またもや襲ってきた眩しい光が消えると
ホシナリたちは森の中の開けた場所にいた。

「今度は森の中だ!」

「一体全体どういう事なの!?」

「初めてオクターヴァに来た奴は大抵驚くが、これは移動魔法。イキシアが開発した魔法さ。」

「魔法ってすっごいんですね!」
ホシナリとメグの目がキラキラと輝いている。

「ちなみに、イキシアは移動後の行動を見る事ができるから俺も変な事は出来ねぇんだ。」

「それは何よりです。」

「途中で帰りたくなったら戻してくれるし、イーターにやられて倒れてしまってもハンター医務室に飛ばして治療をして貰えるんだぜ!」

「おー、至れり尽くせり!」

「クエストに出てるハンターが多すぎると魔法が不安定になって途切れる事があるが、そういう時は自動でタウンに戻る!これを通称"落ちる"って言うんだ。」

「メモメモ!」

「この魔法が出来てからはハンターの死者も減ってるんだから、あいつ流石だよなぁー!なぁ!そう思うよな!?」

.。oO(さっき怒られたからめちゃめちゃ褒めてるな)

「よし!ご機嫌取りも終わったし演習するぞ!」
Σ

.。oO(言っちゃった!)

「さあ、ここにある物を見てくれ、こいつをどう思う?」

「すごく…大きいタルです。」

「これはタルじゃない!ペケブンだ!!」

「これがっ!?」

「紛う事なきタルだな。」

「ま、まあいい。とりあえず俺の特製手作り"ペケブン"を殴ってみろ。」

「じゃあ…師匠!お手本をお願いします!」

「俺からか。」

「待て、シショーとやら。あんたには必要ないからやらなくていい。説明だけ聞いてくれてりゃいいよ。」

「だってよ。」

「うおおー緊張してきたー…」

「この木製の練習用片手剣をやるからやってみろ。」

「いきます!はっ!」
コンッ
乾いた音が辺りに響いた。

「いや、特製とか手作りとか言って気を使わせたかもしれんが壊してくれていいんだぜ?」

「えっ?」

「中に入ってる魔石ですぐに元に戻るようになってるから。」

「いや、本気で叩いたんですけど…」

「…あー。…うん、まあ壊れるまで叩いてみてくれ。」
ホシナリは叩いた。一生懸命叩き続けた。
親に家を追い出され、悔しさと哀しさで地面に拳を叩きつけた時よりも力を込めて叩き続けたのだ。
バキッ!

「おっ!もう壊れないかと思ったけど壊れた!」

「20回目でやっとか…。」
壊れた手作りペケブンの中に詰められていた魔石が空高く飛んで行った。

「はぁ…はぁ…やった!」

「今の魔石が飛んで行ったのは何だ?」

「あれは移動魔法がかかってるハンターがイーターを倒した時に逃げ込む隙をついて魔石をぶんどってああやって回収出来るようになってるのさ。」

「ほぅ、うまく出来てるんだな。」

「じゃあ次の手作りペケブンは魔法でやってみよう!このホミターっていう水の魔法の魔石で攻撃してみろ!」

「おお!ついに魔法を!…でもどうやって?」

「とりあえず、魔石に力を込めるイメージでホミター!って言えば出る!」

「やってみます!ん〜〜〜〜ホミター!!」
強く握り締めた魔石から水が飛び出し手作りペケブンにかかった!
バシャッ!

「おおお!出た!ホミター!」
バシャッ!

「ほら!見てくださいよ!手作りペケブンの野郎ビッショビショですよ!ホミター!ホミター!」

「喜んでるところ悪いんだが…それは魔法じゃねぇよ。」

「へっ?」

「お前が魔石強く握るから溢れ出てきただけの水だよ。魔法の才能は無いみたいだな。」
ホシナリの顔が暗くなるとともに真っ赤になっていった。

.。oO(勘違いではしゃいだ挙句に才能無しとか、死にたくなるな)

「ん〜じゃあ、そこの嬢ちゃんやってみてくれ。」

「はい!…水の精霊よ、神に背きし魔を穿て!ホミター!」
勢い良く飛び出た水球は手作りペケブンを粉砕し奥にある木もなぎ倒した。

「おおー」

「なかなかいい魔力してるな!」

「詠唱!もしかして俺は詠唱してなかったから出なかったのか!?」

「ごめん、なんか雰囲気出るかと思って言ってみただけなの…」

「おぅ、かっこよかったけど詠唱は関係無いな。」

「関係無いんかい!」
ホシナリは膝から崩れ落ちた。

「あんま落ち込むなって!魔法使わずに活躍してるハンターなんていくらでもいるんだからよ!」

「そ、そうですか!頑張ります!」

.。oO(まあ、攻撃力も全然だったが…)

「じゃあ最後はハンターにだけ使う事が出来る特別な技術を教えてやる!」

「はい!」

「これだ!」
ウェルテはポケットからホイッスルを取り出した。

「笛…ですか?」

「イーターを倒しているとこの笛に魔石パワーが少しずつ溜まっていくんだ。
それが満タンになった時に笛を吹くと!」

「吹くと!?」

「イーターから魔石をぶんどれるパワーが体に宿るんだ!その状態でイーターを叩けば、ダメージ分だけ魔石がハンターの物になるんだ!」

「すごい!」

「これを魔石ラッシュと言ってな、さらにその効果中は自分のスピード、パワーが上がるんだ!」

「ゴクリ…!」

「さあ吹いてみろ!」

「やりまあす!」
ピイィーーーーーーーーッ!

「………。」

「どうだ!?脳内をなんかテンション上がる曲が聴こえてきたりパワーが溢れんばかりに漲ってくるだろ!?」

「いや、特に何も…。」

「…マジ?」

「はい…」

「…確かに、魔石ラッシュは周りのハンターにも影響あるのに何も感じないな。魔石ラッシュを使えない奴は初めて見たぜ…お前、ハンターになるのやめとけ。」

「やっぱり…失格ですか?」

「いや、この国は"誰でもハンター制度"ってのがあるからなれないことはないんだが、魔石を手に入れられない奴がハンターになっても危険なだけで旨みなんてほとんどねぇぞ?」

「でも、俺はハンターになりたい!」

「それと、あまりにも弱過ぎる!イーターにすぐ殺されて終わりだ。テキトーがモットーの俺がここまで言ってるんだ、わかるだろ?」

「うぅ…」

「なら、強くなればいいんだな?」

「ん?そうだな、せめてボブーンを倒せるくらいになれば並のハンターとして認めてやる!」

「師匠…。」

「安心しろ、俺がみっちり鍛えてやる。血反吐を吐こうが死ぬより辛い事が起ころうがやり抜く覚悟はあるな?」

「はい!!」

「って事だ。」

「わかった。しかし認めるまでは単独でのクエストは禁止だ!」

「はい!」

「それじゃあ演習は終わり!新たなハンター、シショー!メグ!記念すべき第1号ハンター見習い、ホシナリ!3名のハンター活動を許可する!!」

「やったー!」

「あとはイキシアに任せるから、タウンに戻るぞ!」
そう言うと四人は光に包まれタウンに移動したのであった。
予告

「念願のハンターにはなれなかったホッシー!(笑)でも実力を認めさせればきっとハンターになれるよ!
そんなホッシーの門出を祝ってガラガラの木を使えるんだって!!
一体どんな装備が貰えるのか!?
次回「持つ者、持たざる者」
絶対見てちょうだいね!」