大晦日の夜に食べるのが本来の年越しそばなのだろう。

半世紀ほど前の大晦日。家族そろって夕食に年越しそばを食べ、レコード大賞、そして紅白歌合戦を観て除夜の鐘を聞く。

そんな光景はなくなってしまった。

年越しそばは今も健在かと思いきや、近所の出前の蕎麦屋さんに聞いてみたら、最近は年越しそばの出前も減ってきているといわれた。

そうはいっても大晦日の老舗の蕎麦屋は大賑わいで、一年で最も忙しい日を迎える。

最近老舗の蕎麦屋で一足早い年越しそばを食べるのが我が年末の風物詩になっている。

今年は昨日神田の老舗蕎麦屋、かんだやぶそばと神田まつやをはしごした。

神保町で買い物をし、そのまま靖国通りを神田須田町方面に向かう。

19時過ぎ神田まつやの前には10人ほどの行列ができていた。

そこを通り過ぎまず最初はかんだやぶそばに。

かんだやぶそばは明治13年(1880年)創業。

2013年に火災があり、その後新たな店舗になった。

 

 

 

やはり10人以上並んでいた。

 

15分ばかり待って19時30分に席に案内された。

メニューは年末特別のものになっている。

せいろうそばを一枚注文した。

 

せいろうそば。最初に食べたときは結構量があるではないかと思った。

ところが・・・・ そばは数口で食べ終わってしまう。

 

 

個々のそばの特徴はやや緑がかったいろをしていること。

 

やはりあっという間に平らげてしまった。せいろうのざるが少し盛り上がっている。

 

蕎麦湯を飲んで、今は席で会計をする。

帳場ではあのおかみさんの注文を読み上げる声が聞こえている。

10分余りの滞在であった。

 

かんだやぶそばをでてすぐ神田まつやに向かった。

二つの店の直線距離は約100メートル。

到着したのは19時50分過ぎ。すでに神田まつやの前には列はなかった。

神田まつやの創業は明治17年(1884年)。

 

 

 

 

ここ神田まつやの建物は東京都の歴史的建造物に指定されている。

 

待つことなく席に案内された。

神田まつやはかんだやぶそばより店は狭い。

この日は20時がラストオーダーで20時30分閉店ということで20時には暖簾がしまわれた。

ギリギリ間に合った。

ここも年末年始のメニューになっている。

最後はもりそばの大盛りを注文した。

 

もりそばの大盛り。

 

ここのそばは一般的なそばの色。

 

 

私なりにゆっくり食べたつもりである。だがやはりそばはさっとすするのがいい。

 

最後は蕎麦湯で締め。

 

店を出たら暖簾はしまわれていた。

 

この日かんだやぶそばと神田まつやの老舗蕎麦屋をはしごし、一足早い年越しそばを食べることができた。

大晦日はこうはいかない。

二つの老舗蕎麦屋。そばを味わうのもいが、建物や店の雰囲気、店員さんのきびきびした動きなどを眺めているのもまたいいものである。