令和6年4月13日(土)

4月のお稽古記録です。

 

先月は勝手をして、お休みさせていただきました。

おかげさまで町内会の大役を、無事次の方にお渡しすることが出来ました。

昨年度はいろいろご不便をおかけしましたが、今月からまた楽しくお稽古してまいりましょう♪

 

 

掛物は「心静楽長年」(こころしずかにして ちょうねんのらくあり)

この掛物は30年ほど前に手に入れたものです。

その時は意味も全く分からず、

(心を静かにして、長く人生を楽しむっていう意味かな~?)

と思っていました。

 

後年知ったのですが、「長年」は「老年」の意味だそうで、心静かにあれば老境も楽しいものである、という意味なのだそうです。

まだこの語にふさわしい齢には少し足りないかもしれませんが、なぜか春になると使いたくなる掛物です。

 

 

お花は白雪芥子(しらゆきげし)と八重の山吹。

 

「七重八重花は咲けども山吹の みのひとつだになきぞ悲しき」

 

江戸城を築城した室町時代の武将・太田道灌(おおたどうかん)のエピソードに出てくる歌です。

道灌が鷹狩りの折、急な雨に降られ、一軒の民家に蓑を借りるため立ち寄ったところ、その家の娘さんが山吹の花の一枝をそっと差し出したのだとか。

道灌は意味が分からず、少々立腹しながら帰ったのですが、後にそれは古歌にちなんだものであったと知ります。

 

「七重八重花は咲けども山吹の 実の一つだに無きぞかなしき」(兼明親王)

 

八重の山吹には実がつかないそうです。

「みの」を「実の」と「蓑」にかけていたんですね。

道灌はその古歌を知らなかった自分の浅学を恥じ、以降は歌の道にも励んだ、ということです。

 

先年亡くなった私の師匠によれば、八重の山吹はあまり茶花としては使わない、ということでした。

そういえば、茶花ではどんな花でもあまり八重のものは見かけませんね。

この山吹は叔母にもらったものを使いました。

ほぼ蕾なのでお許しを。

 

白雪芥子は、その師匠を偲び、感謝する茶会に使われました。

本来ならば「追善の茶会」とすべきだったのでしょうが、弟子一同、まだまだ師匠とお別れしたくなかったのです。

なので「感謝の茶会」となりました。

2月12日のことでした。

 

奇しくも今回のお稽古日は師匠の月命日でしたので、これも何かのご縁かな、と。

ちょうど庭に、清楚な姿で咲いていてくれましたので・・・

 

 

主菓子はお花見団子。

普通のお団子とは少し色が違いますね。

ちょっと頂き辛かったですが、扱いにくいお菓子も美しく食べられるように頑張りましょう!

 

 

干菓子はおなじみの「さまざま桜」

 

 

お稽古は運びの濃茶。

まず私が点前をして、お三方(Kさん、Tさん、Aさん)がお客さんのお稽古。

薄茶と違い客の所作も増えるので、最初は混乱するかもしれませんね。

でも何のためにその所作があるのか?を考えてみましょう。

頭ばかりになってもいけませんが、理解が進むとまたお茶が面白くなっていきますよ。

 

そしてお一方(Aさん)が初めてお点前をされました。

(KさんとTさんは先にお帰りになりましたので)

薄茶がしっかり身についていらっしゃるので、スムーズにお点前をされました。

一人分を練るのは難しいのですが、上手に練られていました。

とても美味しかったですよ♪

 

 

来月は風炉のお濃茶も始めましょうね。

 

今月もお稽古ありがとうございました。