昨日の続きです。

句会のメンバーの4人(千野帽子、長嶋有、堀本裕樹、米光一成)とゲストで開催される公開句会ですが、各々いいと思った句を選ぶだけでなく、一言文句をつけたい俳句(逆選)も選びます。

さらに、「どうしてその句が好きなのか?」

あるいは、「どうしてその句に文句をつけたいのか?」

その理由についても述べなくていけません。

どちらにせよ「その理由」がなかなかおもしろいのです。

 

たとえば、この句ですが・・・、

大人になつたらつかぬはずゐのこづち

 

この句には千野さん(特選)、堀本さん(並選)が点を入れています。

捌き(司会)の長嶋有さんが、選んだ人、選ばなかった人に順番に理由を聞いていきます。米光さんに選ばなかった理由を聞く場面です。

 

長嶋 では米光さん。

米光 …これ作った人はモテるんだろうなーみたいな。少年の心を忘れない俺、みたいな。でもそれをきっちり作ってあるから。作った人も分かってる感があるからね。少年の心を忘れない。

千野 自分の魅力がね。

長嶋 あざといんだ。

米光 そう、なので嫉妬して入れなかった

長嶋 嫉妬! 嫉妬で(笑)

米光 知っててやってる。

長嶋 そんな句か―?

米光 ちょっとそこを出されちゃうと、うーん、いやー君は少年の心を忘れてないよーと思って。

堀本 いやいやまっすぐ取りましょうよ、この句。

米光 あはは。ごめんごめん、斜に構えてる。まだまだ千野さんみたいに変われてなくって。

 

・・・あはは、おもしろいですね。

この句の作者は実は長嶋有さんです。

まあ米光さんもすでに気づいていて、このあと自句をほかの人の句のように評する長嶋さんにイラついていました(笑)

 

私は「嫉妬」という言葉が突然出てきて、それがとっても新鮮でした。

まあ、だからここに切り取って出しているわけですが・・・。

 

***

 

ではでは「本日の一句」です。

含羞みをおぼえたる児や葱の花

※含羞み(はにかみ)

 

ネギ坊主が立ち始めました。

この句の季語は「葱の花」です。

葱坊主の子季語です。

 

春もたけなわですね。

 

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お付き合いいただき

ありがとうございましたニコニコ