ああ! もう頭がこんがらがってきた!

いったん黒木からの連絡を待つか。

 

俺はまだ封筒を開けてない。俺はまだ封筒を開けてない。

呪文のように頭の中で繰り返す。

 

よし!

 

「今から飲もうよ! 奢る!」

優人にLINEを送った。すぐに返信がくる。

 

「正太郎ちゃん、今日デートだったんじゃないの? もう終わったの?」

「終わった終わった。ていうか、飲もうよ。どこにいる? お前の家の近くまで行くし」

「僕、これからバイトなんだけど」

「休めよ。俺が奢るなんて一生に一度あるかないかだぞ」

「もう、正太郎ちゃんはホントにしょうがない子だな。奢った後に、その倍金貸せとか言わないでしょうね。ていうか、休みの日に相方誘うってどうなのよ(笑)。ほかにすぐ来てくれる後輩とかいないの?」

「そんな一世代前の芸人みたいなダサいこと言うなよ。お前は、相方であり、親友だろ? 親友だから相方なんだろ?」

「わかんないけど、わかったよ。しょうがないなあ。バイト代わってくれる人が見つかったらまた連絡するから」

「とりあえず高円寺で先に飲んでるわ。待ってるからな」

「なんで高円寺なんだよ! 僕の家の近くまで来てくれるんじゃないんかいっ!」

 

封筒をカバンに仕舞い、高円寺へ向かった。