■背景
雪村は、1504年、室町時代に常陸国部垂(へたれ)(現在の常陸大宮市)佐竹一族に生まれたが、父に嫌われたため出家して僧侶となった。絵が好きで、敬愛する雪舟や中国画の画法に学び、独特の力強い画風で花鳥・山水を描き、会津黒川城主に画法を伝授するなど、画家として諸国に名を馳せた。雪村が常陸太田の瑞竜町沢山の耕山寺に住していた時期に始めたといわれるのが「雪村うちわ」である。
現在は、枡儀団扇店四代(百八十年)に亘り、日本情緒豊かな「民芸うちわ」として継承されている。
■特徴
マダケで作った骨に西ノ内和紙を貼り、馬や茄子、かかし、水戸八景など雪村ゆかりの山水花鳥の水墨画をほどこす。うちわの形は四角で丈夫である。その図柄、形は現在も引き継がれている。
角型をした「雪村うちわ」 「太田うちわ」とも言う。 一枚1900円
「西の内和紙」に描かれた情緒豊かな水墨画です。
■生産の現状
骨になるのは秋にとった地元の真竹。節を取り、芯割り・肉取りして、刃を入れる。穴をあけて柄を削ってから、約1年、天日で干す。雨や雪にあたらないよう、毎日取り込む作業が欠かせない。骨はい草で編んで、和紙を張る。できあがるまでの33の工程はすべて手作業で行われる。現在も全国から注文が来るが、制作に手間がかかるために、年間2000本ほどしかつくれず、注文に追いつかないこともある。
常陸太田市で唯一人の製作者「圷総子」さん86歳
製作には、33工程 乾燥期間を入れて約一年の期間が掛かるらしい。