ホシナリ達はイーターとの遭遇も無く、順調にオクターヴァへと向かい森を進んでいた。

「じゃあホシナリくんは家を追い出されちゃったんだ?」

「そうなんだよ!だから俺は立派なハンターになって親兄弟みんな見返してやるんだ!」

「でもお前を外に追い出すとか、実質死刑宣告みたいなもんだよな…」

「そして、最初に死にかけた時に助けてくれたのが師匠なんだよー」

「へぇー、運が良かったんだねぇー。でも頑張ればホシナリくんもきっと良いハンターになれるよー」

「あのさ、君付けじゃなくて呼び捨てでいいぜ!ホシナリくんってなんか照れくさいし」

「えっ!?呼び捨てなんて出来ないよー…えーとじゃあ、ホッシーとかどう?」

「え…う、うんいいよ。」

「わかったよホッシー!」

「よかったなホッシー。」

.。oO(ホッシーか、ダサいな…)

「じゃあシショーさんは…なんか名前通り師匠!って感じだから師匠って呼ぶね!」

.。oO(メグ的にはそれ呼び捨てに当たるんじゃね?)

「あ!森の出口が見えてきたよ!」

「本当だ!急げー!」
森を抜けると少し遠くに大きな城が見えた。
城には月からキラキラと様々な色の光が降り注いでいる。

「わぁー!本当に月の雫がたくさん降ってるー!綺麗ー!」

「月の雫?魔石じゃねぇの?」

「月から落ちてきているのは、魔石になる前のエネルギーみたいなもんだ。世界中にエネルギーは降り注いでいるが、目に見えるほどの高濃度なものを月の雫と言うんだ。」

「ふぅーん、とにかく綺麗だなー
」

「世界には他にも月の雫が降る場所はあるが、常にあれほどの量が降り続く所は他に無いだろうな。」

「とにかく行こうー!」

「行こー!」
遂にオクターヴァに到着した三人は、城門の前に来た。

「君たちはハンター志望者かい?」

「はい!」

「少し待ちなさい。えーイキシア様、本日47組目のハンター志望者が来ました。………はい、誘導します。」

.。oO(なんだ?急に独り言しゃべって…ヤバい人なのか!?)

.。oO(ホッシー!こういう人は黙って優しく見守ってあげるのよ!)

「君たち、門に触って少し待って。」

「は、はい…」

「向こうに行ったら階段を登って行けば案内して貰えるから。イキシア様、準備が出来ました。」
すると、ホシナリ達の周りが光り出した!
あまりの眩しさに目を閉じたホシナリだが、目を閉じていても光が消えて行くのがわかったのでホシナリは目を開いた。

「門の前じゃなくなってる!!」
さっきまで門の前にいたはずの三人は一瞬にして違う場所に移動していた。
大きな木の下に魔法陣があり、周りにはハンターと思われる人が談笑していたり、装備を入れ替えたりしているようだ。

「オクターヴァの中に移動したのか?」

「あ、あっちに階段があるよ!」
ホシナリとメグは物珍しそうに辺りを見ながら階段を登って行った。

「お、君たちハンター志望者だな!?」

「は、はい!なぜわかったんですか!」

「こんなとこでキョロキョロしてんのはハンター志望者だって相場が決まってるんだよ!俺はウェルテ、ハンターの訓練官だ!」

「よろしくお願いします!」

「ほぉ…いい返事だ。今回は特別に俺が直々に訓練をしてやる!ついて来な!」

「はい!」
先に進んで広場に出ると、中央に本がいくつか浮いており、その上に座っている女性がいた。

「あの人浮いてるー!!」

「ほんとだ!すっげー!!」

「あいつの名前はイキシア、浮いた本に座るのが好きな変な奴さ!」
ウェルテはイキシアの前まで来ると話しかけた。

「よぅ!ハンター志望者連れてきてやったぜ!」

「ご苦労様。皆さん、私はイキシアと申します。この王国の人たちの悩みやお願いを"クエスト"としてハンターにお願いするのが私の仕事なのよ。」

「へぇ〜!その浮いてる本は何ですか!?」

「この本の中にはたくさんの依頼書が入っているの。毎日依頼は増えていく一方で中々減らないから…魔法で浮かせていつでも見られるようにしてるの。
そこのいい加減な男が言ったように好きで座ってる訳じゃないのよ。」

「うっ、あの距離で聞こえていたのか…。まぁ細かい事は気にすんな!」

「全然細かい事じゃないわよ。」

「依頼が中々減らないって、オクターヴァにはこんなにたくさんハンターがいるのに、ですか?」

「依頼のほとんどはイーターの討伐なんだけど、イーターは倒しても死なないの。」

「えっ!?」

「倒されたイーターは何らかの方法で地中に逃げ込んで自分の縄張りに戻って傷を癒すの。そしてしばらくするとまた現れて、強くなるために魔石を食べるのよ。」

「なるほど…。」

「私たちは人の害になる場所を縄張りにするイーターを僻地に追い込み、力を蓄えないよう定期的に倒して管理しているのよ。」

「長い説明はもういいから早く初心者演習に行こうぜ!」

「そうね…じゃあ飛ばすわよ。」
イキシアが何か呪文を唱えると、ウェルテとホシナリたちの周りが光りだした。

「うわ!また光った!」
光が消えるとイキシアの前から四人の姿は消えていた。
予告

「頑張って!ついにハンターの初心者演習を受けることになったホッシー!
あなたがハンターにならないと親兄弟を見返すことも出来なくなってしまう!
きっとあなたなら大丈夫!この演習を切り抜ければ憧れのハンターになれるのよ!
次回「ハンター失格」
絶対見てちょうだいね!」