2023/5/27
1人で雲取山に日帰りで登ってきました。ルートは秩父市三峰神社からのピストンです。
雲取山は、過去に奥多摩から秩父に抜ける縦走を計画し、見通しの甘さから山頂から先の秩父側登山道の凍結を予測できず、結局鴨沢ルートのピストンになってしまったことがあります。
その後、リベンジを考えたものの、休日は七つ石小屋テン場の予約があっという間にいっぱいになってしまうという状況が続いているため後送りになっていました。
週半ばに土曜日の予定を考えていて、ふと「雲取山に三峰神社からピストンで日帰りは可能か」ということが頭に浮かび、ダメ元で山と高原地図のコースタイムを計算してみました。結果
往路 5:20
復路 4:15
計 9:35
ということがわかりました。これなら、明るくなってすぐにスタートすれば日帰りもなんとか可能です。ただ問題は私の体力です。50代前半までだったら「なんだ、余裕じゃん」って思えたし、実際に7時間程度で往復できたんですが、現状ではどんなに早く歩いても8時間はかかるでしょうし、そもそもアップダウンのある縦走路を8時間歩き続けられる体力があるのかさえ怪しいです。
しばし悩んだんですが、5時間経過した時点で山頂に届かなくても引き返す。装備も最悪一晩ビバークできる必要最低限の装備でということにして、とにかく行ってみることにしました。
ちなみに、一晩ビバークできる装備といっても冬山用のダウンジャケットにフリースを持ったくらいで定番のツェルトはなし。これだけだと夜はかなり寒いですけど、雨具も含めて持っているものをすべて着込んで、風の弱い場所を選んでビバークすれば翌日の行動に支障をきたさない程度で夜を過ごすことができると思っています。(かなり前ですがお盆休みの北岳山頂直下でこの程度の装備で一晩過ごしたことがあります)
午前4時に三峰神社駐車場に到着しました。駐車場は料金所があるゲートが解放されていて、係員がいなくても止められる状態になっていました。
事前に調べておいた「登山者は第二駐車場に止めろ」という指示に従って第二駐車場に向かうと、さらに「登山者は登山者用駐車場に止めろ」との張り紙がありました。張り紙に従って車を移動させると未舗装の駐車場に案内されました。
準備しているうちにヘッデンが必要ない程度に明るくなったので行動開始します。行動開始は4:20でした。
最初のうちはこんな↓歩きやすい登山道が続きます。これなら心配する必要はなかったなんて思ったんですが・・・・・
まあしかし、そうは問屋が卸しませんわな。
スタート地点の標高は1100mで雲取山は2017mですので、標高差は約900mあります。これは谷川岳西黒尾根の標高差とだいたい同じくらいで、登山口と山頂の標高差としてはごく普通だと思います。
地形図で見た範囲では、このルートは距離はあるものの大きな登り返し(急降下→急登)が無く、足に優しいルートと思っていたんですが、実際に歩いてみると西黒尾根のような急登こそないものの細かいアップダウンがあり、じわりじわりと足に効いてきます。
しかもところどころに「雲取山×××km」って道標があるんですよ。これがうんざりするんです。
この道標の距離が正しければ、片道10.7kmあるんですね。ということは往復約21km!もう勘弁してくれよって感じです。
どうしても欲目があるので「もう1kmくらい歩いたろう」と思っていて次の道標を見たら500mしか進んでいなかったなんてのがしょっちゅうなんですね。これは精神的にきつかったです。
ただ、朝早かったので最初の2時間半は私のほかに人影がありませんでした。これは気持ちよかったですね。
大嫌いな熊鈴の音や、おしゃべりの声に煩わされることもなく、美しい鳥の声やキツツキが木をつつく音を聞きながら、気分良く歩くことができました。
この休憩所、てっきり放棄されているのかと思ったら、帰りにはしっかり営業してました。
標高が1700mを越えた頃になると、満開のミツバツツジがそこここに咲いていました。
この廃墟になった白岩小屋周辺が見頃でした。
今回のルートで雲取山に次いで標高が高い白岩山です。標高は1921m。ここから雲取山までがとにかく辛かったです。
せっかく稼いだ標高も、このあと1700mまで200mも一気におろされます。とうぜんそこから2017mまでの登り返しが待っています。距離があるので登りは比較的緩やかなんですけど、その距離があるせいで足はもうガクガクです。
それでも景色が良ければ気持ち的に少しは癒されるんですけど、このルート、全体が樹林におおわれているため、展望はほぼありません。最初はいいんですが、何時間も同じような景色が続くとさすがに飽きます。
ここまで来ると雲取山荘に宿泊したであろう登山者とすれ違うようになってきました。貸し切り状態もここまでです。
ようやく雲取山荘に到達しました。白岩山から雲取山荘までが遠かったこと。ここまでくれば山頂まであと30分です。流しっぱなしになっている湧き水でのどを潤し、ついでに顔を洗ってさっぱりして山頂に向かいます。
山頂到着。ここまで3時間59分でした。コースタイムの8割弱。でもまだ帰路があります。
原三角点です。ここと、群馬県下仁田町の白髪岩、新潟県の米山の3か所しか残っていないそうです。
山頂でしばしまったりして、んじゃそろそろ帰りますかね。前回(2019/4/21)はこの斜面が
こんな↓になってました。これじゃ滑り止めが無ければ危なくて降りられません。
同じ道のピストンなので帰路は写真を撮りませんでした。
途中から持病の膝痛に悩まされつつ、往路と同じ4時間かけて下山しました。膝痛を予想して最近登山者の定番アイテム(???)になっている「芍薬甘草湯」を持っていき、痛みが出始めた時点で飲んでみたんですけど効果はありませんでした。
芍薬甘草湯は痙攣など筋肉のトラブルにしか効果が無いのかもしれませんね。私の膝痛は膝をある程度以上曲げたときに膝の皿の裏側に痛みが走るという症状なので対象外なのかな?
ドクターに言わせると膝痛の原因は「筋力不足の可能性が高い」だそうですので、ほんとうなら筋トレでもやればいいんでしょうけど、やっぱ続かないですよね。
ただ、往復20kmの長丁場でも日帰り装備なら何とか歩けたので少し安心しました。
追加
13時頃に三峰神社の駐車場を出たんですが、驚いたことに駐車場に入りきれない車の車列が500mくらいの長さになっていました。失礼ですけど三峰神社にそんな見どころって無いと思うんですが、なんでこんなに参拝客が多いんでしょう???なにかイベントでもあったんでしょうか?