7月8日から12日まで、香港で Indoor Air 2014という、室内空気に関する学会が開かれていましたので大学から4名で参加してきました。現在の職場で、室内空気に関するガイドラインを改正したい、と思っており、最近の研究成果を知りたかったのと、委員になっていただきたい研究者を探すためでした。


専門的な話は置いておくとして、香港の街について記録しておきます。

これまで何度も台湾を訪れていたのですが、香港は初めてでした。台湾は日本が植民地にしていたわけですが、香港は100年間イギリスの植民地でした。それで、きっと香港の皆さんは英語を話すのだろう、と思って行ったのですが、実際には大きな違いがありました。


ホテルの人はさすがに英語を話しますが、レストランに行ってもタクシーに乗っても、英語を話す人は極端に少ないです。日本人が多く行くレストランだと、日本語のメニューを用意してくれているところもありましたが。


タクシーは、空車がまず少ないのと、空車であっても、手を挙げてもなかなか止まってくれません。さらに、止まってくれても、ホテルの住所を漢字で書いてあるのを見せると、じーっと読んで、「ダメ」と、乗車拒否されることがたびたびありました。これは私たちだけではなく、ほかの人たちも行き先を告げると、ドアを開けていたのに「ダメ」と拒否されるのを見ました。なぜかはわかりません。運転手さんが行きたい方向と違うと、拒否するのかもしれません。


学会会場になっていた香港大学は、香港の市内から丘を登って行かねばならず、不便なところにあったため、毎日タクシーを使いましたが、行きはホテルで止めてくれるのでまだ良いのですが、帰りは香港大学の外に出てタクシーを止めなければなりません。これが一苦労でした。最後の日は、どうしてもタクシーが拾えず、炎天下の中滝のような汗をかきながら徒歩で20分ほど市内まで歩き、とうとうトラムに乗りました。


さらに、タクシーの運転手さんはとても怒りん坊の人が多いのです。ホテルの住所を書いたものを渡しても、露骨に嫌な顔をしたり、「チーッ!」と忌々しそうに舌打ちして、中国語で怒鳴ってくる人が3人に1人はいました。何がいけないのかよくわかりませんでしたが、台湾ではこのようないやな経験は一度もしたことがありません。


しかしまあ、日本でも日本以外のアジアの人に対して失礼な態度をとる人がたくさんいるので、そのような人の気持ちを理解するためにも必要な経験だったかもしれませんが。


さて、せっかく香港に来たのだから、噂の「100万ドルの夜景」を見に行きましょう、ということになりました。食事を早めに切り上げ、香港島の山頂に登るトラムの乗り場に行きました。


ここで数十分も行列を作って待ちました。ようやく私たちの番が来て、トラムの入り口付近で待っていたのですが…。


日本のように、整列乗車などしないので、なにやら異様な雰囲気です。トラムがゆっくりと入ってきて止まると、皆一斉にドア付近に殺到します。ドアが開きました!ひゃーーーっ!なにこれー??


後ろからも横からも、人がものすごい勢いで私たちを押しのけようとします。あちこちで悲鳴や怒号があがります!助けてー!後ろからぐいぐい押されて電車の中に倒れそうになりながら飛び込み、座席に座ることができました。いやはや、いやはや・・・。


一台のトラムに乗れる数は決まっているので、一台分の人数を数えて駅員さんが誘導しているのです。それなのに、我先に!とばかりに人を押しのけて座る人たちの様子に、恐怖感さえ感じました。北京オリンピックの時の中国の人たちの殺気立った様子がニュースで紹介されていましたが、聞きしに勝る、とはこのことです。


展望台にようやくたどりつき、いよいよ「100万ドルの夜景」です。うわーきれい!




でも…。きれいなんですけど・・・。昔なら「100万ドルの夜景」だったでしょうが、今はこのくらいのネオンの夜景はあちこちにあるのでは…。

まあ、でも香港に来たかいがありましたね、と言い合いながら、帰りましょう、とトラムの駅に向かいました。ところが、なんと「60分待ち」というではありませんか!しかも、またあの「きゃー!」という不愉快な経験をするのかと思うと、できれば避けたい、というわけで、タクシーに乗ることにしました。


こちらも数十分待ちです。でも、なんとか乗ることができました。しかしここでも、皆並んでいるのに横から入ってくる人たちがいるのです。私たちの数組前でも、横から5人の団体が割って入って、無理やり乗っていきました。


そして私たちの順番の時にも、家族連れが何食わぬ顔をして横から入ろうとするのです。私が「タクシーに乗るのですか?」とお父さんに尋ねると、うなずかれたので、思い切って「みんな並んでいるので、タクシーに乗るなら並んでください」と言いました。幸いにも、お父さんは子供たちをつれて黙って後ろに回りました。それにしても、子供たちにどう説明するのでしょうね。行列なんて割り込めばいいんだ、と教えるのでしょうか。香港の将来が心配です。


というわけで、100万ドルの夜景はきれいでしたが、その前後の不愉快な経験を思い出すと、「もう二度といや」と思ってしまいました。もし、「香港に行こうか、台湾に行こうか」と迷うことがあれば、台湾のほうが嫌な経験は少ないと思います。


でも、香港では有名な飲茶を楽しむことができました。ガイドブックを見て、ワンチャイ地区にある「點點心(ディムディムサム)」というお店に行きました。小さなお店ですが、安くてどのお皿の料理もおいしかったです。日本語メニューもありますし、お店の方たちもとても親切でした。

これはナスの中にお肉を詰めたもの。すごーくおいしかったです。



ほかにもいろいろ。エビや野菜やお肉の小さな餃子やおまんじゅうがたくさんです。





ビールは、香港で初めて見つけた「ブルーガール」というドイツからの輸入ビールでした。



最後に、カスタードのおまんじゅうを。これが豚ちゃんの顔をしていて、かわいいのです!



香港に行かれることがあれば、ぜひお試しください!


ウサギ