さて、香港から戻り、ジュネーブでの仕事開始です。

バスパスがちょうど切れているのですが、金曜日に注文した車が来るので、車が来たらもうバスにはあまり乗らないため、買うのを控えていました。


またあの面倒な自動販売機でバスの切符を買わなくてはいけません。月曜日の朝、バスに乗ると、珍しくバスの中にちゃんと自動販売機が外されずについていました。


よかった、よかった。さて、用意しておいた4.1ユーロ分のコインを入れて・・・チャリン!・・・ポロン!あれ?・・・もう一回。チャリン!・・・ポロン!コインが戻ってきてしまいます。


運転手さんにつたないフランス語で話してもまったく理解してもらえません。


前の席に座っていた乗客に「これ、なんで戻ってくるんでしょうか」と聞くと、私が持っていたコインの表面を撫でて「表面がつるつる過ぎると、機械が『にせコイン』と判断して、受け付けないんじゃないかな」というのです。「に、にせコインーーー???」だって、2ユーロコインを2枚と、10セントコインを1枚入れて、全部戻ってくるんですよ。全部偽コインだというのでしょうか?そんなもの、あるわけないでしょ、と言いたいところですが、それをその人に言ってもしかたないので、途方に暮れていると、ほかの乗客が「スイスフランコインを入れてみたら?」というので、じゃあ、と5フランコインを入れました。スイスフランだと4.8フランなのです。今度はちゃんと受け付けてくれました。ただし、当然ですがバスの中で買うとおつりは出ません。


チケットに、「20セントのおつり」と書いてあるので、これを駅のチケット売り場に並んで見せると、返してくれます。ただ、何十分も並ばないといけないので、もうどうでもよくなってしまうのです。


とにかく、チケットは購入できました。「これを金曜日まで毎日やるのか」と思うと気が滅入ってきましたが、バスパス1か月分は81ユーロ(約1万1000円)もするので、あまりにもったいないと思ったのでした。


そして昨日のこと、職場の同僚とカフェにコーヒーを飲みに行きました。同僚がコーヒーをご馳走してくれるというので、先にテーブルに座って待っていると、同僚がお店の人と5フランコインをもって長いこと話しています。


コーヒーを持ってきてくれた同僚に「どうしたの?」と聞くと、なんと次のように言いました。


「先日、このお店で5フランの偽コインを使った人がいたんだそうですよ。お店の人が私が渡した5フランを裏表よーく見たので、『なんですか?』と聞いたら、『本物かどうか確かめていました。つい先日、偽コインが使われてしまったので。本物の5フランコインはね、この5フランと書いてあるのが表の上にあって、裏にはこの僧侶の顔の頭が上になっているんですよ。偽コインは、それがずれているんです』って、説明してくれたんですよ。気を付けないといけないね」


それで、お店の人は同僚に、コインの裏表を見せて説明していたので遅くなったのだそうです。いやはや・・・。怖い世の中ですね。


下の画像がスイスの5フラン硬貨です。その話を聞いて以来、5フラン硬貨を見ると必ず裏表確認するようになってしまいました。





もちろん、これは本物でした。いったいだれが、こんな手の込んだことをするんでしょうね。偽コインが回ってきたら、どうしたらいいのでしょうか。警察に届け出る?それとも知らん顔をして使っちゃう?5フランは、大体600円弱です。何枚くらい出回っていて、あの自動販売機の感度はどれくらいいいのか、知りたいところです。意外と、偽コインに簡単に騙されていたりして、ね。偽コインが回ってきたら試してみましょうか。まあ、私の手には入らないと思いますが。


ではでは。

ウサギ