舞台から下りることを決めた日 | 難しい宿題はみんな明日♪

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大阪で活動する「劇団うてな」の秘密警備員(笑)の日常。

 去る11月30日付で、劇団うてなを「一応」退団し、芝居から足を洗うことになりました。
 誤解しないでほしいのですが、別にうてながイヤになったとかそんなことではありません。
 理由は、この時の病気が原因です。
 あまりここで重い話はしたくないのですが、おそらく一生付き合わざるを得ない病気で、確かに医師の指示通り薬を服用していれば、99%発作は抑えられます。しかし、残りの1%が発動してしまった時、しかも公演中に…それを考えると怖くて仕方ありませんでした。
 「舞台の上で死ねたら本望」と考えているところも確かにありました。しかし、それが現実になった場合、迷惑以外の何物でもない…そう、前回公演2日目の劇場に向かう電車の中で考えました。
 正直、今回の公演も薬は当然服用していましたが、いつ発作が出てしまうか怖くて仕方がありませんでした。

 幸い、発作も出ずに個人的に無事公演は終了しましたが、別の方向からもう「去り際」を思い知らされることが起きました。
 公演終了後、当然片づけ(バラシ作業)をしなければならないのですが、その時腕に力が全然入らない…「え?」ってなりました。
 2週間の入院生活で腕力が落ちたのか?色々理由を考えましたが、とにかく「病気も含めてもう限界やな」と思い知らされました。

 17歳の時に当時の高校の演劇部の顧問に誘われてからちょうど25年…素人な上に体系立てて演劇に関連する勉強を何一つしてこなかったこと(ほとんど独学&罵詈雑言の中で学びました)を考えれば、病気でなかったにしても限界だったかもしれません。
 悔しい気持ちが全くないといえば、それはそれでウソになりますが。


 しかし、これはお世辞でも何でもなく、最後が劇団うてなの一員であったことは自分にとって幸せでした。
 この5年間、稽古にもほとんど顔を出せない私を色々な形で使ってくださったことについて、感謝しきれません。

 改めて、私櫻本真樹は演劇関係から離れることを決めました。
 この25年間、お世話になった方々に改めてお礼申し上げます。

(※最初に「一応」とつけたのは、こんなことを言ってても、ひょっとしたらまた受付に立ってそうな気がするので、はっきり言って「逃げ口上」です。「セコイ」なんて言わないでください)