日本の潜水艦、カナダに輸出浮上 政官民一体となれるか
日本経済新聞
2024年3月29日 5:00

編集委員 高坂哲郎

カナダが導入を計画する次期潜水艦の有力候補として、三菱重工業と川崎重工業が海上自衛隊向けに建造する最新式の通常動力型潜水艦が浮上している。
輸出が実現すれば、日本政府が目指す国内防衛産業のテコ入れに役立つほか、中国やロシアなど強権諸国陣営と対峙する民主主義陣営の一角を成す日本とカナダの間の防衛協力を大幅に強化できる。ただ、実現には機密流出を防ぐ体制整備など課題もあり、日本の政官民が一体となれるかが受注獲得の鍵となろう。

(引用終わり)
米国のみでは中露双方を確実に抑止できないことがもはや確実である以上、これを補完するための動きが進むのは必定でしょう。

インド太平洋地域について言えば、中国の海軍力拡大に対抗するためには一種の非対称アプローチとして潜水艦が重視されるのは必定であろうと思います。
すでにオーストラリアに対しては米国が原潜を供与することがAUKUSの枠組みで決まっています。
今度は北太平洋においては日本が中心となってカナダの潜水艦戦力増強を支援する、ということになれば、太平洋の南北で日米同盟が基軸となった抑止力強化の動きが進むわけで、望ましい展開だと思います。

既に日本での米艦船の大規模修理受注も検討されている。
米海軍の新造艦の建造、納入も年単位で遅延しており、日本側がその穴埋めを引き受けるのは必定だろう。
オーストラリア向け原潜建造も遅延が予想される。
AUKUS原潜就役が遅れれば、潜水艦乗員の養成にも支障が出る。
カナダ海軍向けの潜水艦を日本の主力潜水艦たいげい級をベースに建造し、豪州海軍にも原潜就役までのギャップを埋める練習潜水艦としてリースすべきだろう。
日本本国のみならずカナダ両岸に潜水艦建造所を設け、カナダ、豪州、米海軍向けの潜水艦を建造すべきだろう。