今朝はまたずいぶんと冷えました。


先週までどんどんあたたかくなり、春を通り越して夏になったかと思うほどだったのに、土曜日の午前中は土砂降りで気温が下がり、「もうそろそろクリーニングに出そうかしら」と思っていたダウンコートをまたも引っ張り出しました。


先週の木曜日、とても暖かかった日、町の中心から少し離れたところにある噴水に、水がたまり始めました。冬の間は水を流していなかったのです。お花もきれいに飾って、春の雰囲気でした。



この噴水は、この町の名前の由来になっているボルテールが、お金を大部分出して作ったそうです。お水もとてもきれいで澄んでいて飲んでもいいくらいではないかと思うのですが、「non potable(飲用不可)」と書いてあります。




月曜日の今朝は朝から寒く、部屋の暖房も最高の温度にしてもまだなんとなく寒く感じるほどでした。ホテルの外に出ると、先週までまだらに溶けていたジュラ山の頂上に雪がまた降り、真っ白です。


職場の最寄りのバス停についてバスを降りたら、細かいあられが降っていました。息が白いです。

部屋について、メールをチェックすると、クアラルンプールの例の秘書Jからメールが届いています。「あなたは銀行口座の情報登録をしていないので、手続きが進んでいないのです。銀行口座をのネット上に登録することは各自の責任ですることです」などと書いてあるので、まさかと思って自分のコンピューター上のネットを開いてみましたが、銀行口座の開設はここ来て真っ先にしたことで、情報も秘書EやN大学のN先生などに手伝ってもらってとっくに済ませていたのです。もちろん、ネット上にちゃんと入っています。


秘書Eを呼んでメールを見てもらったところ、「ちゃんと情報は入っているのに、何を言っているのかしらね」と言っていました。私も「そうよね。何か必要な情報を間違って入れてしまったかしら」と言ってネットの画面をもう一度見たら…。ネット上に「あなたの銀行情報は給与支給管理部から承認されました」という情報が現れました。私は今朝は何もしていないのに。つまり、秘書Jがあのようなメールを関係者に一斉に送ったので、給与支給管理部があわててチェックして、私の情報をアップデートしたのではないでしょうか。秘書Eに「いったい誰の責任でこんなことになったのかしら」と聞くと「さー。このクアラルンプールの秘書たちの誰かか、給与管理部の誰かか、でしょうね」ということでした。「誰も責任者ではないから」というのです。うううっこんなことってあるのでしょうか。


やれやれ疲れた、と廊下を歩いていると、「うつむいて歩いてちゃだめですよ!」と日本語が。N大学のN先生でした。だってだって、うつむいて歩きたくもなりますがな。


「N先生、私もういやになっちゃいました」と事情を説明すると、N先生は「そんなことはここでは日常茶飯事ですよ」というのです。何の慰めにもなりません。


「でも、これが日常茶飯事だとすると、日常的にいろいろな間違いが起こっているのではないですか」と聞くと「もちろんですよ。しょっちゅう間違ってますよ。だから、自分で気を付けておかないとダメなんです。自分も、あるとき急に住居手当が支給されなくなったことに3か月くらい過ぎてから気づき、あわててクレームしてようやく回復したことがあります」というではありませんか。


「ここでは誰も信じてはいけない」とは前から聞いてはいましたが、本当に、自分がしっかりしておかなければいけません。でも、日本の大学では優秀な秘書さんたちにすっかりお任せして、なんでも秘書さんのおっしゃるままに動いていた私ですので、急に「あなたがぜーんぶ自分でちゃんとしないとね」と言われても、途方に暮れてしまいます。


とにかく、今ようやく3月のはじめに入力した銀行口座の情報がコンピューター上にアップされたので、明日、本当に給料日に振り込みがあるかどうか、ネット上で確認します。


秘書Eさんは、先週金曜日に、私に指示して、いろんな人にメールを送らせました。そして、「これだけたくさんの人にメールを送ったんだから、きっと誰かが助けてくれるわよ」と言ったのです。N大学のN先生は、「とにかく何度も何度もメールを送ってください。クアラルンプールの人間にとっては、7500名もいる職場の本部スタッフの一人にすぎないので、誰も気にしないのです。何度も何度もメールを送っているうちに、きっと誰かが≪これはなんとかしてあげないといけないなー≫と気づいてくれると思いますから」というのです。どういう組織なんでしょうか。とにかく、日本のように「一度メールを送っているから、しばらく待ちましょう」などということをしていては、次から次に後回しにされるだけです。返事を聞くまでは食いついて離れないブルドッグのようにならねばならない、と「風と共に去りぬ」の第1部でスカーレットがこぶしを握って「二度と家族を飢えさせません。そのためなら何でもします!」と神に誓うように、生まれ変わることを誓った私でした。


今日のビールは迷った末、チェコのバドワイザーにしました。

エサは、週末日本の私の大学から上司と同僚2名がやってきたので、食事に行った際の残り物のフレンチフライと魚のフライ、さらに、土曜日の朝市で買っておいたベトナム料理のココナツカレーとチャーハン、野菜炒めにしました。おいしゅうございました。


上司からは、「ここもいろいろ大変なようだけど、日本の大学も天国ではないし、ここでの仕事はきっとあなたのキャリアアップにプラスになるから、一生懸命やっておくときっといいことがあります」と励ましてもらいました。そうですよね。どこにも地上の楽園はありませんね。




明日も頑張ります。


ではでは。

ウサギ