23日の日曜日、ジュネーブからドイツのベルリンに移動しました。10時50分発のスイス航空でチューリッヒに飛び、ベルリン行きに乗り換えなのですが、乗り換え時間がわずか45分しかないのが最初から気になってはいました。チューリッヒ空港は巨大な空港です。

 ジュネーブからの飛行機はほぼ満席。ずいぶん若い人たちが多いなあ、という印象でした。周囲の人たちの会話から、先週高校の卒業式があり、「卒業旅行」に皆さん繰り出したようでした。若いとは、将来があること。若いとは希望。しかし、若いとは社会的経験がほぼ無い、ということです。

 指定されている座席を無視して、友達どうしで座り、後から来た本来のその座席のお客さんから「そこは私の席です」と言われて、すぐ動けばよいのに「でも友達だから」と頑張って動かない。しかし次々にお客さんが来て混乱は混乱を呼び、フライトアテンダントさんたちが間に入って本来の座席に座らせます。出発はどんどん遅れます。

 チューリッヒ空港に予定よりも10分遅れ、さらにバスで到着ゲートに着いた時には、ベルリン行きは搭乗が始まっていました。同じゲートエリアだったのが幸いでしたが、走りに走ってかろうじて搭乗できました。やれやれ、と座席に座ってシートベルトを締めたら、「出発が遅れます」とのこと。おいおい、走ったのに!あんなに走ったのに!結局45分間、シートベルトを締めて座ったままでした。この遅れでスーツケースが間に合ってくれたら良いんだけど、ってバカな希望を抱いたりしましたが、当然ですが間に合いませんでした。

 ベルリンに到着するとスイス航空からメッセージが。「あなたのスーツケースはあなたと一緒には飛びませんでした。次のフライトに乗せます」とのこと。その「次のフライト」は夕方6時。ホテルに送ってくれるように手配しましたが、すぐには来ないだろうな、と嫌な予感です。

 そしてやっぱり、嫌な予感は的中しました。夜11時まで待ちましたがスーツケースは来ず、スイス航空が依頼している宅配業者からドイツ語でメッセージが来て「明日午後の配送」とのこと。やられたー!こういうことはありうるのに、今回に限って基礎化粧品を手持ちの荷物に入れるのを忘れてしまいました。男性にはわからないだろうなー、この喪失感。この絶望。

 とにかくホテルの周辺を歩いてみました。日曜日はほとんどのお店が閉店しています。幸いにも開いていた中華屋さんで鶏肉入り焼きそばを注文し、幸先の悪そうなドイツ滞在の幸運を祈って一人乾杯しました。

これくらいは「いやはや」には入らない、と自分に言い聞かせるウサギ