住宅の温熱環境や省エネ住宅化手法に詳しい、岐阜県立森林文化アカデミー
辻充孝先生の住宅温熱セミナーに、数年ぶりに参加しました。
益々温熱変態度増していた辻先生の講座でしたが、今回のウェビナーの中で
特に私が関心を持った点は、欧米と日本の「暮らし方」の違いです。
「日本の家の断熱性能は欧米に比べて超低い」などとよく言われる話なんですが
どうやらそこには、欧米人と日本人の「暮らし方」の違いも関係しているようです。
この表を見てください。
サブタイトルこそ、日本住宅の断熱性能の低さを論じていますが、右側の棒グラフ
を見てみると、日本に比べて他国(特に欧米各国)の住宅における
が多いことが分かります。
中でも赤い部分=暖房に使うエネルギー量は3倍から5倍にもなります。
欧米の住宅は断熱性のが高いはずなのになぜ?
実は欧米の家では「全館空調回しっぱなし」が常識。日本人は「もったいない」意識
も手伝って、全館空調回しっぱなしの家はほとんどありません。
欧米人はわずかの寒さでも嫌い、24時間暖房を家全体で回しっぱなしにする。
これに対し日本人(超寒冷地は除く)は多少の寒さは我慢し、使う部屋の暖房だけon
にする間欠暖房で暮らすのが主流。
だから欧米に比べとびぬけて、暖房の一次エネルギー消費量が少なくて済んでいる。
省エネ住宅と聞くと、断熱や気密性能をどれだけ高められるか?ということばかり
考えてしまいがちだけど、日本の気候風土や暮らし方によって、一次エネルギー消費
は抑えられているという、面白い結論に帰結しました。
ただし、断熱性能が低い住宅や間欠暖房は「ヒートショック」による疾病や死亡リスク
が指摘されています。
次回はそこらへんのお話を・・・。