H3、信頼回復へ「大きな一歩」 当面は官需で実績積み上げ
毎日新聞
24/2/17(土) 17:26配信

 今後の日本の宇宙開発の根幹を担う宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型ロケット「H3」2号機が17日、打ち上げに成功した。昨年3月の初号機の失敗から約1年。関係者は「日本のロケット技術の信頼回復への大きな一歩」と手応えを得た。

 ◇「狙いのど真ん中」「満点です」

 「よっしゃー」。打ち上げの約17分後、一つ目の衛星が分離された瞬間、種子島宇宙センター(鹿児島県)の管制室は歓喜の声であふれた。開発責任者のJAXAの岡田匡史プロジェクトマネジャーによると、新開発した1段目エンジン「LE9」は機体を「狙った軌道のど真ん中」に導いたという。打ち上げ後の記者会見で岡田氏は「ものすごく重い肩の荷がおりた」とほっとした表情を見せ、「満点です。ただし、これからが勝負なのでしっかり育てていきたい」と話した。

 H3の成否はこの1段目エンジンの出来が鍵と考えられた。ところが、初号機の失敗原因となったのは2段目エンジンで起きた電気系統の不具合。多くの打ち上げ実績を誇る「H2A」ロケットと同じ部材を継承した箇所だった。成功を重ねてきた技術に潜んでいた思わぬ穴。JAXAと共同開発してきた三菱重工の新津真行プロジェクトマネジャーは「怖さを知った。だが、それによってエンジニアたち一人一人が、見逃しがないか自ら考えて動けるようになった」と振り返った。

 H3は今後、日本の火星衛星探査計画「MMX」などの重要なミッションで活用が期待される。当面は政府やJAXAからの「官需」が中心となりそうだが、低コストと打ち上げ精度の高さを武器に海外の通信衛星などの民需獲得を狙う。17日の会見で三菱重工の江口雅之執行役員は「10~15号機くらいから国際競争力を持ち始め、年間8~10機打ち上げられるようになりたい」と展望を語った。

 宇宙政策に詳しい東京大公共政策大学院の鈴木一人教授(国際政治学)は「新型ロケットがいきなり商業市場でフル稼働するのは難しい。まずは官需で実績を積み、信頼性を高めることが必要不可欠だ」と話す。【田中韻】

(引用終わり)
今日、次世代大型ロケットであるH-3の打ち上げが成功した。
1号機の失敗を糧として改良を重ね、2回目の挑戦で見事に成功した。
正に日本の科学技術力の底力を見せてくれたのだ。
おめでとうございます!
よかったですね。

実にお見事でしたとしか言いようがありません。地道に1つ1つ積み上げてきたものが成果となって現れるのは嬉しいものです。結果に近道無し楽な道無し、しかし楽しむ気持ちを忘れると病みますからやり過ぎも良くありません。今日は祝杯をあげて気持ち良く眠っていただきたいと思います。

失敗は成功の母!

挑戦しなければ、失敗も成功もないのです。

軍事に関わる衛星は他国に運んで打ち上げられないのですよ。
他国や民間企業のロケットで偵察衛星を打ち上げるのは機密漏洩のリスクや破壊工作(すぐに壊れなくてもいずれ確実に故障させるのは難しくない)対策が難しい。

自国の力で打ち上げる為にも、今回の打ち上げ成功は意味が有るのです。
民間衛星だったら打ち上げにかかる費用対効果だけで考えればいいが・・・

さらに突き詰めれば、ロケットは弾道ミサイルにもなる。
そして弾頭部に...これ以上は言わないけど。北を見てればわかるでしょうけど。

とはいえ、新型ロケット「H3」の国際競争力を得るためには、何か強みを持たないと。
国産無人補給機の打ち上げ運用のみならず、将来は地球帰還カプセルを追加して、ISSやスペースゲートウェイからの成果物の持ち帰り、さらには飛行士の地球帰還を実現すべきだ。

有人宇宙輸送手段を得れば、日本の地位も上がる。