少し前に、同僚とフランス南部に旅行しました。


フランスの南部、スペインに近いところにカルカッソンヌという中世から続く町があります。この町の丘の上には城塞があり、そこがユネスコの世界遺産に指定されています。フランスのある詩人が、「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」といったくらいきれいなところと聞きました。フランスでもっとも観光客が多く訪れるのはフランス西部のノルマンディーの海岸近くにある人工島に築かれた巨大な聖堂、モンサンミシェルだそうですが、二番目はカルカッソンヌだそうです。


同僚にフランスが大好きな人がいて、以前からカルカッソンヌには一度行ってみたい、と聞いていたのです。私たちはジュネーブ空港からまず南西部のトゥールーズに飛びました。私は私で、もう30年近くも前から、「一度トゥールーズに行ってみたい」と思っていたのです。昔東京で働いていたころ、神田の古本屋で売っていた昔の絵葉書にフランスの田舎町の小さな橋のものがあり、それがトゥールーズの橋だったのです。いつか、この小さなかわいらしい橋を見てみたいものだ、と思っていたのでわくわくしてトゥールーズ空港に降り立ちました。


空港でレンタカーを借りて、トゥールーズの町に向かいました。


トゥールーズはエアバス社の本拠地で、フランス第五の都市、とのことです。街中には地中海とトゥールーズを結ぶ運河が走り、たくさんの大小の橋がかかっています。私が昔見た小さな橋も、このような橋の一つだったのでしょう。しかし今はトゥールーズはすっかり大都市になり、静かな田舎町の雰囲気はありませんでした。


私たちは、旧市街にあるジャコバン修道院を訪れました。13世紀に建てられた修道院で、天井が高く、下から見上げるとヤシの木のように見える柱が印象的でした。




礼拝堂らしき部屋は天井画と壁画が残っていて、静かで厳かな雰囲気が満ちています。



修道院には庭を囲む回廊がきれいな状態で残っていて別料金を払うと見学することができます。修道士さんたちは、このような回廊を静かに歩いて瞑想をしていたのでしょうか。



でも、回廊の石の廊下のところどころに「この下に○○眠る」と書いた墓石のようなものが埋め込まれており、ドキドキでした。ヨーロッパの教会って、そうなんですよね。遺体を建物の地下に埋葬するんですよね。いやはや…。ほんとにこの墓石の上を歩いてもいいのでしょうか・・・。「お邪魔しまーす」と言いながら歩きました。


さて、修道院を出て、近くのサン・セルナン・バジリカ聖堂を見学に行きました。



11世紀に建てられた教会はとても内部が広く天井が高くて、カトリックの教会らしく、派手でした…。

この教会の入口には12世紀の彫刻が施されたミエジェヴィル門という門があります。とても繊細な彫刻でこれが12世紀のもの、というのが信じられません。



次回は、トゥールーズの次に訪れたカルカッソンヌの街の思い出をつづります。


ではでは。


ウサギ