日本の首相を「不倶戴天の敵」と呼んでいた北朝鮮、岸田首相には突然「閣下」…その狙いは
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が日本に地震被害への哀悼
朝鮮日報 : 2024/01/08 10:55
  
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が日本の岸田文雄首相を「閣下」と呼び、先日の能登半島地震に哀悼の意を示した。北朝鮮は通常日本の首相に対しては「不倶戴天の敵」などと敵意をあらわにしているが、今回のように「閣下」と親しみを込める言葉を使うのはほぼ前例がない。

 朝鮮中央通信は6日、金正恩総書記が前日「日本国総理大臣岸田首相閣下」に電報を送り「新年正初(年始め)から地震により多くの人命被害と物質的損害を被ったとの知らせに接し、遺族と被害者の皆様に深甚な同情と哀悼を表する」「私は被害地域の人民が一日も早く安定した生活を取り戻すことを祈願している」と伝えた。

 北朝鮮が異例にも金正恩総書記名義で岸田首相に「閣下」という呼称まで使い哀悼の意を伝える理由については「両国関係改善をもくろんでいる」との見方が有力視されている。韓米日3カ国の安全保障協力が強化され、文字通り隙のない状態の韓国と米国ではなく、日本を利用して外交的孤立を避けたい意図があるとの見方だ。ある韓国政府当局者は「韓国とは違って日本を相手にすることで韓国社会内部の対立を煽る意図がありそうだ」との見方を示した。元北朝鮮外交官で韓国与党・国民の力の太永浩(テ・ヨンホ)議員は自らのフェイスブックに「同族である韓国に対しては超強硬な姿勢で南南葛藤(韓国国内の対立)を誘発し、日本には融和的な態度を示すことで韓米日によるキャンプデービッド・プロセスを弱めたいのだろう」と指摘した。

 日本の林芳正・官房長官は日本メディアとの記者会見で「金正恩委員長のメッセージには感謝の意を表する」とする一方「2011年の東日本大震災など、北朝鮮の最高指導者が日本の首相に地震などに関する慰労のメッセージを送った事例は最近はない」と明らかにした。林官房長官は金正恩総書記のメッセージに返信するか問う質問には「各国首脳からのメッセージへの返信は現時点では行っていない」と述べ明言を避けた。

 北朝鮮は過去にも何らかの狙いがある時に「閣下」の呼称を使った事例がいくつかある。金正恩総書記は米国のトランプ前大統領に対して2017年までは「狂った老いぼれ」などと侮辱していたが、米朝首脳会談で制裁解除を狙った際には丁重に「閣下」という言葉を使った。また2018年にトランプ大統領(当時)に送った親書では9回にわたり「閣下」と呼び、「卓越した政治的感覚を持つ閣下に直接会いたい」「閣下と直接朝鮮半島非核化問題について話し合うことを希望する」との考えを伝えた。

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が2018年9月に南北首脳会談のため平壌空港に到着し、朝鮮人民軍儀仗隊の査閲を行った際、朝鮮人民軍大将は「大統領閣下、朝鮮人民軍儀仗隊は閣下をお出迎えするため整列いたしました」と述べた。しかしその後ベトナムのハノイで行われた米朝首脳会談が決裂し制裁解除のもくろみが外れると、北朝鮮は文前大統領に対し「おびえた犬」「物珍しいほど厚かましい人間」「特等のあほう」などさまざまな侮辱の言葉を使った。

 金正恩総書記の父である故・金正日(キム・ジョンイル)総書記も米国大統領に「閣下」という言葉を使ったことがある。北朝鮮が国際社会からエネルギー支援などを得るため6カ国協議に応じていた2005年、金総書記は鄭東泳(チョン・ドンヨン)韓国統一部(省に相当)長官(当時)と面会した際、米国のジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)について「ブッシュ大統領閣下と呼びます。ブッシュ閣下に対して悪く考える理由はありません」と語っていた。

キム・ミンソ記者


日本の首相を「閣下」と呼んだ北朝鮮、韓国に対しては3日連続で砲撃挑発
北朝鮮が週末に延坪島北方から150発砲撃
朝鮮日報 : 2024/01/08 11:15
  
 北朝鮮軍は今月5日に続き6日と7日にも西北島嶼地域で150発以上の砲撃を行った。韓国軍合同参謀本部が明らかにした。北朝鮮が5日から3日連続で行った砲撃の際に使った砲弾は合計350発以上。韓国で今年4月に予定されている総選挙を前に軍事的緊張を高める狙いがあるとみられる。今月5日に北朝鮮が発射した砲弾のうち一部はNLL(北方限界線)北側わずか7キロの地点に落下したという。

 合同参謀本部は「7日午後4時から午後5時10分まで北朝鮮軍は延坪島北側の対岸から90発以上の砲撃を行った」と明らかにした。合同参謀本部は前日にも「北朝鮮は6日午後4-5時頃にも延坪島北西側対岸の陣地から放射砲(多連装ロケット砲)や野砲など60発以上の砲撃を行い、うち一部が西海NLL北側海上の緩衝区域に落下した」と発表していた。

 韓国軍は5日には北朝鮮の砲撃挑発に対抗するため海上に向け砲撃を行ったが、6日と7日はこれを実施しなかった。これについて合同参謀本部の関係者は「北朝鮮は6日と7日はいずれも自分たちの地域に向けて撃ったため、5日と同じように対応する必要はなかった」と説明した。北朝鮮は今月5日にペンニョン島対岸の長山岬周辺と延坪島対岸の登山岬周辺から200発以上の海岸砲を撃ったが、これに対して韓国の西北島しょに駐留する海兵隊はK9自走砲やK1E1戦車砲などから北朝鮮が撃った砲弾の2倍に当たる400発以上を撃った。合同参謀本部は「北朝鮮による相次ぐ敵対行為禁止区域内での砲撃は韓半島の平和を脅かす緊張を高める行為だ」と非難し直ちに中断するよう強く求めた。

 韓国では4月に総選挙、また米国では11月に大統領選挙を控えており、北朝鮮がさまざまな形で挑発のレベルを高めると予想されることから、韓国軍も警戒を強めている。NLL北側はもちろん、南側海域や島嶼に対する砲撃や、DMZ(非武装地帯)周辺での武力示威や銃撃などさまざまな地域での極地挑発、サイバー攻撃やテロによる挑発の可能性も考えられるため、韓国軍当局は警戒を強めている。あるいは短距離ミサイルからICBM(大陸間弾道ミサイル)、SLBM(潜水艦発射弾頭ミサイル)などさまざまなミサイルの発射、さらには7回目の核実験など戦略的な挑発が行われる可能性を指摘する声も出ている。合同参謀本部は「挑発を受けた際には『即・強・最後まで』の原則に従い圧倒的かつ断固たる対抗措置を取る」と明言した。

 一方で北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は同日、談話を発表し「今月6日は実際に砲撃を行ったのではなく、砲声を模した発破用の爆発を起こした欺瞞(ぎまん)作戦だったが、韓国がこれにだまされた」と主張した。これについて合同参謀本部は「コメディのような低レベルの扇動であり、韓国軍への信頼を傷つけ、南南対立(韓国国内の対立)をあおろうとする北朝鮮の常套手段だ」と反論した。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者


金正恩氏、西海砲撃の日に日本首相には「閣下」と呼称
東亜日報
Posted January. 08, 2024 08:14,   Updated January. 08, 2024 08:14

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が5日、岸田文雄首相を「閣下」と呼び、少なくとも126人の死者が発生した能登半島地震と関連し、見舞いの電報を送った。北朝鮮の最高指導者が日本の首相に見舞いの電報を送ったのは初めて。同日は北朝鮮が西海(ソへ・黄海)北方限界線(NLL)以北の海上緩衝区域に200発以上の砲弾を発射する挑発を行った。北朝鮮が韓国を「民族、同族ではなく、敵対的交戦国」と規定し、武力挑発のレベルを高める一方、日本には友好的なジェスチャーを取ったことに対し、政府は「昨年から大幅に強化された韓米日3ヵ国協力に亀裂を入れようとする分断戦略」と見ている。

6日、北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は前日、岸田氏に「閣下」という表現を使いながら「遺族と被害者に深い同情と哀悼の意」を表明した。林芳正官房長官は、「(金正恩氏の見舞い文に)感謝の意を表したい」とし、日朝間の具体的なやりとりについては「事柄の性質上、控えたい」と述べたと、NHKが報じた。北朝鮮は1995年の阪神・淡路大地震の際には、姜成山(カン・ソンサン)首相名義で日本首相に電報を送った。2011年の東日本大震災の時は、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長名義で在日本朝鮮人総連合会に見舞い文を送った。

政府当局や専門家らは、岸田氏が拉致問題と関連して、北朝鮮との対話の意向を積極的に示しており、実際に北朝鮮と日本が昨年、中国やシンガポールなどで数回実務接触を行ったことと無関係ではないと見ている。昨年、日朝間の実務交渉は進展しなかったが、岸田氏が拉致問題の解決に向けて日朝首脳会談も可能であることを明らかにしてきたため、日朝間の水面下の接触が続いている可能性も否定できない。北朝鮮が過去に韓国との対話を拒否する一方、米国に交渉を求めた「通米封南」戦略のように「通日封南」を図る可能性があるという観測も流れている。

北朝鮮は6日、西海の延坪島(ヨンピョンド)北西のケモリ陣地(黄海道康翎郡)で放射砲や野砲などを動員して西海の緩衝区域に砲弾を発射した。ケモリ陣地は10年の延坪島砲撃挑発の原点であり、延坪島までの距離はわずか12キロだ。

コ・ドイェ記者 ユン・サンホ軍事専門記者

(引用終わり)
北朝鮮が過去に韓国との対話を拒否する一方、日本国に交渉を求める「通日封南」を図る可能性がある。
韓国は反日政策の撤廃、竹島からの撤退で日本に接近する「通日封北」を図るべきだろう。

プーチンがいつコケても不思議ではないのだ。高齢で健康に悪い政治家という職業が確実に命を削っているのだから。

金正恩が日本に接近せざるを得ない。
中共もいつコケるかわからない。