航空自衛隊の次世代戦闘機計画「GCAP」。新たなコンセプトモデルが示す、その「能力」とは?
MotorFan
24/8/18(日) 9:45配信

2022年、日本はイギリス・イタリアと共同の次世代戦闘機開発計画「GCAP(グローバル・コンバット・エア・プログラム)」に合意した。そのGCAPの最新コンセプトモデルが、先月7月21日に発表されたが、従来案から大きく異なるデザインが話題となった。新たなデザイン案の背景には、どのような理由があるのだろうか?
TEXT:綾部剛之(AYABE Takayuki)

より長い航続距離と豊富な武装

現在、航空自衛隊はF-15、F-2、そして2019年に部隊配備を開始したF-35の、3機種を運用している。このうち、もっとも古いF-15は一部が近代化改修を受けて延命されるものの、多くがF-35に置き換えられる。「GCAP」次世代戦闘機は、2035年以降に退役が見込まれるF-2に代わる存在となる。

今年7月、イギリスで開催されたファーンボロー航空ショーにおいてGCAP機の新たなコンセプトモデルが公開されたが、これまで公開されてきた「ラムダ翼」デザインから一変し、広く大きな「デルタ翼」が採用された。デルタ(Δ)翼とは、文字通り三角形型の翼をあらわす。さらに、展示された原寸大模型から、既存の戦闘機に比べてかなり大型の機体が計画されていることも判明した。

デルタ翼は高速性能に優れ、翼の面積が大きくなることで翼内燃料タンクを増大(すなわち航続距離を延長)することができる。また、ステルス機はミサイル等の兵装を機内のウェポンベイに格納する必要があるが、機体の大型化により搭載できる兵装量を増やすことができる。つまり、新たなコンセプトモデルから推測されるGCAP機は「より長い航続距離を持ち、より多くの武器・装備を持ち運ぶことができる戦闘機」と言えるかもしれない。戦闘機というよりは、戦闘爆撃機に近い印象を受けるが、この能力の背景には現代戦における戦闘機の役割の変化があると思われる。

領域横断作戦の中での戦闘機の役割

現代戦は陸・海・海・宇宙空間、さらにサイバー空間や電磁波空間など、さまざまな戦闘空間(領域)を横断して互いに連携しあう「領域横断作戦」であり、さまざまな装備・部隊がネットワークで繋がろうとしている。このような戦場のなかで、戦闘機の役割は多様になっている。

たとえば、F-35は優れたセンサーとネットワーク機能を持つことで知られているが、同機をステルス能力のある空中センサーとして活用し、敵に発見されることなく、味方の攻撃を誘導する役割が期待されている。
また、GCAP機は戦闘用無人機の随伴が計画されているが、危険な攻撃や哨戒を無人機に委ねて、有人機は安全な後方に位置する戦い方も考えられる。そうなれば、戦闘機自身が運動性能を発揮して戦う機会は大きく減少するだろう。

「戦闘機の戦い」と聞くと「戦闘機同士の戦い」を想像しがちだが、そうした戦い方が大きく変わろうとしている。複数の領域にまたがる大きな枠組みのなかで、将来の戦闘機にはどのような役割を果たすのだろうか? コンセプトモデルを公開した英BAEシステムズ社は、このモデルが最終決定型ではないとしているが、さらなる試行錯誤を経て、次世代戦闘機の姿が完成していくことになるのだろう。            綾部 剛之

(引用終わり)
日本にとってはF-15Jの担っていた制空任務を引き継ぐ次世代の制空戦闘機となる。空自が望んでいたF-22の導入失敗やi3fighterコンセプトに始まる日本の制空戦闘機保有がようやく実現する。
航続距離の長さは沖縄と九州の航空基地が使えない条件で南西海域の広大な領域をカバーすることからも必要となり、滞空時間が長くなって地上に降りる機会が少なくなればペイロードも増やさなくてはならない。何より搭載するミサイルも長射程となるため、ミサイルの大型化に対応できるように格納庫のサイズは大きく確保しなければならない。

F-2の後継なのに制空戦闘機なのという疑問はもっともだが、単能機の出番ではない。
有人機のメリットを享受するためにも「より長い航続距離を持ち、より多くの武器・装備を持ち運ぶことができる戦闘機」が必要となる。
戦闘ドローンも上手く使いたい。

敵艦隊を洋上撃破するのがF2後継機のロールですね。大型化は日本の意向が取り入れられた感がありますね。
F-15はアラート任務、F-35は制空任務が適正ですね。
しかし、GCAPならAI子機を領空侵犯機の側に寄せつつ、安全な位置から母機が指示を出す言葉が出来ますね。勿論、F-35以上の「強い」機体になるのでしょうから制空任務も可能です。
見込み通りに開発出来るなら、真の「マルチロール機」が完成する事でしょう。


任務上の後継ではなく帳簿上の後継だから。
既にF-15Jという純粋な戦闘機をF-35というかなり攻撃機よりなマルチロールで置き換えているでしょ。
その逆に制空戦闘機よりなマルチロールで対艦攻撃機として調達された現マルチロールのF-2を置き換えるって話。


大型でデルタ翼で随伴機があると聞くとアメリカの次世代プランであるNGADと同様になりますね。
アメリカは結局F22を売ってくれませんでしたから、日本がGCAPを進める価値はあると思います。
F2の後継ということは、対艦の装備まで想定しているのでしょうか。

文中にある通り「より長い航続距離を持ち、より多くの武器・装備を持ち運ぶことができる戦闘機」というコンセプトが明確になったのがこのGCAPのコンセプトモデル。

日本は西太平洋やフィリピン海、東シナ海といった広大な海をカバーする必要があり、他方英国はロシアが敵性国家になったことにより将来北海ノルウェー海はおろかバレンツ海に進出する可能性が出てきた。
その為の長大な作戦行動範囲のための内蔵燃料、より多く大型のミサイルを積む内装ウエポンベイ、ハイパワーで多重送受信が可能なレーダーと発電システム、スーパークルーズが可能な高推力双発エンジン、無人機随伴など発展性のための余裕etc……。
考えられる要求性能だけでも機体大型化は必然。

日本の技術を最大限生かせる高性能次期戦闘機の登場を期待しています。

複座型はあるでしょうか?
F-35は訓練にはシミュレータで賄えると
単座のみですが
複数の無人機の随伴が前提であれば
其れ等を管制するには
双方にAIがあるとしても
パイロットひとりには負担大きいかと
あれば教導隊のF-15DJの後継にもなるかと

ステルス(の格好をした)で複座あるのは
青側では現状は韓KF-21ポラメだけで
韓に潜在的需要を独占させるのは
どことなく惜しい気がしてます

無人機が実用化される場合価格は低く抑えられるはず、高価なF-35と恐らくは相当な価格になるであろう共同開発機、ハイローミックスの観点からすると、とんでもなく高価で少数の飛行隊が出来上がる可能性がある、今でも第一線機であるF-15新型EXの導入で良いのでは?

アメリカが第六世代機に求めているものは完全無人機であるが
日本や欧州が求めているものは、それとは異なり。有人機が複数の無人機を統率して運用するものだ
同じ次世代機でも、目指しているものは明確に異なる。
すでに偵察機で完全無人機を実現しているアメリカにとっては、他国とは頭一つも二つも技術が違うということか
第六世代機に求められるものは、第五世代機までで、すでに実現している
ステルス性、スーパークルーズ、機体と一体化した高度なアビオニクスに加えて、その上がないとならないからな
無人機との連動もその一つに過ぎないだろうし
新世代戦闘機開発は、十年以上の時間が必要な大プロジェクトだけに、いまある技術だけではなく
戦闘機が開発するころには実現可能な技術も考えて取り入れねばならない
それがどこまで至っているか、さすがに私もそこまで知識はないし

米軍の第六世代機であるNGAD(空軍と海軍の次世代機プロジェクトはいずれもNGADと称しているが別物)は発表されているコンセプトを見れば分かるがいずれも有人機。あくまで無人機は有人機が統制するものという考えがアメリカ軍にはある。海軍のNGADへの考え方は米海軍公式HPで将来構想として公表されている「Navy-Aviation-Vision-2030-2035」で述べられているのでそれを見ることをお勧めします。米軍の公式発表なので。空軍のNGADについては、最近、計画見直しが検討されはじめたけど、主因は新技術であるアダプティブエンジンを中心とした超高コスト問題。有人・無人の話しはおそらく変わらない。

第6世代戦闘機は戦闘機にはならない。それが正解であって、GCAPは戦闘機として作られるだろうから、中途半端な機体にしかならない。

まず、第6世代戦闘機の時代、早期警戒機は生き残れない。全てがCECで繋がって、対空ミサイルは早期警戒機のレーダー情報を頼りに飛んでいくけど、早期警戒機の前に有人戦闘機、その前に無人機、無人機から長射程対空ミサイル。間違いなく早期警戒機は対空ミサイルの射程内に入ってしまう。鈍重な機体は生き残れない。すると早期警戒機の次に高性能なレーダーを搭載しているのは有人戦闘機だから、有人戦闘機が早期警戒機の真似事をしないといけなくなる。

戦闘機のレーダーじゃあって思うだろうけど、早期警戒機がいないんだから仕方ない。

後方で第6世代戦闘機が必死のパッチでレーダー情報を提供し、前方で第5世代戦闘機や無人機が戦闘を行う。それが第6世代戦闘機の時代の戦場。

要するに、第6世代戦闘機は戦闘機ベースで作った早期警戒機。かといって戦闘機に丸いレドームを載せるわけにいかないし、高価なシステムを載せてバカ高くしたら戦闘機のような調達など無理。かといってこれまでの早期警戒機みたいに撃墜されないことが前提に出来ず、ある程度の撃墜も覚悟しないといけない。逆を言えば撃墜されることを見込んである程度の機数も揃えないといけない。

そういう機体ってどういう機体って話。

どう転んだって、GCAPはそれとはかけ離れた機体となるだろう。

恐らく、この計画に英国が積極的でなくなってきたのは、GCAP機に随伴する戦闘用無人機というのが、今後遥かに進歩して独立行動が可能になることが見えてきているからで、そうなるとGCAP機そのものが不要になるということが見えてるからだと思います。いずれ直ぐに不要になるなら、なんでわざわざ開発費を投入する必要があるんだい?ということです。それより、随伴する戦闘用無人機に開発費を投入する方が賢いからです。恐らく英国は、GCAP機の開発費は日本に負担させ、自国はフェードアウトしつつ戦闘用無人機の開発に取り組むか、もしくは米国製の戦闘用無人機を導入すべく、それに関しては米国と連携するという方針を取るのではないでしょうか。そうした英国の方針は正しくて、日本側はF2の時と同じように、お金だけとられて大して使えない戦闘機を作るけど、国内の航空産業にご飯を食べさせられ、まあいいよね、みたいな話になる気がします。

毎回そうだけど、日本の防衛装備品の開発が遅くて出来付上がった頃には、1世代遅れって軍事雑誌に嫌味を書かれる。
次世代戦闘機ももう何年も前からの話なのに、未だにコンセプトとか言ってる。
先日、防衛装備庁が研究開発して実際に採用されたものが一つもないと言う記事があったけど、お役所仕事の悪い見本だと思う。
迫る有事が近いのだから、危機感を持って早急に成果が見える形でやって欲しい。


F-35で格闘戦がだいぶ厳しい事になる能力実現されたしなぁ
ステルス性維持するために内蔵式にする必要と積載量持たせるを両立する為には小型軽量ハイパワーより大型積載量多めハイパワーで無理矢理飛ばすの方が現実的

核武装しちゃえばそれが抑止力となってこんな兵器開発必要なくない?EUやアメリカがロシアを直接攻撃せずウクライナの支援に留まってるのって、ロシアの攻撃対象(核兵器の標的)になりたくないからでしょ?あくまで戦争してるのはウクライナだけ。
ロシアの核兵器が抑止力として立派に機能してるのよ。だから日本も核武装した方がいい。原爆落とされてるからとかそんなの関係ない。むしろ核兵器は保有することに意味がある。実際ロシアだってウクライナに向けて使ってない。
使う前提で考えて核武装反対って言ってる日本人ほど核兵器について理解してないし、使おうと思っちゃってるヤバい人。

平和憲法が無いからです。戦争放棄の憲法がないから戦争することを前提にするのは当然では?
日本はそうではないから抑止力だけ持てば良いのです。納得しましたか?


>核武装しちゃえばそれが抑止力となってこんな兵器開発必要なくない?

じゃあ、なんで核武装している英国がGCAPに参画しているのか、説明してよ。

広い面積を取れる主翼から胴体の機体下部には、かなりのウェッポンベイが取れそうだ。
自衛隊の要求には対艦ミサイルの搭載は必須なはずだから、無尾翼デルタは理にかなっている。

日本の希望する性能、能力は、どれほど取り入れられるのだろうか?
コンセプトモデルには日本の思考が反映されている様に見えないのだが…。

前回のも今回のも、コンセプトモデルに日本が関与してる様には思えない。
それなのに大幅な変更がされてる。
日本の発言力はキチンと担保されるのだろうか…。

次世代型は戦闘機という限定された形では無くなるでしょうか、偵察機、爆撃機、無人機、指令機等、マルチ運用に対応した機体や装備になるんでしょうね。

かなり複雑なコンセプトだから、いっそのこと、複座にして後部座席でオペレーションすればよい気がする。

F−15のカッコよさに憧れてパイロットを目指した隊員も多いので、若者が憧れるようなカッコいいデザインの戦闘機ならいいな

斜め前からの新しいコンセプト画像で見ると双発のステルスドラケンっぽくて好き。実質ステルス長距離戦闘爆撃機の様だね。

GCAPは機銃を標準装備するのだろうか

スクランブル用途で警告射撃するくらいしか使いどころが無さそうだが

現在の航空自衛隊戦闘機の任務って、訓練や演習以外はそのスクランブル対応しか無いと思うけど。

政治的な要因で共同開発が無くなった場合も日本独自で完成させられるようにしておいてください。

これを機会に是非とも戦闘機用エンジン開発技術を身に付けて欲しい。

戦闘機を開発するよりも無人自爆ドローンを大量に配備して特攻隊に使った方がコスパが良さそうな

「特攻」は人間が搭乗操縦して体当り攻撃する事だから無人機なら「特攻」とは言わない。
標的まで誘導されて無人で飛んで行くミサイルでの攻撃を「特攻」なんて言わないでしょ。

個人的にはX-2みたいな見た目が好きだったな。てっきりアレを大型化するもんだと思ってました。

日本初の、核巡航ミサイル搭載戦闘機にしてほしい。

長い航続距離は日本が希望してそう

この機体には艦載機タイプはあるのかな?

英国は抜ける様な事を言っているのだけど、大丈夫だろうか。

そもそも実際のデザインを公開するとでも?

つまりはアブロバルカンみたいな感じに…

人形に変形はしないのだろうか...?

GCAP開発に携わる日本人は皆、VF(マクロスシリーズのヴァリアブルファイター)のイメージが頭の片隅にあるでしょう
常温核融合とアクティブステルスが実用化された暁には作りたいと絶対思ってる筈