ベストセラー作家横山秀夫の同名小説を瀬々敬久が映像化し、5月に劇場公開され大ヒットした映画、「64」前篇を観ました。

横山小説の映画化といえば、「半落ち」「臨場」「クラーマーズ・ハイ」など、個人的にはハズレがありません。

瀬々監督作品は、「アントキノイノチ」とか「ストレーヤーズ・クロニクル」などと、ちょっとつかみどころがない印象でしたが、この作品は重厚ですね。

たった7日間で終わった昭和64年に発生した幼女誘拐事件という、原作の目の付け所がまずスゴイし、キャスト陣はまるで大河ドラマを観ているように、隅から隅まで見たことある俳優さんで埋め尽くされています。

佐藤浩市、三浦友和、 椎名桔平、奥田瑛二、綾野剛、瑛太、永瀬正敏、榮倉奈々・・・と、主要なキャストだけでも超豪華ですが、記者クラブや刑事課の隅々まで低予算映画なら主役級の役者がこれでもかというくらい出てきます。

私、こういうキャストが豪華な映画を観ていると、「ちょっと待って、一旦落ち着こうじゃないか」などと疲れてしまう方なんですが、この映画は監督の才能なのか全然そういう違和感を感じずに観られました。

横山小説らしい綿密な取材に基づく重厚なストーリーも、これだけの俳優陣を使いこなしている瀬々監督の力量も、そしてもちろん俳優陣の演技も、今年の邦画No.1と言って間違いないでしょう。   観るべき映画です。

それにしても近年の東宝の勢いはすごいな~。