが、2度3度「すごいよ、このJackpot!」とか「こんな箱じゃ足りないよ、もっと大きいの持ってこなきゃ」「いやーすごいなー」とか話かけてきたんです。

んで、その時から数えて昨日はもう数年経ってたわけですが、たまたま息子と娘でその時の機種をやっていたそうで。
で、帰り際、二人して、「あの時のおじいさん、またいたね」と。

!?あの時のおじいさん!????

聞くと、↑☝の時、一度だけ話しかけてきたあのおじいさんがいたと言うのですよ。
「また同じ機種やってたから、よっぽど好きなんだなー」
「手袋はめてたし、常連なんだろうね」
「俺、前も来た時も見たもん。きっと定年退職して、メダルゲーム通いが趣味なんだろうなー」

え?え?ええええ????
待って待って。
視覚劣位の私からすると、まず、初回の話かけられた時に、そのじいさんの顔、まーーーーーーーーったく見てねえ。
そして、今日いたとかいないとか、そんなのも、まーーーーーーーーったく見てねえ。
だってメダルゲームしてるんですから。
見てるのはゲームだけで、周り見ませんから。
なんなら、音が大きくて耳からの情報がほとんど遮断されてて、かつ薄暗くて、よっぽど奇異な行動でもしてない限り、他の人のことなんて、全然見てないです。
この違いに愕然とした。
カルチャーショックに近い驚きです、我が子ながら。

他にも、子どもたちは得意な、クイズ番組などである「これから画面のある部分が徐々に変化します、それはどこでしょう」も、私は答えが出たあとでも、わからないことすらあります←やばい

話を「顔認識」に戻しましょう。
そこでふと「じゃあ私は一体、なにでその人をその人だと認識しているのだ??」と、疑問に思いました。
顔でなければなんなんだ?

で、わかったんですけど…どうやら私は、その人を「雰囲気」で見分けているようです。
声、話し方、歩き方、しぐさ、好みの服装(見分け方に服装も含まれてるので、だから職場の人が私服になるだけで、一つ見分け方を奪われるわけですから、混乱するわけだ)。

この年になって、ようやくこんなことに気づいたというお話でございました。