武器輸出大国へ進むな  次期戦闘機共同開発条約 山添氏批判
参院審議入り
しんぶん赤旗
2024年5月30日(木)

 英国・イタリアとの次期戦闘機の共同開発・生産・輸出を推進するための政府間機関(GIGO)を設立する次期戦闘機共同開発条約の承認案が29日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の山添拓議員は「戦闘機の輸出解禁は憲法9条に基づく平和国家としての日本を逸脱するもので、武器輸出大国へ突き進むことは許されない」と批判しました。(質問要旨)

 山添氏は、上川陽子外相が武器輸出の原則について「国連憲章を順守するとの平和国家としての理念を堅持していく」と答弁(4月25日)したことにふれ、「日本の平和主義は国連憲章のみならず、憲法9条に立脚するものだ」と指摘。戦闘機の輸出解禁は「『国是』としてきた武器禁輸を骨抜きにし、許されない」と迫りました。上川外相は「憲法9条は、防衛装備移転を規律するものではないと解している」と強弁しました。

 また山添氏は、次期戦闘機の開発費について「青天井につぎこみ、利益を確保するには売りさばくしかないとばかりに突き進むつもりか」と追及。木原稔防衛相は、2023年度までに計約3066億円を予算計上し、23~27年度の5年間で「開発経費として約7700億円と見積もっている」と明らかにしました。総経費については「答えられる段階にない」と述べるにとどめました。

 山添氏は、政府が「現に戦闘が行われている国」を輸出先から除外するとしている一方、世界各地で空爆を繰り返す米国は、同国内で戦闘が行われていないことを理由に除外していないと指摘。「基準が定かでなく、恣意(しい)的に判断できる」と批判しました。

 木原防衛相は「個別具体的かつ総合的に行われるもので、一概に答えるのは困難だ」と述べるのみでした。

(引用終わり)
日本共産党は「戦闘機の輸出解禁は憲法9条に基づく平和国家としての日本を逸脱するもので、武器輸出大国へ突き進むことは許されない」と批判したが、日本国民の生命と財産を守る術についてはなにも提案していない。
戦闘機も武器も手段であって目的ではない。

大戦後、日本が戦争に関与することがなかったのは偶然である。
日本は負けたが、新たな覇権国米国の同盟国になったことで、防衛負担は大きく軽減された。
米帝が大日本帝国を滅ぼしたことで、長年の負担であった大陸からの撤退という荒療治を行えた。

国民の負担となっていた兵役や重税もなくなった。
これで経済成長しないわけがない。

ただ、米帝の相対的な実力低下で中露の存在感を増し、クリミヤ戦争、ウクライナ戦争、ガザ紛争、台湾紛争の裏と表に常に彼らの暗躍がある。

次期戦闘機は中露とも米国とも一線を画している。

日英グループ以外でも仏独、土耳古、韓国、インドなども戦闘機を開発しているが、エンジンがネックとなる。ロシア系の旧式エンジンか米国勢エンジンの二択だからだ

戦闘機用エンジンを握る国が覇権を握っているといっても過言ではない。

日本のIHIが次世代戦闘機用に開発したXF9エンジンは、米国以外で初めての第五世代戦闘機用エンジンだ。
P&W社製F119エンジンはF22戦闘機専用で輸出されたことはない。
F135エンジンはF119エンジンの改良型でF35ステルス偵察爆撃機専用だ。

なお、最近進空した次世代重爆撃機B21はF135エンジンの改良型の双発機だ。

日本が米中ロに睨みを利かせるためには、日本独自の戦闘機用エンジンの供給源となることは重要だ。

日本の次世代戦闘機、正確には次世代戦闘機用エンジンが出回れば、中露北が不利となろう。