【コラム】韓国外交の3つの罠
中央日報/中央日報日本語版2024.04.07 09:56

「我々は抽象的なアイデアを信じない。我々は現実をありのままに受け入れ現実に対する妄想に陥らないよう最大限努力する」

1815年のナポレオン戦争終結後、ウィーン体制を構築し欧州の平和を率いたオーストリアの名宰相メッテルニヒの外交に対する警句だ。これはいまの韓国外交にも強いメッセージを投げかける。

今の国際秩序は6~7年前から質的に変わっている。何より韓国に非常に重要な、米国と中国がこれ以上包容と協力ではなく対決と競争をする時代に進入した。これは韓国の外交に深刻な挑戦だ。そしてこの60年間韓国が民主主義と経済成長を成し遂げるのに大きな寄与をした自由主義国際秩序が大きく脅威を受けている。ロシアのウクライナ侵攻が代表的な事例だ。その上北朝鮮はこれ以上南北関係は特殊民族関係ではないとして、戦術核を搭載した超音速ミサイルにより数分で南側を焦土化すると意気込んでいる。

ところが現在の韓国の外交談論はメッテルニヒが強調する現実に対する冷徹な分析と対応策を用意するより、国内政治の陣営論理、感性的アプローチ、希望的思考の罠に引っかかっている。

最初に、国内政治の陣営論理の罠だ。近ごろ韓国社会で保守は親米・親日・反中・反北朝鮮、進歩は反米・反日・親中・親北朝鮮という二分法が通念のようになってしまった。問題はそうした米中日朝など対象国の外交政策や彼らの相互関係が大きく変わったのに我々はそんなことは物ともせず国内政治陣営論理により既に決まった「親」と「反」の固定された処方を自動的に出す点だ。そのために外側の国際政治の現実に韓国の国内政治がついていけない(または、ついていかない)。外交懸案が起きた時も国際関係変化の中でその懸案の核心と国益最大化の方法という本質問題には詮索できず陣営間の皮相的な口論にとどまるのが常だ。

例えば韓日関係がそうだ。急変する国際関係の中で韓日関係を改善する場合とそうではない場合、それぞれ韓国にもたらされる得と失が何かを鋭く問い詰めて比較し説得しようとする姿勢を見ることはできない。現政権は陣営争いの枠を抜け出す挙国的観点での韓日関係改善が現在の厳しい国際環境のためどのように得が失より大きいのか、国民に説得力あるように説明できなかった。野党もなぜ韓日関係改善が国益に失が得より大きいのか明確な根拠を提示できず主に国民感情に訴えた。

2番目、感性的アプローチの罠だ。多くの国民が徹底した利益計算ではなく好き嫌いの感性で外交問題に接近する。おそらく世界で唯一韓国だけが国名の前に「親」または「反」という接頭語を付け、親米・親中・反米・反中のような言葉を使うだろう。国に何が利益になるかを計算するのではなく、好きか嫌いかの感性が先んじるのだ。政治家らは国民の考えを国益中心に集めるより、彼らの感性に迎合して党派利益を追求する。米国大統領選挙でトランプ氏が当選し取引的アプローチをするならば、それは嫌いか好きかの問題にとどまることではないではないか。

3番目、希望的思考の罠だ。外交は国同士の関係で個人間の関係と質的に違う。個人間の関係ではこちらが善意で対すればあちらも善意で対するという期待が通じることがある。たとえ個人間の関係が間違っても当事者ひとりで終わる。しかし国を代表する外交が間違えば数百万人、数千万人が被害を受ける。そのため個人間に適用される道徳観念や行動基準を国同士の関係にそのまま適用しようとすれば大きな問題が生じる。

例えば過去に韓国政府は中国に良くすれば中国も相応の好意に出てくると期待して中国に接した。そうするうちに何より中国が韓半島(朝鮮半島)問題を韓中関係そのものより米国との戦略競争の従属変数として扱ってきた点を見逃した。中国は2010年に明白な国際法違反である北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃の時も両非論を主張し、THAAD配備の際も韓国に経済制裁を加え韓米間の距離を広げようとした。

来週の総選挙は韓国外交の方向にも深刻な影響を及ぼすだろう。外交をめぐる論争も入り乱れるだろう。最も恐ろしいのは外交問題を国全体の利益の観点から冷徹に問い詰めて議論するのではなく、感性と陣営論理に訴えて国内政治ゲームのいけにえとする可能性だ。その場合、国民は大きな混乱に陥り国際社会は冷笑を送るだろう。

何より我々が当面の国際政治現実に対する真剣な討論から始めたら良いだろう。メッテルニヒの警句の通り「現実をありのままに受け入れて現実に対する妄想」に陥るまいとする国民的努力を期待する。また、金大中(キム・デジュン)元大統領が獄中書信で明らかにしたように「書生的問題意識」は持っても徹底した「商人的現実感覚」に立脚して国益を問い詰めそれを達成する戦略を模索することを希望する。どうか筆者があまりに多くのことを希望しているのではないことを切実に望む。                             尹永寛(ユン・ヨングァン)/峨山政策研究員理事長、元外交通商部長官

(引用終わり)
逆説的両国関係論。
反日民族派政権時、
日本適当対応可能、
対米国気遣不必要。

我々は韓国を信じない。
我々は現実をありのままに受け入れ
現実に対する妄想に陥らないよう最大限努力するのである。


韓国は政権交代がおきれば、内政も外交も完全にリセットされて、まるで別の国になったかのようにゼロからやり直しになるという、5年間の有効期間しかない国に見えてしまう。
極端な話、政権によって別の国になったかのようにコロコロ変わるくらいなら、いっそのこと親中親北の国と親米の国という2つの国に完全に別れた方が安定するんじゃないかと思えるほど不安定な国だと思う。

日本との関係は何が得か失かを突き詰めていくようですね。同じように日本でも得になるものは無いので何を騙し取られるのか何に因縁を付けられるのか、を防ぐための議論が必要ですね。

まず根本的に国民に自分で考える能力がないからムンのように口先だけの甘いエサで釣る奴には付和雷同で誰でもついて行くからなんでしょうね。

我々は現実をありのままに受け入れ現実に対する妄想に陥らないよう最大限努力する

すごいブーメラン。

損得しか物事を判断しない国は信用でしてはダメだ。いつでもゴールポストを動かすしレーダー照射をしてくる。

>「我々は抽象的なアイデアを信じない。われわれは現実をありのままに受け入れ現実に対する妄想に陥らないよう最大限努力する」。

妄想が一人歩きしちゃってる隣国さんはもう手遅れですね。

彼らには"背骨"がないからな

遥か昔からの奴隷民族としてのDNA

刹那的で風見鶏のコウモリ外交

仲間にしたら負け

韓国が友好的になるのは金が欲しい時だけ
それ以外で友好的だった事は無い

損か失、それが全てのお国柄なのでしょう




反日野党には、ぜひ頑張って過半数以上を確保してもらいたい。理想を言えば、圧倒的多数で現政権を引きずりおろしてくれるのが良い。
それが日韓関係のなれ合いから脱する最善の道だと思う。



個人と国家は違う、こちらが何かをしてやれば相手も何かを返してくれるというような単純なものではない。そこはその通りだろうな。
ただ、約束は守る、合意した事は実行するという部分においては個人も国家も同様である。そして一度失われた信用を取り返すのも並みの努力や時間では無理だということも。一時の感情で約束破りをした代償は少なくとも日韓間ではずっと尾をひく。

よい記事だった。

>おそらく世界で唯一韓国だけが国名の前に「親」または「反」という接頭語を付け、親米・親中・反米・反中のような言葉を使うだろう。国に何が利益になるかを計算するのではなく、好きか嫌いかの感性が先んじるのだ。

日本でも普通に親米、親中、親露とかいると思うがねえ。
反の方は反米ぐらいしかあまり見ないが。

韓国が自国の利益を考えて行動するとしても、相手国にとって利益にならなければ韓国が相手にされることはない。韓国は自身に対する自己評価がかなり高いが、実際のところ信用があまりない。いろいろな意味で韓国という国家、韓国企業は世界から外されていく状況になっていくと思う。冷静に見つめるべきは韓国の置かれている状況だと思う。ここがまず完全に間違っている。

韓国人同士の個人的な付き合い関係の感覚で、国際間における国同士の関係を語るべきではない……極めて正しい意見だと考えます。
現実を直視しての「ビジネス的感覚で」というのも、ごもっともな結論かと。

日本から見ていて、ひと昔前と比べると韓国メディアの国際問題を語るコラムに「自尊心が」とか「普遍的正義が」とかなくなったように感じてます。記事にあるところの感性的アプローチを煽る論調が減った。
この記事の著者さんの希望にかなう流れは、韓国社会全体としてはあるのではないでしょうかね。

10年、20年では変わりようがない韓国の文化的問題。現実から物事を組み立てて考えれていたら近世近代史も違ったものになっていただろう。妄想の快感を選ぶ国民性。

結局、韓国人はありのままの世界ではなく、斯くあるべし世界史しか受け入れていないんだな。

これからも韓国は変わらないし反日が彼の国の生きる術。日本も幻想を抱いてはダメだ。