日本人再訪「熱烈歓迎」 30年で客数60分の1に シルクロード敦煌・中国
時事通信
24/6/24(月) 7:03配信

 シルクロードで知られる甘粛省敦煌にはかつて、日本人観光客が押し寄せた。

 しかし、今はピーク時の60分の1に激減し、地元は「再訪熱烈歓迎」と呼び掛けている。現代でも仏教徒が多く、日本への親近感が強い土地柄だ。金杉憲治・駐中国大使の敦煌訪問に同行し、現地の声を聞いた。

 敦煌研究の柱となっている敦煌研究院。トップの趙声良・同院共産党委員会書記が23日までに、世界遺産の仏教遺跡「莫高窟」の前で一部日本メディアのインタビューに日本語で応じた。趙氏は「シルクロードを通じて敦煌と日本の仏教美術はつながっており、これまで日本の専門家には壁画の保存で協力してもらった」と謝意を表した。

 「敦煌の壁画と塑像の全てをデジタル化して永遠に保存する」のが趙氏の願いだ。既に7割を終えたが、「小さな石窟にはカメラが入れず、今後5~8年で技術的問題を解決したい」と説明。デジタル保存でも日本の協力を受けたいと述べた。

 敦煌市トップの石琳・市共産党委員会書記は、金杉大使と会談し「日本と敦煌を結ぶチャーター便の年内実現に取り組む」と表明。「多くの日本人に歴史文化に触れてほしい」と呼び掛け、金杉氏は「豊富な観光資源を持つ敦煌との交流拡大を期待する」と歓迎した。

 市政府に近い観光業関係者によると、日本人が最も多かったのは1990年代前半で、93年には年間6万人が訪問。当時、観光客と言えば日本人を指したというが、2023年は1000人程度で、新型コロナウイルス流行前の19年でも約5000人にとどまった。

 日本人観光客は当時も今も、敦煌と新疆ウイグル自治区トルファンをセットで訪れることが多い。トルファンのホテル従業員の女性は「『西遊記』に登場する火焔山が日本人に人気だったが、今は個人客がたまに来る程度。再び、魅力的なシルクロードに足を延ばしてほしい」とほほ笑んだ。

 日本の旅行会社にはコロナ禍後に再開したシルクロードツアーに手応えを感じているところもある。阪急交通社の広報担当者は「北京や上海方面に比べ日程が長く旅行代金も高めとなるが、大健闘だ」と明らかにした。 


シルクロードのブーム去った中国・敦煌、日本人観光客を熱望…邦人拘束など日中関係ネックに
読売新聞オンライン
24/6/23(日) 13:31配信

 世界遺産・莫高窟(ばっこうくつ)で知られる中国・敦煌市が、日本人観光客の訪問を熱望している。文化財保護での日中協力の歴史を生かし、コロナ禍を経てほぼ姿を消した日本人を再び引きつけたい考えだが、低調な日中関係がネックとなっている。(中国甘粛省敦煌 東慶一郎、写真も)

 「天井と壁全体に色鮮やかな宗教画が残っています」

 12日、莫高窟の第285窟。地元の「敦煌研究院」研究員が、視察に訪れた金杉憲治・駐中国大使に流暢(りゅうちょう)な日本語で説明した。第285窟は、莫高窟でも古い時期の西魏時代(6世紀)の壁画が残る。普段は非公開だが、壁画の保護、研究に日本の独立行政法人が協力したこともあり、特別に案内された。

 シルクロードの要衝だった敦煌は、井上靖氏の小説「敦煌」や画家の平山郁夫氏の作品で有名だ。1980年代にはNHKのドキュメンタリー番組が一大ブームとなった。文化財保護で日中協力も進み、日本政府も約10億円の無償資金協力で支援した。

 敦煌市によると、80、90年代は観光客のほとんどが日本人だった。ブームは去り、2000年代以降は徐々に減少した。コロナ後も回復していない。23年の日本人訪問は600人台で、90年代の1%程度にとどまるという。

 市政府は、国際的な観光地として発展するため、日本からの観光客回復に期待を寄せる。金杉氏と会談した市トップの石琳・市共産党委員会書記は平山氏らの名前に触れつつ「日本との交流を大切にしている」と強調した。日本とのチャーター便の年内就航を計画していることも明かした。

 莫高窟を研究する敦煌研究院トップの趙声良・党委書記も「歴史的に敦煌と日本には密接な関係がある。ぜひ日本の皆さんに来てほしい」と日本語で呼びかけた。

 課題は多い。コロナ禍前に認められていた日本人への短期査証(ビザ)免除は再開されておらず、中国観光のハードルは高い。邦人拘束など日中間の懸案もある。金杉氏は地元政府との会談で、ビザ免除など環境整備への協力を求めた。

 習近平(シージンピン)政権下で進んだ少数民族の締め付けなどに伴う対中好感度の低下も大きい。日中の文化交流に詳しい中央大の榎本泰子教授(中国近代文化史)は、「今の日本で当時のブーム再現は難しい。『敦煌と日本の絆』という両国にとっての資産を生かすため、日本人が安心して行ける雰囲気作りを中国に望みたい」と指摘した。

 ◆莫高窟=4世紀から14世紀にかけて現在の敦煌市郊外の断崖に造られた仏教遺跡。492か所の石窟に壁画と塑像が残されている。1900年、蔵経洞(第17窟)から数万点の経典や絵画など「敦煌文書」と呼ばれる文化財が発見された。87年、世界遺産に登録。

(引用終わり)
1980年にNHK で放送された『シルクロード』は日本人に大きなインパクトを与えました。私も影響を受けた一人です。石坂浩二さんの語り、陳舜臣さんなどの出演、喜多郞さんの音楽、すべてが本当に素晴らしかったです。 
79年の改革開放以降、80年代に初めて中国を訪れたという日本人が多く、中でも敦煌は井上靖さんの小説のイメージもあり、憧れ、旅行先に選んだ人が多かったです。今では信じられないことですが、あまりにも日本人観光客が多かったことから、当時、大学の日本語学科の学生たちも通訳や案内にかり出された、という話を聞いたこともあります。 
あれから40年以上ー。日中関係はすっかり様変わりしてしまいました。現在の情勢から、当時のようなブームを再び、というのは無理というものでしょう。

日本のシルクロードブームの世代は既に高齢化して過去の存在。
私の世代で西田敏行らが演じる映画『敦煌』を観た者ですら、その存在は薄いと言えるでしょう。
今の中国は冷戦の影響があるにしても、素朴で温かかったあの時代とはかけ離れた険悪さが漂っています。
よしんば日本人観光客誘客の環境が整ったとしても、反スパイ法で当局に拘束されて帰れなくなる可能性はありますし、ついこの前だって学術交流で訪中していたアメリカ人講師が次々刺される事件が起きています。
いくら現地の人が求めたとしても、叶わぬ願いでしょうね。

中国国内の旅行需要は堅調ですが、日本人とは目指す目的地にずれが。マイカー旅行ブームもあって自然が好まれるのが中国人の旅行なので、敦煌にとっては日本人旅行客の穴を埋めるのは難しいのでしょう。
国際航空便の便数は回復しつつありますが、ビザ問題もあるほか、日中関係の悪化もありますし、円安で日本人の海外旅行意欲も下がっています。また、かつてNHKのドキュメンタリーや映画を見て敦煌をよく知っている世代の高齢化もあります。敦煌に行く日本人旅行客がかつての数にまで戻ることはないのではないでしょうか。

残念だけど、身の危険を犯してまで観光に行けません。民主主義国家とはかなり違うことをコロナ以降感じてます。どんどん厳しく変わる体制を危険と判断する人は日本人だけでなく多いはずです。今行く人は、万が一捕まっても日本からの助けは来ない覚悟で行くしかないと思います。それくらい危険な行為ですよ。

昨年、出張のためビザ取ったんだけど7〜8P分くらい個人情報提出させられて1日ではweb申請終わらなかった。
個人情報を捜索するなんて生やさしいものでなく、現在の勤務先、業種、職種、社長名。前職についても同じ情報。出生地の町名までも。妻子についても氏名生年月日提出。自分みたいな小者の情報は興味ないだろうが、全員への制度にすればどんなVIPの情報も全て労せず集まる。ビザ制度継続のメリットにきづいたのだろう。

高い技術持ってるメーカーのそれなりの人だと昨年拘束されてPC取り上げられてたな。逮捕容疑を公表する義務ないのでこうして企業秘密を強奪する。

上海市内は防犯カメラの映らないところはまず無い。飲食店内もカメラに加えてマイクもある。ここまでの監視国家なので党や政治への悪口は誰も言わない。

ほとんどの人は拘束するメリット無いので心配無いが、大企業のお偉いさんなんかは行く時注意した方がいい。

どちらかと言うと信用が高いとは言い難い相手に自分の詳細履歴や家族親兄弟の個人情報まで差し出すのは抵抗ありますね。 そこへ更に念入りに指紋まで取られるわけですから出発前から既にハードルが高そうですね。 やっと現地入りしても下手にカメラを出したり、うっかり発言したら拘束されることに怯えなければならない観光地なんて楽しめるんでしょうか?


欲しいのは日本人観光客ではなく、人質じゃないのかな。多くの日本人が常時訪問すればいつでも多量の人質が確保できるので。反スパイ法があれば、逮捕する理由などいくらでもつけられるので。さらに日本は遺憾砲以外の対抗手段なし。日本は対処できる法整備がなされておらず、中国には都合がいいままなんだよね。それを知った上で日本のメディアは日本政府を糾弾する。日本政府が弱体化すれば、これまた中国に都合がいい。
これが現実じゃないかな。

二十年くらい前の学生時代に中国の奥地をホテルも移動も何の予約もせずバックパック背負って一ヶ月程廻ったが、あの時は今ほど観光地化も進んでなくて本当に楽しかったな。今ほど情報に溢れてない時代で、チベットあたりはもう異世界だった。歴史問題について現地人と熱い議論を交わして人だかりが出来ちゃった事もあったっけ笑。
今は観光地化も進んでると思うので昔ほどの異世界感は期待できないけど、キングダムが好きなので兵馬俑や函谷関とかの縁の地は行ってみたい。

地方政府は、プーさんの指導で経済と観光都市の融合の号令のもと、町や村ごと移動させて、そこを観光都市にしている。
移動された特に少数民族は、不平不満ありあり。
文化財保護なら、経済と観光都市の融合などと切り離して、日本人観光客は気にせず、敦煌らしく他民族、多様性のある文化をこのまま大事にされて下さい。

反日感情も強く、色々制限され、写真を撮ったらスパイ活動と疑われ拘束される可能性もあります。
また、スマホにアプリを仕込まれ位置情報、盗聴されるリスクもあるかもです!
私は絶対に中国へは行かないです。香港にもう一度行きたかった!

行くのはいいが尖閣か台湾で有事が起きた場合、邦人は即時人質となり無限出国停止に追い込まれるのは間違いない。
そんなリスクある国に行こうとは決して思わないね。
しかしほんと家族連れて仕事で在国してる人は気の毒だよ。

パスポートに書いてある情報をデータベースに保存するのは日本も含めてどこの国でもやってるんじゃないですかね…
ていうかビザ申請の時点で親の情報や学歴や職歴まで全て出す必要があるはず。
それより中国はホテルも自由に泊まれない(渉外ホテルという許可が出ているホテルにしか外国人は泊まれない)上に、チェックイン時に必ずパスポートをスキャンされてその情報はすぐ公安に届けられるというのが嫌だな。

『1964年から1996年までの30余年に渡り,政府は延べ46回,総爆発威力22メガトンという広島の1,375発分の核実験を行った。現地のウイグル人148万人以上もの殺傷被害が推定されるシルクロード楼蘭遺跡周辺は,チェルノブイリ事故の2,000万倍の総放射能に汚染され,その核ハザード地帯からの黄砂は日本にも飛び,日本人のストロンチウムの内部被曝は最大7ミリシーベルトであった。一方,福島第一原発事故による同核種の線量はその1千分の1以下である。

 NHKをはじめ日本のマスコミがこの問題に口を閉ざしているのはなぜか?』

一時期、NHKがウイグル自治区の核被害を無視して、シルクロードの放送を続けていたことを思い出した。
検索してみたところ、上記の内容の記事が出てきました。