日英伊共同開発の次期戦闘機模型、ロンドン展示会でも公開 #DSEI2023 #GCAP
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23/9/13(水) 3:25
高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
9月12日から15日まで英国・ロンドンで開かれている欧州最大の防衛装備品の展示会「DSEI 2023」で、日英伊が共同開発を進める次期戦闘機の模型が公開された。
当然ではあるが、今年3月開催の日本最大の防衛装備品の展示会「DSEI JAPAN」で初公開された次期戦闘機の模型と同じ形状をしている。
ただし、日本で公開された模型よりもダークな塗装で、F-35戦闘機のようなステルス機に施されたレーダー吸収材料(RAM)コーティングの雰囲気をより醸し出している。照明の光の加減で単にあたかもステルスコーティングのように見えるのかもしれない。機体のエア・インテーク(空気吸入口)の外側部分には、白い三角形の塗装も見られる。
次期戦闘機の開発計画は「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP=ジーキャップ)」と呼ばれる。
日英伊3カ国政府が昨年12月に発表した。三菱重工業とBAEシステムズ、レオナルドの3社が機体の開発を進めている。
防衛省は航空自衛隊のF2戦闘機の退役が見込まれる2035年度までの開発完了を目指している。
現在保有するF2と同数の少なくとも約90機の導入を想定している。
一方、英国も現行の戦闘機ユーロファイター・タイフーンの後継機として「テンペスト」の2035年までの配備を目指している。
(引用終わり)
日英伊3カ国による次期戦闘機開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP=ジーキャップ)」はいい感じだ。
現在、世界で進行中の戦闘機開発計画の数は軽く片手にもなる。
仏独主体の次世代戦闘機、中露の次世代戦闘機SU57、印度、韓国、トルコの中進国の次世代戦闘機、
大本命米国のNGADといったところか。
日本からの視点で言えば、
米国のNGADは、F22戦闘機の後継機を含む巨大計画だけに敷居が高い。
NGAD用エンジンXA100、XA101は推力20トンだ。
第四世代戦闘機用エンジの二倍の出力だ。
感覚としては、1000馬力級エンジンを載せた戦闘機と2000馬の力級エンジンを載せた重戦闘機の戦いというものだろう。
そもそも米海空軍の次期主力戦闘機開発のためだから、日本の立場は弱い。
F2戦闘機と同数の少なくとも約90機の導入ではね。
ましてやNGAD戦闘機の輸出価格は1機200億円以上と見込まれる。
調達費、維持費の低廉化を目指したF35計画も世界最高値軍事プロジェクトになってしまった。
コストコントロール能力に疑問がある。
仏独主体の次世代戦闘機開発の最大の難関は、戦闘機用エンジンだ。ミラージュ戦闘機時代からの伝統の軽戦闘機主義とは今回も縁が切れなそうだ。
印度、韓国、トルコの中進国の次世代戦闘機、このグループにはスウェーデンも加えていい。
米国製戦闘機用エンジンのユーザーグループである。
中露のSU57もエンジンがネックだ。
ウクライナ戦の長期化で莫大な資金と技術者を必要とする戦闘機用エンジンの開発も頓挫することだろう。中共がこれを引き継ぐとも思えない。
GCAPが米国以外のグループに勝っているのが、XF9エンジンの存在だ。
米国に依存しない戦闘機用エンジンの存在は優位性を確保する。
中ロ製のエンジンは話にならないし、米国系エンジンに頼るのは怖い。
フォークランド戦争で英国に負けたアルゼンチンは、現在では戦闘機どころか、ヘリもまともに飛ばせない。
戦闘機は英国の圧力により調達できないし、ヘリは製造元が露西亜でアフターサービスが止まった。
GCAPを2035年度までの開発完了を目指すなど悠長なことは言わずに、5年間は繰り上げて、2030年度量産開始を目指すべきだ。
先行生産型として、飛行試験機を製造すべきだ。
日本空軍はF2代替として90機などとけち臭いことは言わずにF15戦闘機の代替も加えて、200機以上調達すべきだろう。
どうせ、改修するのだから、将来の発展性を考慮した双発大型戦闘機として製造すればいい。
ステルス機能が必要な任務はF35に任せればいい。
F3戦闘機はコスパ改善を目標とすべきだ。
そして、F3戦闘機の愛称は「烈風」とすべきだ。