Ph1:抗がん剤の末梢神経障害ってどのように起こるのでしょうか?
(^^)/コメント:神経は簡単に説明すると、星(樹状)の形みたいになっている神経細胞体とそこから長く軸索と言うのがでていて、軸索の周りをウインナーのように包んでいる髄鞘で出来てますね。
細胞分裂はしなくて、一度なくなると再生はしません。

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↑神経細胞体 ↑軸索と髄鞘

細胞は一般に微小管(細胞分裂の時に染色体を繋ぐ糸みたいなやつ)という細長いチューブを持っていますが、神経細胞体も分裂はしませんが微小管を持っています。微小管は軸索の中にずーっと張られていて、軸索端末まで蛋白を運んでいます。

ビンクリスチンやタキサン系、ボルテゾミブは微小管を阻害して軸索変性を起こすことで、感覚障害を生じますが耳、白金製剤は神経細胞体障害を起こしているようで、白金製剤で神経障害の有名なエルプラットは神経細胞のアポトーシスの誘導など耳によって二次的に髄鞘や軸索変性を生じます。
但し、エルプラットは点滴後数時間で起こる急性の末梢神経障害と慢性の末梢神経障害がありますが、アポトーシスが直ぐに起こる訳ではないので、急性の神経障害はアポトーシスや神経変性ではなくて、伝導障害かと思います。

抗がん剤の末梢神経障害の予防薬として用いられるのはマグネシウム、カルシム製剤が一番エビデンスレベルが高く目二重盲検比較試験だった思いますが、がん専門薬剤師関連がいる都内88施設のアンケート調査(100%回収)では、Ca/Mgの使用率は1割強、牛車腎気丸が3割程度です。牛車腎気丸も予防効果有りとされていますね。治療薬として使用されていたのはプレガバリンで4割位の施設で使用されているようです。

Grade3の神経障害では基本的に中止を考えなければならないと思いますが、エルプラットなどのモニタリングの問題としてGrade3の症状を客観的にどのように評価することだと思います。ボタンがかけにくいとか、ペンがもてないとか、具体的項目の確認と標準化を図ることが今後必要になってきますね。化学療法としては、基本的にはStop & Goで副作用が出たら中止して再開する考え方です目
但し、患者背景と治療効果を考えると、①アジュバント治療(術後化学療法)で、残り数回ならば量を減らして継続してしまうかもしれないし、②再発転移がんでDose Intensityを落としたくない場合なども考えてゆかなければなりませんね目
糖尿病性末梢神経障害が細胞膜のNa-K –ATPase活性低下による膜電位の伝道障害ですが、抗がん剤は神経細胞変性を起こしているわけですね。

Ph1:病棟で胸水貯留にソマトスタチンやオクトヌクレオチド(サンドスタチン)を使用していることなどありますか?

(^^)/コメント:(新生児乳び胸で)胸水貯留が継続している症例などで、ソマトスタチンが適応外使用されている報告があるね耳
ソマトスタチンは血管やリンパ管のレセプターに作用して、それらを収縮させるので、リンパ液を減らしたり、消化管液も減らすから、結果的に胸管流量も減るらしい。ソマトスタチンは半減期が短いからもっと半減期の長いオクトヌクレオチドを使用するケースもあるみたいだね。

参考までに古くから、ピシバニール(OK-432)やミノマイシンなどは炎症を起こして胸郭を癒着させて、気胸の治療に用いられていますね耳

Ph1:フルコナゾールに獲得耐性は起こるのでしょうか。
Ph2:フルコナゾールが臨床において獲得耐性を起こすことはほとんどありません。

(^^)/コメント;ところでみなさんは獲得耐性ってわかりますか!?
耐性株でない細菌が耐性遺伝子を獲得することですね。
では、皆さんのまわりにたくさんいるMSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)に第3世代のセフェムを使用するとMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)になってしまうのでしょうか?目
また同じように緑膿菌にカルバペネム系を使用していると耐性化してしまうのでしょうか?感染制御と抗菌薬の適正使用という意味では広域スペクトルの抗菌薬の使用量を少なくしようということが言われていますが、どうなのでしょう?

 答えは、抗菌薬をたくさん使用してもMSSAがMRSAになることは基本的に起こりません。現在、院内感染のMRSAは世界に7つのタイプが知られていますが、それらは全てそのクローンが世界中に伝播してしまったものです目目
医療現場ではMRSAが新たに生み出されることはなく、本々微量にいて検出されないようなMRSAが抗菌薬使用によって有意に増殖したり、医療従事者の伝播によって広がっているわけですグッド!
参考までに、MRSAはSCCmecという可動性DNAで、mecAという耐性遺伝子を持っていますが、日本ではSCCmecⅡというタイプが主流です。アルベカシンの耐性MRSAはSCCmecなのでアルベカシン耐性MRSAは進展していないと考えられています。
 
でもカルバペネムやキノロンなどをたくさん使用すると、臨床現場で感受性の緑膿菌は耐性化してしまいます。獲得耐性が起こっているわけですね。したがってカルバペネムの使用制限によって多剤耐性緑膿菌の発生抑止となるわけですグッド!

Dr. プロマックに含有されている亜鉛の量はどれ位ですか(耳鼻咽喉科)?

Ph1:1錠中亜鉛16.9mgです。

Ph2:耳鼻科からの問い合わせで亜鉛の量を聞いてるんだけど、何の目的なの?
Ph1:味覚障害だと思います目
(^^)/コメント;硫酸亜鉛の場合300mg 3X位が良く知られていますね。
亜鉛としての量を同等にするには、プロマック常用量の2~3倍量が必要になるので、今後のエビデンス収集が必要でしょうか。

Ph1:病棟でのジゴキシンの血中濃度コントロールはどのレベルでチェックしていますか?

(^^)/コメント;2003年にJAMAに掲載されているLEVF(左室駆出率)45%未満の患者プラセボ対象のスタディが基本的な考え方を提示していますね。古くは0.5~2.0ng/mLが治療域とされてきましたが、心臓に鞭打って働かせないという考え方が浸透していて0.5~0.8迄が推奨されるところです目。日本TDM学会のガイドラインでは以下のように提案される予定です。

推奨Grade 濃度範囲
A →(0.5)~0.8グッド!グッド!:プラセボ群と比較して、死亡率が有意に減少する
B →0.9~1.1グッド!:死亡率はプラセボ群と同等であるが、心不全の悪化による入院を減少する
C →1.2~1.4目:プラセボ群と比較して、死亡率およびジゴキシン中毒疑いによる入院が有意に増加するが、心不全の悪化による入院を減少する
D →1.5~3.0:1.5ng/mL以上ドクロでは減量を検討するべきである。特に1.5ng/mL以上では消化器系の副作用が現れやすい

推奨GradeはTDM学会によるものです。JAMAでは1.2以上での副作用評価は特にコメントしていませんね。