もううん十年前のことになるのですが、
私が属していた女性だけのある小さなグループで
権力闘争に近いものが起こったと思ってください。
でもそれぞれの”派閥”の下っ端同士は仲が良くて、
そのうちの年配のお一人がある日、
「あ~、ばからしい。どうせみんなもうすぐ死ぬのに」と
突然大きな声で言ったのです。
その一言で、そこにいた人はみんなシュンとなりました。
そうだよね~。
いくら権力をほしがっても、
いくらお金があっても、
死は平等に訪れるというのが私たちの共通認識でしたから。
でも、そうじゃないかも…というのが本日のお題です。
あの山中伸弥先生のiPS 細胞ですが、
臨床研究、こんなところまで!
滲出型加齢黄斑変性に対する臨床研究として、患者さん自身の皮膚の細胞から作ったiPS細胞を使って網膜色素上皮の細胞を作り出し、移植手術。世界で初めての、iPS細胞を使った臨床研究です。 経過は大変良好で、手術をした側の目は視力低下が止まり、安定。手術をしなかった側の目はどんどん視力低下が進んでいる。
一方で、実用面での課題も明らかに。
患者の皮膚の細胞から網膜の細胞を作り出すのに約1年の時間がかかること。
iPS細胞の品質評価に数千万円、今回の治療全体で1億円くらいの費用がかかること。この問題を解決するため、私たちはAMED(エーメド)から支援を受けて、再生医療用のiPS細胞ストックを作製し、備蓄する事業を進めています。
※詳しくは以下で。
AMEDシンポジウム2017開催レポート:招待講演① iPS細胞がひらく新しい医学(2) |
この「加齢黄斑変性」ときくと、
私はまたもや父を思い出してしまうのです。
晩年の父の眼は加齢黄斑変性に緑内障を併発して、視力はほとんどなく、
両手を前に出してさぐりながら歩いていました。
その姿を見ることはとても悲しかった。
齢をとるとはこういうことだと思わずにはいられませんでした。
父は耳も聞こえが悪く、
両方のお医者さんとも「加齢なのでどうしようもない」と。
山中先生たちは2つの問題を解決すべく研究を重ねておられますが、
でも、ふと本日の最初に述べたこと、
「死は平等に訪れる」ってことですが、
案外平等じゃないかもしれないって思いました。
世の中には個人資産が何兆って人もいます。
そういう人は個人でジェット機を持つとか、
豪華クルーザーとか、まぁそこら辺どまりだよねと思っていましたが、
命をお金で買うこともあるんですよね。(今さら言うかという声も)
人間版テセウスの船みたいに身体のパーツを入れ替えて、
命を永らえていく。
「ああ、わたくしは本日で211歳です」とか、
しらっと中年の顔してその人は言う。
こういうとき「それが幸せかどうか」なんて評するのは、
ほとんど”ごまめの歯ぎしり”のように思えるので、
これ以上は言いません。
ね、お父さん。
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本日の記事は、そもそもは、
本日の以下のニュースから派生したのです。
本当はこちらのほうがリアルに怖い。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構「究極の個人情報を垂れ流している…」ノーベル賞科学者・山中伸弥が警告する誰も知らない「罠」 (msn.com)