いよいよ、秋のジュネーブ研修が開始されます。私は準備の為一歩先にジュネーブにやってきました。現在、ウクライナ紛争のためロシア上空を飛ぶことができず、遠回りして北極上空を飛びます。そのため、羽田を出てミュンヘン空港まで14時間半かかりました。ミュンヘンで5時間半待ってジュネーブ行に乗ります。ミュンヘンからジュネーブのフライトは、なぜかイタリアのエアードロミティというLCCのフライトでした。LCCですから当然遅れます。ジュネーブに到着してからも荷物が出るのにとても時間がかかり、結局日本の自宅を出てから荷物を受け取ってジュネーブの空港を出るまで26時間かかりました。疲労困憊です。しかし、心配したスーツケースはちゃんと届いたので、一安心。これで荷物が出てこないと疲労感は倍になりますので。
あいかわらずジュネーブ市内はあちこちで工事中。バス停の位置もころころ変わります。6月に来た時とは違うところに移動しているバス停もあります。
夜は、久しぶりにフェルネー時代の友人、Sさんとフェルネーで食事です。彼女は味覚がすぐれているので、彼女の「舌」を全面的に私は信頼して、良いレストランを探してもらっては一緒に食事に行きます。
まだ夏時間のフランスでは19時でも青空が広がっています。そして、暑い!日没前が一番暑いのではないでしょうか。フェルネーで長年続いている小さなカフェ、Café Voltaire(カフェ・ヴォルテール)でビールを一杯飲んで、いざ、ディナーへ。
今回Sさんが見つけてくれたのは、フェルネーに4年ほど前に開いたというLa Brasserie d’Henriette(ブラッスリー ダンリエット)というフランス料理屋さんです。Herniette d’Angevilleという人は、フランスの女性登山家で、1838年に女性で初めてモンブランに登頂したそうです。
アンリエット・ダンジュヴィル-ウィキペディア (wikipedia.org)
その人の名前をお店の名前にしているのです。さすが、Sさんが見つけたところで、素晴らしいお料理でした。二人で、牛肉のウイスキーローストと湖の魚のフライを注文して分け合いました。お野菜の使い方が素晴らしい!フライドポテトがこれまで食べた中で最もおいしいと感じるほど、カリカリ、フワフワで、ビールが進みます。牛肉に手を付けずにポテトばかり一心に食べ続ける私に、Sさんが「ビーフがとろけるように美味しいのに、冷えて硬くなっちゃうわよ!」と心配してくれました。いや、ビーフももちろんおいしいです。魚のフライも素晴らしくて、美味しいものでお腹をいっぱいにする幸福感を感じました。
近況を聞いていたら、Sさんがこんなことを言いました。「娘の一人が、『2人目が欲しいな』と言うので、『ウクライナ紛争で社会があわただしいこんな時に産むのは止めなさい』と言ったのよ。ガソリンを始め、いろんな物の値段が上がっているの。これから紛争がどうなるのかも見通せない。娘には、紛争がもう少し落ち着いてから2番目を考えなさい、と言ったの」
子どもが欲しいけど、この紛争がどうなるかわからないから控えないといけない。日本ではそんな発想はあまり無いように思います。しかし、6月にドイツに出張に行った際、ウクライナ紛争はフランスにいるよりももっと身近で、危機感を感じました。この社会の騒然とした感じが日本にも起こったらどうなるのか。ますます少子化が進みそうです。何ごとも平和があってこそ。一刻も早く、この戦争が終わってほしいものです。
フェルネーに来て、「ふるさと」を感じるウサギ