飛ぶ鳥を落とす勢いの、ベネディクト・カンバーバッチの、「シャーロック」をほうふつとさせる傲慢な性格の天才医師という役柄で、単なるアメコミ実写化映画に深みを与えています。
悪役のマッツ・ミケルセンや、師匠のティルダ・ウィンストン、キウェテル・イジョフォーなど、なかなか重たい俳優たちが、こういうCG映画で共演しているのも重厚感につながっていると思いました。
ただ、魔術によって街が異次元的に変形してゆくシーンについてだけ一言いいタイ。
「インスペクション」か!
しかも「インスペクション」での、街の変形や無重力状態で格闘するシーンはすべて実写(それこそどーやって撮影した!)だそうです。
この映画の感想で、「どーやって撮影した!」というコメントを見たことがありますが、そりゃCGです。変形してゆく街での異次元的な戦闘シーンはこの映画の大きな見所でもありそれはそれで面白いんですが、CG=アニメーションという偏見を持っているアナログおじさんにとっては、やはりちょっと物足りない。
そんな、贅沢な映画でした。