「一つの扉が閉じれば別の扉が開く」 FCAS戦闘機共同開発断念後のドイツ政府記者会見録を独自入手
Yahoo!ニュース
26/6/11(木) 15:19
高橋浩祐
米外交・安全保障専門誌「ディプロマット」東京特派員
FCAS計画で開発が予定されていたNGF(新世代戦闘機)のイメージ図。ドイツ政府は2026年6月、フランスとの共同戦闘機開発を断念する判断を下した一方、無人機や戦闘クラウドを含むシステム部分は継続する方針を示した(MTU Aero Engines)
独仏西が進めてきた次世代航空戦闘システム「FCAS(Future Combat Air System)」の中核だった新世代戦闘機(NGF)の共同開発断念をめぐり、筆者は6月10日に行われたドイツ政府記者会見の抜粋録を入手した。
会見では政府報道官が、フランスのマクロン大統領とドイツのメルツ首相が「企業同士が共同戦闘機開発で歩み寄れないとの共通認識に達した」と説明。これまで業界内で指摘されてきた企業間対立について、ドイツ政府として、共同開発断念の背景に企業間の対立があったことを事実上認めた形となった。
一方で、FCAS計画そのものを放棄するわけではなく、ドローンやセンサー、データリンクを統合する「システム・オブ・システムズ(System of Systems)」については継続する方針も明らかにした。
今回入手した会見録を読むと、FCASが現在どのような状況に置かれているのかがよく分かる。共同開発断念の背景や代替案の検討状況、今後の方向性について、ドイツ政府の認識が比較的率直に示されているためだ。
以下、質疑応答の要旨を紹介する。
記者
先週までドイツ政府はFCAS(将来航空戦闘システム)の行方について楽観的な姿勢を示していました。しかし今やその希望も潰えたようです。新たな戦闘機開発について、今後どのような戦略を取るのでしょうか。
政府報道官マイヤー
その通りです。マクロン大統領とメルツ首相は、FCAS計画の枠組みにおける共同戦闘機開発について、企業間で合意に達することができないとの共通認識に至りました。
私たちはこの現実を受け入れ、それを踏まえて極めて合理的な判断を下しました。
ただし、FCASの本来の中核部分は「欧州のシステム・オブ・システムズ」として継続されます。これは航空機、ドローン、その他の要素を統合して一体的なシステムとして機能させる「神経系」に相当するものです。
7月の独仏閣僚会議では、両国国防省が防衛産業協力に関する共同作業計画を策定し、現実的かつ重要な事業に集中していく予定です。
一つの扉が閉じれば、別の扉が開くこともあります。今後、ドイツ政府はフランスや欧州のパートナー、そして産業界と協議しながら、どの道を進むべきか検討していきます。
記者
政府は最近まで楽観論を維持し、代替案については語ってきませんでした。実際には水面下で代替案の検討を進めていたのでしょうか。
国防省報道官ミュラー
ピストリウス国防相は昨日の発言で、「数カ月前から」代替案の分析を進めていると説明しました。
FCASの第6世代戦闘機そのものは、計画全体の一要素にすぎません。ドイツとフランスが引き続き「システム・オブ・システムズ」やクラウド部分を共同開発するのであれば、第6世代戦闘機をどうするのかという問題が残ります。
現在ドイツはトーネード後継としてF-35を導入していますが、これは第5世代機です。したがって第6世代機については別途検討が必要です。
ピストリウス国防相は昨日、複数の選択肢に言及しました。例えば欧州のパートナーとの新たな協力、あるいは既存の協力枠組みへの参加などです。ただし、現段階で詳細を語るのは時期尚早です。
記者
ILAではエアバス、防衛ミサイル大手MBDA、ヘンゾルトなど8社が共同でドイツ独自の第6世代戦闘機開発構想を提案する予定です。政府はこれをどう評価していますか。
政府報道官マイヤー
提案については承知していますが、現時点で詳細なコメントは控えます。
ただ一般論として言えば、今後の選択肢についても欧州的な解決策を重視しています。
国防省報道官ミュラー
ピストリウス国防相も、ドイツの防衛産業・航空宇宙産業が重要な役割を果たすべきだと述べています。
私たちは主権を重視しています。高い技術力やノウハウを今後数十年にわたりドイツ国内に維持したいと考えています。
将来どのような枠組みになろうとも、ドイツ航空宇宙産業は重要な柱であり続けるべきです。
記者
国防相は昨日、第6世代戦闘機について4つの選択肢があると述べましたが、4つ目については明かしませんでした。それは何でしょうか。
(筆者注:具体的な選択肢としては、ドイツ企業連合による独自開発構想のほか、日英伊が進めるGCAPへの参加や、新たな欧州共同開発の枠組みが取り沙汰されている)
国防省報道官ミュラー
申し訳ありませんが、それについてはお答えできません。現在分析が進行中です。
記者
政府内で既に有力な選択肢はあるのでしょうか。
国防省報道官ミュラー
政府報道官が先ほど説明した以上のことはありません。
FCASは終わらない
今回入手した会見録で特に注目されるのは、ドイツ政府がNGF共同開発断念の理由について「企業同士が歩み寄れなかった」と明確に説明した点だ。
これまでFCASでは、フランスのダッソー・アビアシオンとドイツのエアバスの間で、開発主導権や知的財産権を巡る対立が続いていると報じられてきた。今回の説明は、その対立が最終的に政治レベルでも解決不能と判断されたことを示している。
もっとも、ドイツ政府はFCAS全体を終了させる考えではない。無人機群や戦闘クラウドなどを統合する「システム・オブ・システムズ」は引き続き独仏協力で開発を進める方針だ。
その意味で今回の決定は「FCAS計画の完全終了」ではなく、「FCASの中核だった新世代戦闘機(NGF)の共同開発終了」と位置付けるのが適切だろう。
そして今後の最大の焦点は、メルツ政権がどの「次の扉」を開くかだ。ドイツ独自の第6世代戦闘機開発構想を追求するのか、新たな欧州協力の枠組みを模索するのか、それとも日英伊が進めるGCAP(グローバル戦闘航空プログラム)への参加を検討するのか。今回の会見録は、その議論がすでに始まっていることを示している。
(引用終わり)
「1つの扉が閉じれば別の扉が開く」って、ドン・キホーテにも出てきたことわざだな。
共同開発に参加してたスペインへの配慮かな。
この言葉は、電話の発明者として知られるアレクサンダー・グラハム・ベルの名言としても有名です。
「幸せの扉は一つが閉まると別のもう一つが開くのです。ただ、閉まった扉をいつまでも見つめていて開いた扉に気づかない、そういう人が多いのです」
ヘレンケラーの名言でもありますね。
共同開発の難しいところは意見調整だからね
国によって求める機能、利益、作業分担はいろいろ異なってくる。
元々ユーロファイター・ラファールも欧州での共同開発戦闘機のプログラムだった。
が、利害などが対立し、結局フランスは独自開発へ舵を切りラファールに、残った国々がユーロファイターとなった。
性能による評価はいろいろあるが、結局ラファールの方が先に配備され、各国の利害が絡んだユーロファイターは、色々遅れ、さらにユーロファイター計画に参加している国は、F-35の採用に踏み切っている。
国際共同開発は、成功すればよいが、うまくいかないと、中途半端な結果を生む。
フランスも、ラファール・ユーロファイターでそれを実感したので、ドイツをあえて引き止めなかったのでは?
単独開発は資金はとんでもないことになるが、「自国の事だけを考えればよい」という気楽さもあるから。
ドイツ(とスペイン)には、FCASで培ってきた技術と知見を存分に駆使した
CCAを独自開発して貰って、GCAPに随伴できる様に仕向ければイイ
日英伊で既に仕様が確立しているであろうGCAPへは製造の一部に咬むだけ
となろうとも、これからの戦闘で要となる協調無人戦闘機が自国製ならば…
まぁまぁ面目は保たれるだろうよ
母機のGCAP側は同志各国が開発する様々な協調無人機と容易に連携運用が
可能となる柔軟性を予め備えておくのが肝要かと
機密の塊である新鋭機でも、様々な無人機および各種誘導弾と適合関連に
ついては門外不出とせず、調達側の国情に併せられる様に図るべき
ウエポンベイ内部も、運用側が独自開発し生産できる(使捨て)自律無人機
や誘導弾の形状に応じて、ある程度までは自由に弄れる契約とするのなら
GCAPの導入を検討する国々は調達へ前向きとなるのではなかろうか
ドイツは技術力のある国だが、独自の戦闘機開発が出来るかと言うと…
日本もそうだけど、個々の技術で光るものがある国でも、その国に戦闘機という一つの箱に上手く機能するように各技術・システムを落とし込む能力があるかはまた別の話だそうだし。
西側でその能力が高いのはアメリカ・イギリス・フランス・スウェーデン辺りで、それらの国と組まないと成果をあげるまで資金がべらぼうにかかりそう。
そりゃ予算が青天井ならドイツならやり遂げるだろうけど、現実の予算は限りがあるわけで。
結局はそれぞれの国によって次期戦闘機に求める能力や役割、開発完了して配備され戦力として数えられるように至るまでの時間など、考えややる気が違うという問題を解決するのは難しいという事か。といっても一国でエンジンから何でもすべてを開発するというのは非常に困難なんだよな。
ドイツとスウェーデンで機体は作れるとしても問題はエンジンですよね。
日本に接点があるとすれば、IHIにエンジン共同開発の打診などはあるかもしれません。
GCAPは機体、アビオニクスも含めて統合的に開発する計画なので、ドイツが「コンピュータとセンサーはFCASで調達するから機体だけGCAPで共同開発させて」とはいかないでしょ。
内陸国と海に囲まれた日英伊は全く異なる条件でしょう。
開発費の増加、開発スケジュールの遅延など何一つよいことはない。
そもそもドイツは国家、民間ともに常に上から目線。
スズキをだまし取ろうとしたり、クライスラーが捨てられたり。
半レッドチームと組むべきではない。
今も、EUと言えば、この2国の綱引き
元々延々と戦争を続けて来た関係で、本来は犬猿の仲
どちらも「絶対曲げない」プライド高い頑固者の気性。
イギリスが嫌になって出て行きましたが、正解ですw
日英伊の次期戦闘機に、絶対加えてはいけません。
特にドイツ、腹の中は親中ですから、全く信用ならない。
結局のところ、戦闘機に関するノウハウがダッソー以外ほとんど持ち合わせてなくて、おんぶに抱っこで美味しいとこだけ持っていこうとするドイツとスペインにフランスメーカー側が譲らなかったという話だからどうしようもない
中国は今現在、J50、J36、JXXという3機種の第六世代戦闘機の試験飛行段階にあります。
従って、今から15〜20年後に完成しても、中国は第七世代戦闘機を開発してくるでしょう。
何度同じことを繰り返すのか。
税金を投入しているのだから「企業同士が歩み寄れない」じゃ済ませられないでしょ。
ドイツ、スペイン、スウェーデンの3か国でシングルエンジンの第6世代機を
開発してください。
エンジン作れないよぉ~え〜ん
ドイツが主導権を握りたいと言っても、後から入って来ては無理が有るだろう。なのでGCAPへは無しかな。
記事にあった4つ目の選択肢、韓国やインド、サウジなど欧州域外で野心を抱えている国との共同開発かな?
戦闘機でもドローンでも自国で開発するのが一番だよ
お金さえあればね。
出来たものが気に入ったなら買ってくれても構わない。
そんなところか。
現場は喧嘩別れ前提で動いているのでは?
> 一つの扉が閉じれば、別の扉が開くこともあります。
決して間違ってはいないが、あんたがそれ言うか?
ドイツ人も堕ちたなあ、、、