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設計図を極力描かず空間の状況を活かしたリノベーション by 山中コ〜ジ

$GENETO-虚白院

京都市内にひっそりと建つ建物をリノベーションするプロジェクトです。
終戦後間もなく建てられた建築ですが、初代当主は女性の文化的な知識向上を目指し学院として使用されてました。
その後、2代目となり学院は封鎖される事となり、数十年の間限られた人にしか知られない建物でした。
そんな空家の様になりかけていた建築ですが、現在3代目の当主となり新たな使い道が模索されています。


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我々はそんな建物のプログラムを与えられながらも、新たなインフラ整備から始まり現代的な機能を新たに付け加え、プログラムにあわせた空間の使い方までを提案しています。

築数十年の建築で京都市内に残る古い建築と比べると、格段に新しい建築ですが何度も増改築が繰り返されており、一期工事でおこなうキッチン・浴室・トイレ等となる空間は、様々なマテリアルと壁面の凹凸が非常に乱雑な状況でした。

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この状況を新しく一新する事が、我々に課せられたミッションでした。
何度か実測を行い、かなり詳しい情報を把握していたのですが、この建物に対して的確なリノベーションとは何かと随分悩まされました。

そこで、考えたのは敢えて図面を描かないという事でした。
それは様々な時代に大工さんや職人さんが、要望と状況に合わせて増改築を繰り返した歴史とでも言うべき片鱗をあえて残す事が重要であると考えたからです。

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GENETOは他の設計事務所と比べても、図面を多く描く傾向にあります。
それだけ、自分達の空間を忠実に作りたいという思いがあるからですが、今回用意したのは平面図に書き込んだ文字による指示書でした。
これを持って現場に赴き、大工さんと相談しながら施工範囲を決めて行きます。
僕からの指定は針葉樹合板の横貼りという事くらいでした。
良い表情を既に持っている壁には新たな壁を貼らないでおこうと決め、最初に残してもらいたい壁面を指定した後は、僕と大工さんのコラボレーションとでも言うべき現場は進んで行きます。
僕が居ない時は、大工さんが勝手なイメージで作る場合もあります。
その作業が、僕の想像以上に難易度の高い事をしていたりと、大工さんの仕事に対するスタンスが嬉しい。
現場作業中には、前回施工をおこなった大工さんの仕事に思いを馳せながら、壁の新しい貼り方を考えると実に面白い。
なんだか、昔の大工さんと会話をしている気分とでも言うべき、時空を超えたコミュニケ-ションが生まれている様に感じていました。

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図面を描かない事で、僕には非常に勇気と思い切り、大工さんに委ねる割合が非常に多かったのですが、大工さんが独自に思いついた様に手を動かした部分が、この建築にはしっかりと馴染んでいる事がわかります。
つまり、建築当時から何ら変わらない手法で、この建築に手を加えて行っている。
そういう設計や現場工事の仕方は、必ずしもシンプルで洗練された空間にはなりえませんが、積み重なった時間のレイヤーをしっかりと理解できる空間となっています。

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第一期工事は無事に終えることができました。
そして、古い建築に手を加える手法と言いますか、方法には多くの学びがありました。
図面に頼りすぎると、現場のライブな状況を見つめない傾向があります。
それに引き換え、全て現場の状況に合わせて考え施工するという今回の仕事は、自分達が今回触っている建築のアイデンティティをより深く読み込むことができる事に気付かされました。

この建物については、追ってご報告致します。





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山中コ~ジ




///////////TOKYO DESIGNERS WEEK 2012///////////


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GENETOと京都西陣にある老舗帯ブランド服部織物とのコラボレーションプロジェクト”hattori × GENETO”による作品をTOKYO DESIGNERS WEEK 2012にて発表致します。

詳しくはコチラ

大都会でピクニック 公共空間の面白さ by 山中悠嗣

先日、恵比寿ガーデンプレイスで開催された東京ピクニッククラブによるピクニックに行きました。
東京理科大学の伊藤香織先生が主宰をされている団体のピクニックです。

東京ピクニッククラブの主張は、以下のことです。webより拝借しました。
「自由で洗練された現代のピクニックの姿を提案する.都市居住者の基本的権利として「ピクニック・ライト」を主張し,社交の場としての都市の緑地や共有スペースの利用可能性を追求する.」

という非常にユニークなコンセプトで活動をされています。
最近GENETOでも考えている、新たな公共の場所のあり方ということと、凄く共通の事柄が多いと思って参加しました。

$GENETO-ピクニック

開場は、恵比寿ガーデンプレイスの広場でした。
この広場は、日本ではありがちな広場で、人が何かをできそうなきっかけもないような広場です。
人は通過するだけで、存在を気にもとめないような場所でした。

そこが、ピクニックの会場となることで空気感が全く変わりました。

人工芝を一面に敷き詰めて、そこにヒコーキ型のクッションが置かれています。
$GENETO-ピクニック

このときは、ピクニックをここでやってピクニックの素晴らしさをランキングで競いあうイベントでした。なので、自前のピクニックを多くの方がされていました。

しかし、本当に簡単な仕掛けで、こんなに生きた公共空間に変わるということを実感させられました。日頃寂しい場所なだけに変化が凄く大きかったです。

$GENETO-ピクニック

子供たちは裸足で走り回ってますし、なにやら楽しそうな雰囲気に釣られていろいろな人が見に来ていました。この広場の周りのベンチも満席状態です。

そして、僕もクッションの上に寝転んでみました。

$GENETO-ピクニック


ビルとビルに挟まれた場所で、仰向けになって寝転んだことが無かったので、コレも凄く新鮮な感覚でした。そして、単純に気持ちいいと思いました。

こんなにゴミゴミした東京で、空を見て気持いいと思えたのは不思議な感覚でした。
大自然の中で寝転ぶ感覚とは違いますが、人の距離感を意識しながら、でも自由に出来る感覚が面白かったです。

都会でのピクニックには、まだまだ面白さがありそうです。
そして、公共の場所の新たな使い方や人の関わり方は、まだまだ未開発なんだと実感しました。
art mobileでは、もう少し小さな場所で公共の場所を作っていきたいと考えています。
我々の新たな取組としてのart mobileにもフィードバックできる体験でした。


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山中悠嗣


東京ピクニッククラブへのリンクはコチラ

以前ご紹介した、ピクニックセットの記事はコチラ

ART MOBILEに関する記事はコチラ

///////////TOKYO DESIGNERS WEEK 2012///////////


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GENETOと京都西陣にある老舗帯ブランド服部織物とのコラボレーションプロジェクト”hattori × GENETO”による作品をTOKYO DESIGNERS WEEK 2012にて発表致します。

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L'angolino (project KAZ) 現場進捗情報 建て方と台風  by 山中悠嗣

京都から資材が搬入されて現場が始まって、一ヶ月ほどの時間をかけて建物のメインの構造となるフレームが全て建ち上がりました。
今回の建物の内部空間をこのフレームが創りだしてくれています。
つまり、フレームは構造だけではなくて、間仕切り板の役目を果たして、内部空間を構成する要素としての役目があります。
このフレームが立ち上がると同時に壁ができて、屋根も貼られていきます。

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大まかな外観が現れてきました。
シートを外すと建物の輪郭が分からなくなります。

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でも、興奮の瞬間でした。
小さな建物とはいえ、人が入ることのできるスケールは、必然的に人より大きいので、扱いもいろいろ難しいことがあります。

$GENETO-KAZフレーム

この建物で、一番の高さのある部分。頂点で約6mの高さです。
高所での作業は、続きます。
$GENETO-KAZフレーム
$GENETO-KAZフレーム
フレームとフレームの間に屋根を貼ることで、構造として成立し、頑丈な建物になっていきます。
この状態も居間が見納めです。
模型で作った構造スタディーの時に近い状態です。

そして、ここまで出来てきたときに先月の巨大台風がやって来ました。
屋根が貼り上がると構造的には問題ないのですが、屋根がまだ完全に晴れていない状態で、台風を受けると確実に耐えられないと判断し、補強を入れてシートでくるみ、台風対策を行ないました。
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ビニールシートで完全に覆い尽くし内部に風が入らないように、必死の作業を行ないました。
そのおかげで、建物自体は無事台風に耐えてくれました。
しかし、材料が飛ばされたり、被害は出ましたが最小限に食い止めることができました。
いろいろな試練が続きますが、建物の形ができてくると作業もスピーディーになります。

また現場の進捗はお知らせします。


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山中悠嗣

コレまでのL'angolino の記事はコチラ


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L'angolino (project KAZ) @ GENETO blog 



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※現在オープンに向け、急ピッチで現場が進められています。
新規出店を考えておられる方、GENETOの建築に興味のある方は、事前に連絡をくだされば日時調整の上ご案内致します。
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