日光白根山 西面3ルンゼ登攀 | 山歩きとバイク旅

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1/25 師匠、ドクターと日光白根山に行ってきました。

 この日の予定は、丸沼スキー場のゴンドラ山頂駅から地獄なぎ付近まで夏道通しで進み、そこから西面3ルンゼを直登して山頂まで。あとは雪の状況を見て東面のいずれかの斜面を滑るというもの。
 
 つまり、バリエーションルートからの登攀とバックカントリースキーをいっぺんに楽しもうという欲張り計画。

 西面3ルンゼは、丸沼スキー場のゴンドラ山頂駅から日光白根山の正面中央に見える巨大なルンゼを直登した詰めのルンゼのことで、ガレが酷いため石が雪と氷で固定される冬期限定ルートです。師匠と私がここを登攀するのは今回で2回目、ドクターは初見参。
 
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真ん中の巨大なルンゼが中央ルンゼです。
 

 ちなみに「西面3ルンゼ」という名前は一般的な呼称ではないと思います。バリエーションとしては簡単すぎるし、スノートレッキングというには難しすぎるという、中途半端なこんな所を登ろうという物好きはあまりいないようで、登攀記録が非常に少ないので、呼称そのものがないのかもしれません。
 
 西面3ルンゼの難易度は、冬期バリエーションルートとしては初級レベルで、ちょっと雪壁の登攀経験がある人なら、ノーロープのシングルアックスで普通に登れると思います。実際、我々も兼用靴にアイゼン、板を背負ってピッケル1本で登りました。(途中ピッケルが2本欲しくなる状況もありましたけど)

 8:30のゴンドラ運行開始を待って山頂駅へ。天気は時折日が差すものの、雪が舞い、あまり良い状態ではなく、日光白根山も中腹から上はガスで隠れて姿を見せてくれません。あまり視界が悪いとルンゼ上部から稜線へ抜けるルートを間違える可能性もあるのでちょっと心配です。
 
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 ぱっと見、登山者は我々以外に2人パーティが2組、計4名。いずれもスノーシューorワカンで、夏道どうしで東面から山頂を目指すようで、スキーは我々だけみたい。

 トレースは良く踏まれていて、ツボ足でも問題ありませんが、重い板を担いで登るのも馬鹿馬鹿しいのでシールで歩き出します。
 
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 予定通り、地獄なぎで夏道を離れ、中央の巨大ルンゼに向かって直登ルートを取ります。目測で200mくらいは灌木もなく、スキーで滑っても楽しそうな斜面が続きます。
 
 
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この斜面を登ります。正面の岩壁が中央巨大ルンゼ左側の岩壁です。
 

 ビンディングのクライミングサポートを目一杯高くし、直登を試みますがやっぱり無理みたい。直登を諦めてジグザグ登高に変更。でも進行方向を変えるときが大変なんですよね。それにトラバースに近い形になるのでシール登高の下手な私は谷足がずり落ちたりして大苦戦。
 
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写真では斜度を感じませんが、登ってみるとそれなりの斜度があります。直登できればもっと楽なんですか・・・・
 

樹林帯を越えたところで師匠から声がかかってスキーからアイゼンに変更します。幸い、雪はそこそこ締まっていて、平均足首で、たまにクラストを踏み抜いて膝まで潜るくらい。
 
 
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一度登ったルートだし、私の記憶ではルーファイに悩むような所もなかったはずなので、ここぞとばかり先頭で登ります。

一抹の不安は、久しぶりに担いだスキー板のせいで妙に体のバランスが悪いこと。斜面もガレ場の上に雪が積もっているので足元が見えず、これもバランスを崩す原因になっています。
 
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この頃になると天気が回復してきて青空が見えるようになりました。このルンゼは登攀の楽しさよりも景色が素晴らしいことが最大の魅力ですので、天気が悪いとせっかくの絶景がだいなしになってしまいますが、今日は絶景が目一杯楽しめそうです。
 
 
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ガレ場を過ぎると雪面はフラットになって登りやすくなりますが、斜度も増してくるため、積極的にピッケルのお世話になりながら登るようになります。私の登攀に近いルート用のピッケルはBDベノム55cmで、非常に刺さりの良いピッケルですが、それでも一歩ごとにピッケルを雪面に突き刺しながら登っていると腕がかなり辛くなってきます。

最初の二俣は右のルンゼに入ります。この写真の位置からだと左のルンゼの方がこのまま稜線に突き上げていそうに見えますが、 ↓
 
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実際はこんな状態で雪壁はすぐに岩壁に変わってしまいます。↓
 
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右のルンゼはこんな状態。↓
 
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けっこうな迫力でしょ?。正面の岩壁で行き止まりに見えますが、ルンゼは左にカーブしています。私の記憶では、このカーブのあたりに氷化したところがあって、そこが難所と言えば難所だったんですが、緊張したという記憶はありませんので、かなりなめてかかっていました。
 

しかし、今回はちょっと状況が違いました。前回よりも氷化した部分が長く、プチアイスクライミングの雰囲気になっていました。正直ベノムがもう1本欲しいところです。うーーー、持ってくればよかったと後悔しても時すでに遅しで、1本で頑張るしかありません。なんとか核心部を抜け、振り返ってみると「よくまあこんな所を登ったな」という感じ。
 
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やっと撮影した1枚です。
 

氷化した所を過ぎるとまたルンゼが二股になっています。ここでどちらに進むか(前回はどっちを登ったのか)悩んだんですが、左側のルンゼは稜線まで綺麗な雪壁が続いていたのと、右側のルンゼは途中から先の様子が見えず様子がわからなかったので、確実に稜線に出られそうな左のルンゼを登ることにしました。
 
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左のルンゼを登りました。稜線に出てからわかったことですが、前回は右のルンゼを登っていました。ただ、今回は前回よりも時期が早いためか雪の量が少なく、右のルンゼは稜線直下で岩が出ていて、今回の装備では厳しい感じでした。
 

この斜度だと、登ることは出来ても降りることは容易ではありませんし、万一スリップでもしたら、ピッケル制動で止まるような斜面じゃありません。

氷化した部分を夢中で登っているうちに、師匠、ドクターと離れすぎてしまい、姿が見えなくなってしまいました。二俣のところで2人を待っていようと思ったんですが、足場が悪く、あまり留まっていたい場所ではありません。写真を撮ろうと思っても、バランスを崩すのが怖くて満足に写真も撮れない状況でした。しかも日が当たらないので寒いこと!

大声で叫ぶとドクターから返事があったので、「寒いから先に稜線まで登っちゃいますね」と伝え、最後の50mを登りました。

稜線に出てホッとしたのもつかの間、どうも様子がおかしいです。山頂に続く稜線の先に、ちょっとハング気味の高さ3mくらいの崖が横たわっています。すぐにこの崖を越えられそうなルートは見つかり、崖を越えたところで登山道へ続くフラットな斜面に出ることが出来ました。
 
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最後の雪壁を登るドクター。ちょっとわかりにくいですが、写真を撮っている私の足元のちょっと先がハングした崖になっています。ここは写真左側の灌木を使って乗り越えました。
 
 
 
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手前のフラットな斜面の先が登山道。写真ではわかりませんが、右側の岩にペイントマークとロープが見えます。
 
 
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さて、無事山頂に到着して、次のお楽しみはスキーです。
 
 
追記
 
この記事をアップしてから「日光白根山 西面ルンゼ」でググって見たら、そこそこ記録が見つかりました。「西面3ルンゼ」と呼ばれているみたいです。なんのことはない、2009年に登ったときにこのブログで「西面3ルンゼ」と呼ぶことにしたって自分で書いていました。
 
ちょっとググって見た範囲では、この時の私のブログの記録が一番古い記録みたいです。みなさんこのブログを見て「西面3ルンゼ」と書いているのか、私が適当に書いたルート名がたまたま正式なルート名と同じだったのかわかりませんが、自分の中では「私が名前を付けた」と思い込むことにします。(爆)