【社説】日本製鉄を巡るバイデン氏の大失態
大統領のUSスチール買収反対は米国に有害 労組の圧力やトランプ氏の影響で表明
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
2024年3月15日 15:19 JST

By The Editorial Board

 ドナルド・トランプ氏対ジョー・バイデン氏の選挙戦が不快で野蛮なものとなり、あまり短期間では終わらないだろうということは誰もが分かっているが、まだ分かっていないのは、この選挙戦に伴う政策面の損害がどの程度になるかということだ。
 明らかになりつつある一つの例は、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収案に対する自滅型の反対という大失態だ。

 かつて米政界の一致した見方は、外国からの投資は米経済の強さの表れであり、高給の雇用を生み出すというものだった。保護主義者たちは、米国製品と競合する輸入品の流入阻止に焦点を合わせていた。
 しかし、彼らは今では、友好国が米製造業に投資する場合さえも標的にしている。

(引用終わり)
米大統領のUSスチール買収反対は米国に有害なだけだ。
かつて世界一の鉄鋼メーカーであったUSスチールは、国内外の新興企業に後れを取っている。
簡単に言えば、USスチールが国内外の新興企業に価格でも品質でも負けている。
USスチールが生き残るには、国内外の新興企業以上の低コストの生産ラインを導入することだ。
そのためには多額の投資が必要だ。

日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収案は、米国同業者の買収案よりも5割増しだ。
米国同業者の買収額が、現在のUSスチールの正直な実力だ。
そんな落ち目の名門企業を高額で買収してくれることに感謝はしても非難をするのは馬鹿げている。
今後、米国企業は安値となろう。