中国銀行タワー @HONG KONG by 山中コ〜ジ | GENETO

中国銀行タワー @HONG KONG by 山中コ〜ジ

$GENETO-中国銀行タワー

香港島の高層ビル群を見ると、一際目を引くのが中国銀行タワーです。
建築家 I.M.ペイの設計により1990年に竣工したもので、自身の代表作といえる建築です。
「幾何学の魔術師」と言われる程、幾何学を効果的に用いる設計手法で、このタワーもまさに幾何学が多様されています。
ちなみに、日本では信楽にあるミホ・ミュージアムも彼によって設計された美術館です。

植物の竹をイメージしてデザインされたというファサードですが、僕には竹に見えなかったのですが、建築のファサードを構成するフレームが象徴的で、緊張感あるファサードをしています。

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一階からのアクセスはこのようなエントランスとなっており、上階の洗練されたダイナミックなフレームとは乖離したデザインとなっています。
この部分に対する評価は非常に難しい。
求められている事と、建築家が自主的におこなう事とのズレが出ているのか、それともあくまで建築家の自主的なものなのか。
これ程までに大きな建築は、独りの力だけでは達成し得ない事柄が非常に多い。
ポジティブなことやネガティブな事柄がある中、それらをくぐり抜けて建築は完成します。
その中で、代表的な立場で難局に立ち向かうのは建築家の宿命でしょう。
そんな片鱗を垣間見、多くの想像を巡らすことも、建築を見る上では非常に重要な事だと思います。

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内部は香港上海銀行 香港本店ビル(ノーマン・フォスター)とは対局にある様な空間です。
とても静かだが、荘厳な雰囲気を漂わせてくれます。

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内部の大きなヴォイド(吹き抜け)空間を見上げると、ファサードと如何様にシンクロされてこのヴォイドが存在しているのかがようやく理解できます。
この空間を大胆に作れる事が、I.M.ペイであるという事に納得。

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中国銀行タワーは大胆なファサードによる存在感で、香港島のランドマークタワーとなっています。
デザインソースは至ってシンプルですが、それだけに力強い建築の存在感を有します。超高層になればなるほど、この様なデザイン手法は非常に有効である事を教えてくれる建築です。


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