ピンポイントの月面着陸に成功 実証機スリム、「倒立」で 月面ロボ画像で判明
産経新聞
241/25(木) 15:24配信

世界5カ国目の月面着陸に成功後、太陽電池が発電せず活動を停止した日本の小型実証機「スリム(SLIM)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、目標地点から約55メートルの位置に着陸したと発表した。
目標地点への誤差を100メートル以内に抑える高精度な「ピンポイント着陸」に成功したのは世界で初めて。飛行データや月面ロボットの撮影画像から判明した。
ただ、降下途中にエンジンが破損し姿勢が乱れ、予定の姿勢から180度回転した形の「倒立状態」で着地したという。

JAXAによると、スリムは20日、月の約15キロ上空から、クレーター周辺の斜面に向けて正立状態で、月面の画像を撮影しながら降下した。事前観測で用意した月面地図と14回にわたり照合し、自分の位置を正確に把握。搭載していた目標地点から約55メートルの場所に着陸することに成功した。

目標地点周辺の障害物を自律的に回避していたことから、JAXAでは最終的に目指した地点への着陸誤差は少なくとも10メートル以内で、わずか3~4メートルだった可能性が高いとみている。

一方、着陸姿勢は計画と大きく異なった。スリムは着陸直前に、超小型の月面ロボット「ソラキュー(SORA-Q)」と月面探査機「LEV-1」を放出。その後、機体底面の一端で接地してから機体を斜面に倒れ込むように傾け、上部側面も接地し斜面で姿勢を安定させる「2段階着陸」を行う計画だった。

だが、2基のエンジンのうち1基が破損し、逆噴射の出力を失ったことから姿勢を崩したという。着陸姿勢は、飛行データの解析のほか、ソラキューが月面で撮影し、LEV-1が地球に送信した画像から、倒立状態と判明した。太陽電池は太陽光が差し込まない西側を向き、発電できない状態だった。エンジン破損の原因は不明で、着陸時に機体がどのような動きをしたかも含め、解明を急いでいる。

JAXAによると、太陽電池は真下を向いていないため、太陽と位置関係が変わって西側から光が当たれば、発電を開始する可能性があるという。光が当たる位置関係は今月中に訪れる見通しで、太陽電池が稼働すれば、周辺の岩石の撮影など、数日間の月面での活動を再開する。

スリムは昨年9月7日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、今年1月20日に日本初の月面着陸に成功したが、直後に月面での活動エネルギーを賄う太陽電池が発電せず、数日間を予定していた月面活動が困難と判明。

獲得済みの飛行データや月面の画像を、持続時間わずか数時間の内蔵バッテリーで地球に送信した後、太陽電池の発電が可能になった際にシステムを安定的に再起動できる最低限の余力を残し、電源をオフにしていた。

(引用終わり)
世界初の倒立月面着陸成功おめでとうございます。

月で倒立なんてなかなかできない
それこそ世界初

月面に逆立ち着陸って世界初の快挙ですね。
これでも世界初には違いない。

戦争とか暗いニュース多い中、世界中に笑われる楽しい話題です。

誤差僅か55mという『超』がつく精密着陸を成し遂げた「SLIM」はやはり凄いと思う。
今回、確かに着陸制御が上手くいかず、噴射口が上を向くというアクシデントが発生して太陽光パネルが発電しないというトラブルはあったものの、無事探査ロボットが活動出来たことはこのミッションの成功を示すモノだと思いたい。
それにしても、その月面探査ロボットをタカラトミーという玩具メーカーが制作するといのは以外だったが面白いなぁ…笑。
きっと、玩具メーカーだからこその知恵とアイデアが詰まった探査ロボットなんだろうし、これからも、こういうジャンルに囚われない柔軟な発想は宇宙開発には必要不可欠なんだと思う。

着陸前の中継で、この機構はこのおもちゃから、この仕組みはあのおもちゃからと言ってたのが面白かったです

でも、子供という容赦ない相手に壊されない作り方のノウハウというのは、過酷な宇宙にも通ずるのかも

SLIM本体の成否でとやかく言うより、タカラトミーのおもちゃ(数万円で売ってるとか) は月にちゃんと着地。LEV-1経由ながらも、おもちゃが月の写真とSLIMの写真を撮ってきたってだけでも愉快だね。