久留米といえば、
松田聖子さん、チェッカーズ、つとに有名ですが、
絵画方面では青木繁や坂本繁二郎を育みました。
そう、この小都市にはなんかある!
筑後川(※地元のかたは”ちっごがわ”と言われます)が悠々とながれ、
耳納連山が見守るように横たわる風土から生まれる”なにか”です。
ということで、今回、特に目指したわけではないのですが、(話の腰を折るなよ~!)
石橋美術館で開催されている尾花成春(1926-2016)展をみてきましたので、ご紹介。
これは久留米及び筑後の地にゆかりのある作家を紹介する「ちくごist」シリーズ、
その第1弾だそうです。
ちくごist 尾花成春 | 久留米市美術館 | 石橋文化センター (ishibashi-bunka.jp)
私は、まず入ってすぐのコーナーにあった「竹」に惹かれましたよ。
なんだなんだ、この哲学的なトーンは…!
この絵だけ雰囲気が違うのです。
横に添えてある解説パネルにはこうありました。↓
尾花は2012年6月12日のクロッキー帳に、古びた竹がモティーフとして夢に出てきたと記し「竹に父のうしろ姿を見た」「すらりとした和服姿」「やせ細った私」「強靭な精神力」「竹=自画像」などの断片的なメモを綴っている。…本作はそのイメージを油彩画へ仕上げた作品だろう。細くとも毅然と立つ竹に、在りし日の父、さらに自分自身の姿を重ねた一枚である。
ああ、わかりました。
つまり、作品は制作年代順に展示されているのですが、NO.1「初めての油絵」(1941年)から始まる初期の作品群のなかで、この「竹」だけは晩年の一枚なのでした。
なるほど、なるほど、
それで私は惹かれたのかも。
一枚の絵が秘める力。
圧倒されました。
*
”自分を生み育ててくれた筑後平野の根源に迫りたいという画家の執念”
「筑後川三部作(天地水)」です。1988年
印象的なのは「黒のシリーズ」でした。
尾花氏が黒色を多用するようになるのは1990年代からだそうですが、
”晩年の「花に語る」といったシリーズでは、老子の思想から影響を受けて、無限に広がる「玄」としての黒を追求”ということで、
これは漆黒の世界からボーッと浮かび上がる花(カラーですね)、
この製作が2010年、
なんだか冥界へと続いていきそうで…。
繊細だけど、怖い。
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石橋美術館はバラ園も有名なんです。
(見惚れて写真撮り忘れ)
以上、尾花成春作品への誘いでした。