将軍の徒然手記



大きすぎるほどの期待を持って訪れたプラハの町。



それをものともせずに、底知れない深い魅力で迎え入れてくれた優しい町。



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不思議な魅力に引き込まれて、当初の予定を大幅に上回る滞在期間となってしまいました。



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今までで1ヶ所では最長の10日間!



しかし飽きたという事は無く、出来ればまだまだ居たいというのが本音。


ただ、沈み続けてもいられない旅の日程の中、今日最後の日を迎えて本当に寂しく感じています。





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こんなにも魅力的な町があるなんて思ってなかった。



こんなに心も体もジワッと町中に浸透していける場所があるなんて思ってなかった。





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1人の知り合いもいない。



1言も日本語を話さなかった。



でも、すごく幸せだった。




「出会い」って人と人との間だけに起こるものじゃないんだ…




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途中からガイドブックは捨てた…



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この町の魅力を感じるのに、説明が要らなくなったから。



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最後の夜にバレエを観た。



言葉無く語りかけるダンサー達の表現の中に、どこかしら、何気なく町を歩いている時に感じるその町の声と同じものを感じながら。



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「また来るね」って、その声に返事をして。





一瞬にも永遠にも感じられる時間の中で、たくさんの夢を現実の中で見させてくれた美しい街に、心から感謝ながら…





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陽も沈み、夕焼けが夜のもたらす闇夜に僅かながら最後の抵抗を見せる時刻。



昼と夜との境目が見せる絶妙な空の色が、儚くも美しい時間。







まだ生まれたての白い月が見下ろす道を歩いて、小さな劇場にやってきました。





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町のあちこちで目にするマリオネット。



その劇を観るために。




30人程入れば満席になってしまうような小さな劇場が、プラハの町には数多くあります。




演目は『ドン・ジョヴァンニ』。


モーツァルト作曲の有名なオペラで、日本ではジョニー・デップも演じた「ドン・ファン」という名前の方が知られているかもしれませんね。





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スペインで1003人の女性と関係を持ったという、主人公のドン・ジョヴァンニ。



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その女たらしの彼が、女性を巡って起こすトラブルから話は発展していくのですが…



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人形だから表現できるブラックユーモア溢れるコミカルさ。



しかし、その動きの細部には目を見張るような細やかな技術が伝わってきます。



微妙な動きによって、人形の表情までがそのストーリーに合わせて変化するかのよう。




たかが人形劇と思っていては、その表現力に驚嘆させられます。





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小さな舞台の上で演じられる古典的だけど創造的な世界…



一応ストーリーは予習して行ったので、オペラの歌詞が全く理解できずとも何とか楽しみながらついていくことが出来ました。






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外に出てみれば、町は夜の中。





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土曜の夜だけあって、陽が沈もうとも町には至る所で聴こえる音楽と人々の溢れる笑い声。






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昼間とは違った幻想的な側面を水面に映し出しながら、訪れる人を優しく包み込んでくれるプラハの夜。




この町の魅力はまだまだ尽きません…





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オーストリア・ウィーンにも近いプラハは、音楽の町でもあります。



スメタナやドヴォルザークといった有名な作曲家を生んだ町であり、


1984年の映画、アカデミーショーで8部門受賞した作品『アマデウス』のロケ地であったように、モーツァルトも縁の深い場所。





今回ウィーンに足を向けることは無さそうなので、ここで少しだけでもカジって帰ろうかと思います。





町中を歩いていると、色んな場所でコンサートのチケットの売り子に声をかけられます。


その中の1つに、プラハ城の敷地内の教会で行われるコンサートに行く事に。




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陽が少しだけ翳り始めた時刻。



1時間ちょっとの時間。



弦楽器のみの五重奏。



100人ほどの小規模な演奏会。



雰囲気のあるシチュエーションも相まって期待が募ります。





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さほどクラシックに詳しい訳ではないので、演奏が始まるまでは少し落ち着かない感じでしたが、スタートしてみればモーツアルトの『トルコ行進曲』『小さな自動オルガンのためのアンダンテ』、バッハの『トッカータとフーガ』、ドヴォルザークの『交響曲第9番』など、知っている有名な曲目から演奏されたのでひと安心。




プラハ城内ということもあり、王族は毎日こんな素敵な生演奏の中で食事をしたり、談を楽しんだりしていたのかな?などと思い耽りながら最初の30分くらい演奏に聴き入った後、徐々に思考の海にズブズブと沈んで…




眠ったワケではないですよ。(笑)



音楽は脳の無意識の方に任せて、そっちで堪能してもらうことに決めたあとは、

優雅な時間の中で、ゆっくりと深く様々な事に思いを巡らせて…





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これ以上なく集中して、物事を考えれる至福の時間をいただきました。



そしてまだ、プラハの日々は続きます。